tag:blogger.com,1999:blog-3809123142532546892024-02-20T02:09:39.227+09:00 いちゃりばちょーでぇナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.comBlogger297125tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-21265703524526832882016-12-10T18:55:00.000+09:002016-12-10T18:55:18.683+09:00ならぬキト日記 母国語編スクレという安宿に入った初日のことだった。簡単な手続きで受付を済ませると、バイクから荷物を解き、それを部屋に入れた。3階までの2往復は、いくら荷物は極力少なくしているといえど、結構な労力だ。<br /><br />あてがわれた部屋は4.5畳ほどの広さ。ベッドがひとつと、小さなテーブル、それにプラスチック製の椅子がそれぞれ置かれている。この上なく簡素。だけど十分。これ以上は望まない。テレビも、冷蔵庫もいらない。それよりも、正面の壁にある木枠の窓を開け放てば、路地を挟んだ向かいの屋根の上に、大聖堂の塔がその頭をのぞかせていた。テレビなんかより、この眺めの方が断然いい。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBWzXQamorNsYFiqBQFun-muDXthCyreLqhUbAJ4DkYxLOU294TeMX02E7xkn1Tt87BLAs3QzSaH5bCCcp3SbuzvVYaG0fKVbgH2SsIw7bZEUD_SED70Fd9nAYDE_538GrwU8z-HM5XUAP/s1600/s-DSCN4233.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhBWzXQamorNsYFiqBQFun-muDXthCyreLqhUbAJ4DkYxLOU294TeMX02E7xkn1Tt87BLAs3QzSaH5bCCcp3SbuzvVYaG0fKVbgH2SsIw7bZEUD_SED70Fd9nAYDE_538GrwU8z-HM5XUAP/s320/s-DSCN4233.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
簡素だけどいい感じ。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj_-lOGeuGUyI6v7liTRZ47uwOao_HOrQTxwxkemys_WoQ8IdUsfKhs1nbYB8ymmuGI-6KwFqJGYaR1C-TgBZ6MOG98kHhyphenhyphenJNRg2lRkORShgEWAST08MTwqDCozPAAQW_TyXYRRYhdlw-1_/s1600/s-DSCN4234.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj_-lOGeuGUyI6v7liTRZ47uwOao_HOrQTxwxkemys_WoQ8IdUsfKhs1nbYB8ymmuGI-6KwFqJGYaR1C-TgBZ6MOG98kHhyphenhyphenJNRg2lRkORShgEWAST08MTwqDCozPAAQW_TyXYRRYhdlw-1_/s320/s-DSCN4234.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
テレビより。</div>
<br />
(路地側の部屋をあてがわれたのは、ラッキーだったな) <br />
<br />
満足した僕は、バックパックを開け、洗面用具を取り出した。<br /><br />(とりあえず、汗を流すか)<br /><br />階段の往復ですっかり疲れてしまったのだ。洗面用具は、カッパの次にしまってある。どの荷物がどこにあるのかは、長い旅の間に決まってくるものだ。それは必然的に自分が使いやすいようになるし、一度決まってしまえば、テントの暗闇の中でさえ、明かりをつけずに探すことができるようになる。不意の雨に対するカッパの次に、洗面用具はある。<br /><br />とは思ったものの、他の客によってシャワーが使用されているのではどうしようもなかった。さらには待ち客もいるようで、すぐには浴びられそうにはなかった。共同のシャワーなのだから仕方ない。それが嫌なら、部屋にシャワーが備え付けの宿に泊まるしかない。<br /><br />(まぁのんびり待つとするか)<br /><br />不意に日本語で話しかけられたのは、その時だった。<br />海外を旅していて、日本人に会うとほっとすることがある。それは、同郷の人間だから。そんな当たり前の考えで納得していた。スクレという安宿に入るまでは。<br /><br /><br />僕の前にシャワー待ちをしていた女性は、韓国人であった。僕が一目で彼女を韓国人だと思ったのと同様に、彼女の方も僕を一目で日本人とだ思ったはずだ。でなければ、僕に日本語で声をかけてきたりはしなかっただろう。<br /><br />シャワーを待つあいだの会話を、日本語でした。普段、日本語が話せる外国人と会話をするときは、難しい単語、言い回しなどを避けるようにしている。ゆっくり話をしたりもする。しかし、彼女にはそのどれもが必要なかった。なんの気を使うことなく、いつも通りの(日本人同士がするような)会話を楽しむことができた。よくまぁこれだけ他国の言葉を操れるものだと感心をするのと同時に、僕は、日本語に飢えていたのだ、と、実感した。<br /><br /><br />陸路で、いちにち200㎞ほどの移動を繰り返していると、日本人どころかバックっパッカーにさえ出会わないなんてことは、ざらだ。ブログで書いていない大部分は、単調な移動の日々である。朝起きて、日中移動して、夜眠る。そんな日々の繰り返し。そんな日々を1ヶ月も続けるときがある。来る日も来る日も、スペイン語。異国を旅しているのだから当たり前と言えば当たり前なのだが、言葉の壁は、常にある。以前よりもスペイン語に慣れたといっても、所詮は片言レベル。会話をするときは、まず自分の思考を変換してから口に出し、次に耳に入ってくる言葉を変換してから、理解する。頭を使う。使うから、疲れる。<br /><br />(あぁ、母国語は、これほどまでに楽なのだ)<br /><br />言いたいことが、そのまま口から出てくる。耳に届いた言葉は、そのまま理解できる。まったく頭を使わない。どうやらその差は思った以上に大きいようであった。<br /><br />彼女と話をすることで、日々のスペイン語の呪縛から解き放たれた。僕は、日本人に会いたいのではなく、日本語で会話がしたかったのだ。相手が日本人かどうかは問題ではない。それに気づいてしまった。それは、スクレという安宿に入った初日のことだった。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-300964793932895112016-12-06T15:26:00.000+09:002016-12-06T15:26:40.415+09:00ならぬキト日記 登城編道は、いつの間にか首都に入ろうとしていたのだけど、僕はそのことに気付かずにいた。<br />赤道を越えた途端、なぜか死んでしまったメーターのおかげで、自分がどれだけの距離を進んだのかわからなかったのだ。あたりを見回しても、未だアンデスの山道を走っている。<br /><br />(地図上ではそろそろのはずだけど)<br /><br />そんなことを考えながら走っていると、途端、煉瓦造りの民家や商店が雑多になり、いっきに町中に入っていった。<br /><br />キトは、エクアドルの首都だ。アンデスの山々に囲まれた標高2850mの盆地にある。町の中心は、旧市街と新市街に分かれていて、どちらもその名の通りの雰囲気を保っている。僕は、旧市街にハンドルを向けた。そこは細い石畳の路地が迷路のようで、新市街の陽光溢れる目抜き通りとは対照的だったが、陰鬱と重厚な歴史を感じさせてくれる雰囲気は、この上なく素敵だ。小回りの利く小さなバイクはこういう路地には好都合とはいえ、坂道と一方通行の多さには、さすがにうんざりさせられる。<br /><br />修道院前の広場に出たのは、旧市街に迷い込んで1時間も経ってからだった。ふたつの塔が天にそびえる修道院の前に、サッカー場ほどの広場があった。やわらかな陽があふれ、ハトが群れを成していた。ぎちぎちとした街並みに突如現れる空間の広がりに驚かされると同時に、いかにこの修道院が歴史あるものかがわかる。見上げる空は、青かった。<br /><br />(いいところだな)<br /><br />スクレは、その広場のすぐ脇に門を構えていた。安宿にしては、大きな扉が不釣り合いに感じられる。扉を開けると、目の前に階段があった。<br />
<br />
長期旅行者の中で、有名な宿だった。シングルで4.5ドルという安さはもちろんある。しかし、盗難が後を絶たない、という噂で有名であった。シングルルームなのだが、宿の従業員は合鍵でいつでも部屋に入られるわけで、そんな中で盗難があっても、宿側がなにも知らないと言えば、宿泊者は泣き寝入りするしかない。宿泊者が取れる対策と言えば、自分が持っている南京錠をドアの施錠に使うか、貴重品を部屋に置いておかないということくらいだ。もっとも、盗難はどの国のどの宿に泊まっても100%安全とは言えない。結局は自己責任という言葉で、旅を続けるしかない。<br /><br />もちろん僕はスクレを選んだ。盗難よりも、4.5ドルという安さを選んだのだ。建物の2階から4階がホテルと聞いていたので駐車場を心配していたが、1階入り口の階段脇のスペースにバイクを停めていいということだった。ありがたい。<br />新市街に行けば、ここよりもきれいな宿に泊まれるのだろうが、倍の金額を出しても足りないだろう。すこしキトでゆっくりするつもりだったから、滞在費は安いに越したことない。それに、今までの経験上、新市街よりも旧市街の方が、好きだった。単純に、面白いという表現もできる。<br />治安という点からいえば、もちろん旧市街を避けた方が賢明なのだろうが、それ以上に心くすぐるものが、そこにはある。その国の、その土地の、そこに暮らす人々の、隠すことのできない息づかいを感じられる。上っ面じゃない、本当の部分。そういう部分に、新市街よりも旧市街の方が、圧倒的に近い。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjbOIRxP8Yw7HIiaPc9ouczfEwk-lMsRKXT_5Fj_Pq3qvn1lEPasChkuHADS0wJIFN2zoZ3wkPtMfFiE6xRwjeatrY1W4Bx96OdnJneghSaKEABtUWYT2r2KuqeLyZfYksiPUovzU-9xax2/s1600/s-DSCN2340.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjbOIRxP8Yw7HIiaPc9ouczfEwk-lMsRKXT_5Fj_Pq3qvn1lEPasChkuHADS0wJIFN2zoZ3wkPtMfFiE6xRwjeatrY1W4Bx96OdnJneghSaKEABtUWYT2r2KuqeLyZfYksiPUovzU-9xax2/s320/s-DSCN2340.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
サンフランシスコ大聖堂。</div>
<div style="text-align: center;">
キトっ子の憩いの場。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgU28QFUu_wfC1JNp95KUwe1iUn4vsFURwvpkbtX6xJOulH_au2zXlayy3hyzykoMEdrd8r1PVdTZS7PRh2bGMjlIhgy8-zU8K06SkgC-DKslUjASLMFIzzT15YwqbWZz4fmpHb65Lca8uT/s1600/s-DSCN2343.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgU28QFUu_wfC1JNp95KUwe1iUn4vsFURwvpkbtX6xJOulH_au2zXlayy3hyzykoMEdrd8r1PVdTZS7PRh2bGMjlIhgy8-zU8K06SkgC-DKslUjASLMFIzzT15YwqbWZz4fmpHb65Lca8uT/s320/s-DSCN2343.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
こちらは独立記念広場。<br />修道院からもほど近い。</div>
<br />結局スクレには2週間ほど滞在した。エクアドルは物価も安く、長期滞在に適していた。それに、キトはそれなりに見るところもあった。宿には世界中から様々な旅行者がやって来たし、足しげく通った食堂のおばちゃんとも仲良くなった。なにより、目の前が南米最古と言われる修道院という、大変恵まれた環境が素敵だった。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-89630382775796214992016-11-07T22:40:00.002+09:002016-11-13T22:15:49.787+09:00ベロシメトロは赤道を越えて vol.2オタバロは、民族色の強い村だった。三方を山に囲まれている。ILMAN、FUYAFUYA、CUICOCHA。それらの雄大な山は、村のどこからでも眺めることが出来た。中心地にあるマーケットでは、民族衣装を身にまとったオタバロ族が、所狭しと店を広げていた。どうやらこの村は、ツーリスト向けの、そういった土産物屋が多いようだ。店の間にできた迷路のような通路を、あてもなく歩く。土産物はカラフルな色使いがアンデスらしく、ひと際目をひく。アルパカの毛で編まれたセーターなどはとても暖かそうで、肌寒い高地にいる身としては、ひとつほしくなってしまう。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj8PidepHDZrR0FRrvs_yhub2RwTM0tJxR-SwfEOHIlvdFYUpNyZRF2U8hfpBAP2cr3GoOZS_VNVr2XlxynvrUclgUyVvws6ZkcBXLmxui_63GEN8shpw46VrPFrXzsqfraiffxXaZXPv5C/s1600/s-DSCN2302.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj8PidepHDZrR0FRrvs_yhub2RwTM0tJxR-SwfEOHIlvdFYUpNyZRF2U8hfpBAP2cr3GoOZS_VNVr2XlxynvrUclgUyVvws6ZkcBXLmxui_63GEN8shpw46VrPFrXzsqfraiffxXaZXPv5C/s320/s-DSCN2302.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
オタバロ族の民族衣装。どこか懐かしい。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiUDO1frYpeXgg1O_GnpCm5uDdpQXLRuEppXEJgwSS-YUXaMLRyXfc-Aho-AZixBtrkQALc0x-_1YR99573sxY77kPQHPJo6lFKJPBDr0mP0FPVUFSdv9EDUq5H6zQz770T6sh1OkMi1iKW/s1600/s-DSCN2301.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiUDO1frYpeXgg1O_GnpCm5uDdpQXLRuEppXEJgwSS-YUXaMLRyXfc-Aho-AZixBtrkQALc0x-_1YR99573sxY77kPQHPJo6lFKJPBDr0mP0FPVUFSdv9EDUq5H6zQz770T6sh1OkMi1iKW/s320/s-DSCN2301.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
村のマーケット。果物は豊富だ。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEghiLqJi5t3lGOJQ5o5th9qnAg_lCMwY57_UoxD3KonN5FoGB2YK8co7IVjzFeuMzmZI9BxrPLDY-duGP3gEJ8Os39mP-9PX_7WoMlZdqcpIUrX8QMiDAdQA2hBSYtSqH73T5pLsuCAvcTI/s1600/s-DSCN2294.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEghiLqJi5t3lGOJQ5o5th9qnAg_lCMwY57_UoxD3KonN5FoGB2YK8co7IVjzFeuMzmZI9BxrPLDY-duGP3gEJ8Os39mP-9PX_7WoMlZdqcpIUrX8QMiDAdQA2hBSYtSqH73T5pLsuCAvcTI/s320/s-DSCN2294.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
色鮮やかな土産物がたくさんだ。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhlhOwvvVSviTIYvq1l_lXThzVl4xc-aISsmvVnSsRdKBNOU5GKW5UiL7lW8ch8ELigmQqxZ8ssGQUQihIKjBpW83kg3l2r7Rfws0qYhWQ3O0PnXtS6alHZS3qIXjhVseY14wth3AZ4r5pq/s1600/s-DSCN2290.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhlhOwvvVSviTIYvq1l_lXThzVl4xc-aISsmvVnSsRdKBNOU5GKW5UiL7lW8ch8ELigmQqxZ8ssGQUQihIKjBpW83kg3l2r7Rfws0qYhWQ3O0PnXtS6alHZS3qIXjhVseY14wth3AZ4r5pq/s320/s-DSCN2290.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
アンデスらしい色彩。 </div>
<br />ホテルは3件目で落ち着いた。たったの5ドルだ。コロンビアより、格段に物価は下がっている。この値段でありながら、ガスのホットシャワーとは幸せすぎる。途切れることのない暖かい湯に、身も心も癒される。もっとも、そんな物価の安いエクアドルの安宿でさえ、夕食には部屋でインスタントラーメンをすするという節約ぶりは健在だ。 <br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhwfRS2vnmYudM-u_RBfiXj9Z3Xd3yP8Qxs0w0qbMq960Brk9zX5AoYVsukCNxh-lOri8ZVxYK9uSD8-sNTRg-2qVWs1J-E4Gag3Pm2Fsn4v61tI28ty6lsoNj-lSnLVJpJOvjM3zUBJfwg/s1600/s-DSCN2286.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhwfRS2vnmYudM-u_RBfiXj9Z3Xd3yP8Qxs0w0qbMq960Brk9zX5AoYVsukCNxh-lOri8ZVxYK9uSD8-sNTRg-2qVWs1J-E4Gag3Pm2Fsn4v61tI28ty6lsoNj-lSnLVJpJOvjM3zUBJfwg/s320/s-DSCN2286.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
道中、イバラの町の屋台で昼食。</div>
<div style="text-align: center;">
コーヒーをごちそうになった。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgrY8LEhD4i_W5W4IwtqYz8XesIKEN1K367kb13xco2AbS93ZgIiqfEk62YM1LyKRcEMNH3ZQjKFFb0nQ8bsaFPr0Ijd4okhPjMOc3-wLFPIcffh_moo5NboidwkOBnzEuAKN-zca2SN-0X/s1600/s-DSCN2310.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgrY8LEhD4i_W5W4IwtqYz8XesIKEN1K367kb13xco2AbS93ZgIiqfEk62YM1LyKRcEMNH3ZQjKFFb0nQ8bsaFPr0Ijd4okhPjMOc3-wLFPIcffh_moo5NboidwkOBnzEuAKN-zca2SN-0X/s320/s-DSCN2310.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
小さな村でも、夕暮れのカテドラルは美しい。</div>
<br />翌朝オタバロを出発した僕は、キトを目指した。距離にして約80㎞。エクアドルの首都である。小さな村を出ると、それまでと同じようにアンデスの山々が広がったが、目指す赤道は、もう目の前である。<br /><br />いったいそれがどういうものかは分からないが、走っていてれば、それと気付くものがあるだろう。そんな気持ちだった。なにせ赤道。軽い気持ちにだってなる。往来の少ない国道だとしても、それなりの目印くらいは出ているはずだ。少し開けた場所で休憩を取り、南へと走り続けた。まさか、その場所が赤道だったとは思いもせず。<br /><br /><br />結局、ペアへでその言葉を聞くまで、まったく気付きもしなかった。3㎞戻った先が、つい10分前に休憩した場所だと知った時は、驚きだった。<br /><br />休んだベンチからそれほど離れていない所に、小さな地球を模したモニュメントがあった。そこから、赤いラインがまっすぐに延びている。<br />
<br />
これか。<br />
<br />
小さな広場に、あまりにも簡単に置かれているので、言われなければわからない。<br />
<br />なんて飾り気のない国なんだ。<br />赤道をこえるんだ。そう興奮していた僕とは対照的だ。<br /><br />なんだか拍子抜けしてしまい、ベンチに腰を下ろした。あたりはつい先ほどと変わることなく、実に穏やかな雰囲気につつまれていた。ここが赤道だからといって、観光客が来るわけでもなかった。地元の人々が、いつもと変わらぬ時間を、いつもと変わらぬように過ごしているだけだ。<br /><br />可笑しかったのは、赤道の真上がバス停になっていたことだ。<br />バス停と言っても、小さな村に、きちんとしたバス停があるわけではない。道がまっすぐで、見晴らしがよく、路肩が十分ある。それだけの理由なのだろう。人々が集まったと思ったら、北半球からやってきたバスに手を挙げ、赤道上で乗り込み、南半球へと去っていく。逆も、またしかり。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh5zJavpc_4uQizrHr0y36KmuLV4-fKwOCxTK8O3ymSA0wwFijX5D4xc_jdAzPjOsjPZ2CFpUVsZHdx5FaIcvXpbGg-LUrsTPxlm41dBHS7J9QH_ertv9bKsDoiYKbCMsVqsLrOItwpBnyI/s1600/s-DSCN2321.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh5zJavpc_4uQizrHr0y36KmuLV4-fKwOCxTK8O3ymSA0wwFijX5D4xc_jdAzPjOsjPZ2CFpUVsZHdx5FaIcvXpbGg-LUrsTPxlm41dBHS7J9QH_ertv9bKsDoiYKbCMsVqsLrOItwpBnyI/s320/s-DSCN2321.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
これか。飾り気なし。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiCLX-fovgynMjz7TUlhcHO87zVjHd0wkSsN2KAqIOUOLhK6NZzyLqUFdjE0YcgbKnSZ6TNmAY31jFyk98yLjFZ2zKRjkKI3_5OXItH4zB3kA4neOqe4pWktzTdPYOwx0cYqalmVj-sAeyM/s1600/s-DSCN2327.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiCLX-fovgynMjz7TUlhcHO87zVjHd0wkSsN2KAqIOUOLhK6NZzyLqUFdjE0YcgbKnSZ6TNmAY31jFyk98yLjFZ2zKRjkKI3_5OXItH4zB3kA4neOqe4pWktzTdPYOwx0cYqalmVj-sAeyM/s320/s-DSCN2327.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
まさか赤道上がバス停だったとは! </div>
<br />赤道をまたいで、当たり前に行われるその光景には、まっさらな生活観があった。 <br />
赤道だろうがなんだろうが、ここに住む人々には、それが常に日々の生活にあるのだ。<br />
いつもと変わらぬ人々の営み。それを目の当たりにし、旅をする意味というものが、なんだかそこに見え隠れしているような気がした。<br /><br />おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-18354928096496180462016-11-07T22:40:00.000+09:002016-11-07T22:53:15.406+09:00ベロシメトロは赤道を越えて vol.1「あぁ。それなら、北に少し行ったところだ」<br />
<br />
窓口に立つ男は、そう言った。<br />
中南米のいくつかの国では、一般道にもかかわらず、ところどころでPeaje(ペアヘ)という料金所がある。料金所なので、そこを通行する車両はみな一様に課金される。たとえそれが小さなバイクとあっても、例外ではない。旅行者にはあまりうれしくない存在だ。そこの窓口の男は、確かにそう言った。<br />
<br />
北?<br />
その言葉に耳を疑った。<br />
北からやって来たのだ。<br />
見逃した、ということか。<br />
見逃したというよりも、この場合、通り過ぎたという方が正しい。<br />
<br />
「Linea del Ecuador(リネア・デル・エクアドル)」は、スペイン語で赤道を意味する。地球を二分するそのラインを、まさか、気づかずに通り過ぎるなんてことがあるのだろうか?<br />
仕方なく、料金所のゲートを抜けてUターンをする。窓口にいる男は、顔色も変えず、再度通行料を請求してきた。まじかよ。今さっき20セントを支払ったばかりだというのに…。<br />
<br />
<br />
エクアドルへの入国は、すべてが滞りなかった。これまでの国境越えで、一番スムーズだったかもしれない。なんのストレスも感じることはなかった。入国カードの記入さえ問われなっかのは、エクアドルが初めてではないか。パスポートを手渡しただけで、バンッと大きな音を立て、査証のページに入国のスタンプを押されてしまった。その小気味良い響きに、体の力が抜けていくほどだった。<br />
<br />
エクアドル。<br />
南米第二の国である。その名の通り、この国には赤道が走っている。南米ではエクアドルのほか、コロンビア、ブラジルにもそれが通っている。<br />
カナダから始まった旅だ。南下するにあたり、赤道を、南米の、どこかで。<br />
頭の片隅で考えていた思いは、実はもう目の前で、それがエクアドルということはほぼ疑う余地はなかった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh1GvYTY5KvO0pwKX_V5426xOu-y9HdnSivqjW3UQ1n09h27W3vQz9NpMciMw7OP_SHSZuA2HU1B-c0EWQu3c7kkNvBc1hD-K6-DDav9KiRpDRoeWlAgdNdmCbMLBmd0BBmmhuWU3iFng-w/s1600/s-DSCN2268.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh1GvYTY5KvO0pwKX_V5426xOu-y9HdnSivqjW3UQ1n09h27W3vQz9NpMciMw7OP_SHSZuA2HU1B-c0EWQu3c7kkNvBc1hD-K6-DDav9KiRpDRoeWlAgdNdmCbMLBmd0BBmmhuWU3iFng-w/s320/s-DSCN2268.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
エクアドルの子気味良いイミグレーション。</div>
<div style="text-align: center;">
ちょっとかわいい。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiUdLetcSwNp5GO-VYd_zlkeDMsD509NQG93TuQ9NytDBxcqSH35m15hd13pbHeYqtdYF7q-f9GWaDrPguxkrPnlzMFigkBiBCWtCiG_cVn1QOhFBEULbOZ_bP02EmZZaZPme33U6M2VTzf/s1600/s-DSCN2270.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiUdLetcSwNp5GO-VYd_zlkeDMsD509NQG93TuQ9NytDBxcqSH35m15hd13pbHeYqtdYF7q-f9GWaDrPguxkrPnlzMFigkBiBCWtCiG_cVn1QOhFBEULbOZ_bP02EmZZaZPme33U6M2VTzf/s320/s-DSCN2270.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
簡素な標識。僕は、左へ。</div>
<div style="text-align: center;">
Quito(キト)はエクアドルの首都だ。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh0kswqwe8C5svCBNnRB_hyphenhyphenQGBj5gTXAuEBS9PIlLhMveCiiM9aE5fYPRCRSGUT8xnSp9BDqBofG0gytAd-vaKOSwyjqv3gwxhHlWE_1FiOvERR88BXmJMR2cU79cusgYtSpaUsxaQTTxIu/s1600/s-DSCN2273.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh0kswqwe8C5svCBNnRB_hyphenhyphenQGBj5gTXAuEBS9PIlLhMveCiiM9aE5fYPRCRSGUT8xnSp9BDqBofG0gytAd-vaKOSwyjqv3gwxhHlWE_1FiOvERR88BXmJMR2cU79cusgYtSpaUsxaQTTxIu/s320/s-DSCN2273.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
発給油 de エクアドル。</div>
<div style="text-align: center;">
産油国だけあって、ガソリンはとても安い。</div>
<br />
入国初日、オタバロという村に宿を取った。国境から150㎞ある。入国で時間がかかれば、もしかしたらたどり着けないだろう。そんな杞憂もあった。しかし、実に物わかりのある入国審査官のおかげで、たっぷりと余裕をもって到着することができた。ありがたいことだ。<br />
<br />
もっとも、余裕というのは時間的にであって、道のりとしては、やはりというか、それは大変なものだった。コロンビアからエクアドル。国を変えても、無辺と思えるアンデスの山々にとってはその関係など微塵もなく、人為的に引かれたラインほど無意に感じるものはない。今日も今日とて登りと下り。延々とそれ繰り返す道が続いていた。<br />
<br />
<br />
かの有名なロッキー山脈。それを初めて目の当たりにしたのは、カナダであった。素晴らしかった。大陸の迫力に圧倒された。しかし、ここ南米アンデスも等しく素晴らしい。世界は広い。<br />
<br />
<br />
そんな山道を、重い足取りで、必死にペダルを漕ぐ自転車乗りを見た。延々続くかのように思われる山道を、うつむきながらも、前へ、前へとペダルを回している。ひとつひとつ丁寧に、自らに課せられた仕事を全うするかのように。<br />
広大なアンデスをゆっくりと進むちっぽけな自転車は、現実性というものを伴っていなかった。その光景が、あふれるでかさと不釣り合いで、あまりにも非現実的だったのだ。<br />
<br />
だが。<br />
<br />
その自転車乗りにとってこれはまぎれもない現実で、戻ることなど許されず、だけどそれを成し遂げることによって得られるものは、この瞳に映るアンデスの山々の様に、計り知れない。<br />
<br />
大変そうだ。もちろん大変だろう。荷物は満載。エンジンもない。あるのは自らの動力のみ。ガソリンの代わりに、己の身体を燃やす。<br />
なぜそこまで?<br />
身を削ってまでも旅をすることは、生きることそのものの様にも感じられる。圧倒的な自然を目の前にして、日常では感じることのできない感覚に陥る。その領域に、彼はある。<br />
<br />
彼も、きっとエクアドルで赤道を越えるだろう。それは、陸続きで旅をする者にとって、ひととき心躍る出来事なはずである。<br />
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-78976108578458867092016-09-21T20:09:00.000+09:002016-09-21T20:09:42.741+09:00国境の町、深い谷、麗しき協会 vol.4今日はコロンビアで過ごす最後の夜。明日には長かったコロンビアにも終わりを告げ、エクアドルへの扉を開いているはずだ。そう思うと自然と朝も早い。しかしながら、寝ぼけまなこでバイクを取りに行くために、ホテルから駐車場まで歩かなければならないというのは、やはり面倒なことではある。<br /><br />工程をいちにち多く刻んだ(というか、アンデスの山が手強すぎて刻まざるを得なかった)おかげで、今日の走行距離は100kmもない。いつもの半分以下。走行中、休憩をたっぷり取ったにもかかわらず、13時過ぎに国境の町イピアレスに到着することができた。<br /><br />早い時間に到着したのには、ひとつ理由があった。この町の近くに、世界一美しいと言われる教会があるという。果たして世界一かどうかは定かではないが、それはぜひ見てみたいと思った。コロンビアの南端、小さな山中の町に立ち寄る理由として、これ以上が必要であろうか。<br /><br />「サントゥアリオ・デ・ラス・ラハス」<br /><br />それがその教会に与えられた正式な名前だった。しかし、旅人からは単に「ラス・ラハス」と呼ばれていた。僕は(もちろん)コロンビアに入ってからその存在を知ったのだけれど、北部から南部へ歩むにつれ、その噂話を聞く機会は明らかに増えていった。そして誰もが押し並べて良かったと口にした。そんな教会を素通りするなんて忍びない。<br /><br />いざ。町から8㎞ほど走ると、眼下に突然それが現れた。道端の展望台からは、小さく見下ろすかたちで眺められる。<br /><br />(おぉ。これは意外にいいじゃない)<br /><br />正直さほど期待していなかった。期待していなかっただけに、これは素直うれしい。坂道を駆け下る。近づくにつれ、徐々に迫力を増していく。深い谷に佇む、麗しき教会。これまで多くの教会を見てきたが、造形美、ロケーション、それにまつわるストーリーを含め、かなり良かった。眺めていると、時がたつのも忘れてしまいそうだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGK8um80zNvi5e4TenAdOUpHNfwDpfGC1fHmnNa_IAxVvFWAR5IhyN8BAT1RqPGaosVfc3HIlBp9LqhsHBv5IJA-1K0k9PVP-Ignp4uHyxJzv3t25KBhAb9JTd8CRHHQcoVYsR6PWpMnFe/s1600/s-DSCN2240.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGK8um80zNvi5e4TenAdOUpHNfwDpfGC1fHmnNa_IAxVvFWAR5IhyN8BAT1RqPGaosVfc3HIlBp9LqhsHBv5IJA-1K0k9PVP-Ignp4uHyxJzv3t25KBhAb9JTd8CRHHQcoVYsR6PWpMnFe/s320/s-DSCN2240.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
緑の谷の教会。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgbfFxnSssuqcGVcQn6MeEkSFrfxIDz3ON8oxtErKh6jRlO7aLeDGuxkHn-N3wQtH2zHgArBJvNS7FCkDtHbReWo8rh17yE3BL97ZUTHT_Ga0HfgtnzFQU1nvE9wRPuX0om5LhXje0tiYf0/s1600/s-DSCN2245.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgbfFxnSssuqcGVcQn6MeEkSFrfxIDz3ON8oxtErKh6jRlO7aLeDGuxkHn-N3wQtH2zHgArBJvNS7FCkDtHbReWo8rh17yE3BL97ZUTHT_Ga0HfgtnzFQU1nvE9wRPuX0om5LhXje0tiYf0/s320/s-DSCN2245.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
教会内部も良かった。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiv9ufc5mWXs4NWcgap6g5Nm3VYBh9RcwTJ-Ot3IF6rpK7GFW3lylN_nsb4x0fwMp-NuD4kCghrnhhFwd0hSNCT_HTBqZZ3Bv72ckVXXY6qSJ45PQlr7FzlylRfcYOfJ77A_09lUlSyZDLL/s1600/s-DSCN2254.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiv9ufc5mWXs4NWcgap6g5Nm3VYBh9RcwTJ-Ot3IF6rpK7GFW3lylN_nsb4x0fwMp-NuD4kCghrnhhFwd0hSNCT_HTBqZZ3Bv72ckVXXY6qSJ45PQlr7FzlylRfcYOfJ77A_09lUlSyZDLL/s320/s-DSCN2254.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
サントゥアリオ・デ・ラス・ラハス。</div>
<br />
だけれども、僕にはメキシコのグアダラハラの教会を抜くほどではない、というのが正直な感想だ。グアダラハラで、生まれて初めて目の当たりにしたカテドラル。夕照の中、美しくもはかなく佇んでいて、旅の序盤、ラテンの世界にまだなじんでいなかった僕に、否応なく強烈な印象を残した。今でもその姿をまぶたの裏に思い出すことができる。<br /><br />「旅をしていて、どこが一番良かったですか?」<br /><br />1度や2度ならず、旅人ならきっとうんざりするほど答えてきた質問だと思う。同じような旅をして、同じ場所、同じ物を見てきたにもかかわらず、答えは千差万別だ。それが、旅をする理由であり、面白さなのかもしれない。<br />教会を後にし、来た坂道を駆け上がりながら、ふとそんなことを考えた。<br /><br /><br />おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-33487163090574592212016-09-12T18:30:00.004+09:002016-09-12T18:32:47.976+09:00国境の町、深い谷、麗しき協会 vol.3朝、ベッドから抜け出したら、バイクを取りに駐車場に向かった。外に出ると、とても良い天気だった。雨の心配はない。これなら国境の町まで、問題なく走れそうだ。<br />
荷物をまとめ、チェックアウトをする。いざ宿代を払おうとしたら、なんと代金はUSドルでもいいよ、と言ってくれた。<br />
<br />
(あれ?昨日聞いた時、ドルはだめで、コロンビア・ペソだけと言われたのだけど)<br />
<br />
なにはともあれラッキーなことだ。レートは1USドルが1700コロンビア・ペソ。悪くない。20ドル紙幣を払うと、宿代を差し引いて22000ペソがおつりとなった。これで少し懐が潤った。<br />
<br />
ポパヤンからは、コロンビア初のパン・アメリカン・ハイウェイ(パンナム)に乗った。広大な南北アメリカ大陸を、国境を越えて縦に貫くそれなら、さすがに昨日のようなダートはないだろう。<br />
よし、国境まで一気に走るぞ!と意気込んでみたものの、それが折れるまで、さほど時間を必要とはしなかった。道路標識にはパストまで250km、さらに国境のイピアレスまで90kmとあり、出鼻をくじかれた。さらに、道はいよいよアンデス山脈の懐に飛び込んでいく。景色は一変した。<br />
<br />
(よくぞまぁこんなところに道を通したものだ)<br />
<br />
感心してしまうほど大変な峠道である。登っては下り、また登っては、また下る。川や大きな沢がある度に、その下部までひたすら山肌を降りていき、そしてそれをまたぐと、今度は目の前に立ちはだかる尾根を越えるため、ただひたすら登る、それの繰り返し。日本ならそこに大掛かりな橋をかけそうなものだが、ここでは自然の地形そのままに道を通しているので、九十九折りの道がどこまでも続いた。こんなんじゃとてもスピードが出せない。非力な僕のバイクでは、登りとなれば時速30㎞が関の山。<br />
<br />
(こりゃ今日中にイピアレスなんて、とても無理。ごめんなさい。アンデス。甘く見てました)<br />
<br />
堂々たる山並みに、自身のちっぽけさを感じた僕は、素直に現実を受け入れることにした。それどころか、どこまでも連なる山々の壮大な景色に、朝の予定などどこかへ吹き飛んでしまって、清々しささえ覚えた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEikMUe1IH4ZBt1lsXWJQOOUPEK0VoklBXhSyiTRtd9yEJOZZ8Dp0qAMI7Xu82K8VoN_fG7ZR8x0N0dI9OfD6pvI4KSJjfu2Zxyvmaon2TprAmoYQLAQqLF63BJFAIXyIVfsTX3IGHW30vHP/s1600/s-DSCN2208.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEikMUe1IH4ZBt1lsXWJQOOUPEK0VoklBXhSyiTRtd9yEJOZZ8Dp0qAMI7Xu82K8VoN_fG7ZR8x0N0dI9OfD6pvI4KSJjfu2Zxyvmaon2TprAmoYQLAQqLF63BJFAIXyIVfsTX3IGHW30vHP/s320/s-DSCN2208.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
すごい。言葉が出ない。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj8xZLIBiHrbkfyTAYTppE9Ya28orGkLMcbVm_Bcm-bLHWJHgZfgELZZSh1tHoLhbFz2uAG0A8t1b_b5KqB0Qsta-pNTrP1Lz0zQDOdaAzBQPQ458OIg60ElcWr7qgj0yODaeFxIqfDVJa_/s1600/s-DSCN2213.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj8xZLIBiHrbkfyTAYTppE9Ya28orGkLMcbVm_Bcm-bLHWJHgZfgELZZSh1tHoLhbFz2uAG0A8t1b_b5KqB0Qsta-pNTrP1Lz0zQDOdaAzBQPQ458OIg60ElcWr7qgj0yODaeFxIqfDVJa_/s320/s-DSCN2213.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
沢があるたび、下っては登る。</div>
<br />
そんな峠道が、気が付いたら終わっていた。<br />
<br />
(おかしいな。まだひとつも山を下りていないのに?)<br />
<br />
山の上の台地に出たのだった。標高は、そうとう高いはずだ。こんな広大な台地が山の上にあるとは。ところどころ町まで散見された。一旦道が下り始めると、ひらけた視界の先に、大きな町が見えた。パストだった。<br />
<br />
町はとんでもないお祭り騒ぎで、僕を迎えてくれた。<br />
至るところに赤いTシャツを着た人がいて(というか車道にまで溢れていて)、赤い旗を持ち、赤いラッパを狂ったように吹き鳴らしていた。往来の車もをそれに応えるかの如く、クラクションを鳴らしまくる。うるさいったらありゃしない。いったい何なんだ?<br />
<br />
あまりに異常な光景だったので、僕は道すがらのおやじに尋ねてみた。この騒ぎはいったい何なの?すると、今日、まさにこれからコロンビア・プロサッカーリーグの決勝が行われ、この町のチームであるデポルティーボ・パストが優勝を賭けて戦うのだ、というようなことを鼻息荒く説明してくれた。なるほどそうか。<br />
<br />
しかしさすがはラテンの人々である。もう町全体がお祭り騒ぎ。セントロ(町の中心地)に出向くと、町中の人が集まったんじゃないかと思えるほど混雑している。若者たちは意味もなく走り回り、道はまったくの渋滞。おかげで、お目当てのホテルにたどり着くのに大変難儀した。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjZ0oDtG1RRBBblCleP300tQRl2l2U6uuFV27arFn8xkEQnMdp2aFWke_XPgANtryP1nbgslwIAXwNl3otjWmrZQcvnT-r1bWzzqSxQCIBCsBR0lv9Ou50dwz2FsLtHNtgEyjj6rnv-nrZ1/s1600/s-DSCN2232.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjZ0oDtG1RRBBblCleP300tQRl2l2U6uuFV27arFn8xkEQnMdp2aFWke_XPgANtryP1nbgslwIAXwNl3otjWmrZQcvnT-r1bWzzqSxQCIBCsBR0lv9Ou50dwz2FsLtHNtgEyjj6rnv-nrZ1/s320/s-DSCN2232.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
パストの町。ここが山の上とは思えない。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiOrmyj1AqMDHFJz4QLCVLmhE-MeBfA0zYuifz972M5b9hTlX-ApqLoAxzB-kB3SuWuh2EtVHuGEYkaCrC086PMhSDX8ldpPDANJ7nBjPLwcEn_helTtVBMjxE3bKTwI2UmAOpDabikVWBL/s1600/s-DSCN2219.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiOrmyj1AqMDHFJz4QLCVLmhE-MeBfA0zYuifz972M5b9hTlX-ApqLoAxzB-kB3SuWuh2EtVHuGEYkaCrC086PMhSDX8ldpPDANJ7nBjPLwcEn_helTtVBMjxE3bKTwI2UmAOpDabikVWBL/s320/s-DSCN2219.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
道すがらグッズを売る人がたくさん。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguvCw9SU6ZJL4MEox5hTaxwoLYmfI7RXw0qFWhyr46Jm_S_CIt60Ajx5fYfqbe64dcZBlBkbLNqINEZombunJ2eMUiRYGb00pwaJNScEMW0J7x_75FdQcGaqRxhVuJ8m2Tj2JrdF2dqyVe/s1600/s-DSCN2224.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguvCw9SU6ZJL4MEox5hTaxwoLYmfI7RXw0qFWhyr46Jm_S_CIt60Ajx5fYfqbe64dcZBlBkbLNqINEZombunJ2eMUiRYGb00pwaJNScEMW0J7x_75FdQcGaqRxhVuJ8m2Tj2JrdF2dqyVe/s320/s-DSCN2224.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
町の中心は大変なことに。</div>
<br />
その日取ったホテルはとてもレトロな作りで、名前もマンハッタンといかしていた。建物は古く、駐車場がまたしてもなかったが、シングルで12000コロンビア・ペソはありがたい。20畳ほどの部屋にベッドがみっつもあり、テレビまであった。表通りに面した大きな窓を開け放つと、町を行く(お祭り騒ぎの)人々を眺められたし、床がなんと板張りだった。大抵のホテルはコンクリートで固められた箱のような造りの部屋なので、床が板張りというのはめずらしい。宿の中央はロビーになっていて、レストランがあり、おおきく抜かれた天井からは太陽のあかりが柔らかかった。<br />
<br />
レストランが併設されていたので、夜は久しぶりにまともな食事にありつけた。テレビではちょうどサッカーの試合が放映されていて、ビールを片手に、他の宿泊者のコロンビア人たちと一緒に盛り上がった。残念ながらパストは惜敗に終わってしまったけれど(もし優勝しようものなら、その夜はとんでもない騒ぎになっていたかもしれない)、たまたま通りかかったアンデス山中の町での一晩としては、大変印象に残る出来事だった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguN1kup8OUO6ptQBoS9r5g_EF5Zpxv-k3BCnubd5Yt75TiN2X_4jN1oYjQl4ix3oQp6XbCSDGoXOUDw_X78Jnz9LGd2Vvo48ACCx8wV7xV2tT6LSGYUvz7C1NLsoBuGbT_Cve7bu4PcOaz/s1600/s-DSCN2226.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguN1kup8OUO6ptQBoS9r5g_EF5Zpxv-k3BCnubd5Yt75TiN2X_4jN1oYjQl4ix3oQp6XbCSDGoXOUDw_X78Jnz9LGd2Vvo48ACCx8wV7xV2tT6LSGYUvz7C1NLsoBuGbT_Cve7bu4PcOaz/s320/s-DSCN2226.jpg" width="320" /></a></div>
<span id="goog_1166378147"></span><span id="goog_1166378148"></span>
<div style="text-align: center;">
落ち着いた部屋だったマンハッタン。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhp0otNdMel-WyGk_wwRL_PmCWWqAVh2sy1NFwAODRDDJPwo8zTq4zjLZ36xrRwB71AmIBH6l-GMUNuvk3hjrMiYWSEmrWfmsaxoWrqQBhndSinITvUvxo1rGzvftCkm7Ds3guRQ53_d5zl/s1600/s-DSCN2227.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhp0otNdMel-WyGk_wwRL_PmCWWqAVh2sy1NFwAODRDDJPwo8zTq4zjLZ36xrRwB71AmIBH6l-GMUNuvk3hjrMiYWSEmrWfmsaxoWrqQBhndSinITvUvxo1rGzvftCkm7Ds3guRQ53_d5zl/s320/s-DSCN2227.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
こんなごはん食べてます。<br />
それにしてもサッカー盛り上がったなぁ。</div>
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-51200194565281105102016-09-08T11:18:00.000+09:002016-09-08T11:18:23.353+09:00国境の町、深い谷、麗しき協会 vol.2財布のコロンビア・ペソが、もう底をつきかけていた。実は、サン・アグスティンに居る時点で、すでに赤信号は灯っていた。だけど、山奥の小さな町では両替レートがすこぶる悪く、手持ちのUSドルを両替をしようとはとても思えなかった。日増し薄くなる財布に不安は感じたが、僕は見ないふりをした。あとちょっと。国境は近い。コロンビアを抜ければ、そこはエクアドル。通貨はUSドルだ。<br /><br />風の吹くまま気の向くまま。バイクにまたがり、行きたいところに行き、居たいところに居たいだけいる。何のストレスもなく、自由な旅を続けている僕ではあるが、国と国をまたぐときには、それなりに色々なことに気を付けている。<br />国境を抜けるには、何が待ち構えているか予想もつかない。大抵はスムーズに事は運ぶのだが、とにかく時間がかかることもある。持ち物検査?システムトラブル?もしかして賄賂を請求されるかも?そうなったら持久戦。何があってもいいように、なるべく午前中には国境に付くようにしているし、評判の悪い国境は避けて通る。要らぬ難癖をつけられぬよう、身の回りを清めてから臨む。<br /><br />残りの持ち金もそのひとつ。使いきれなかった他国の紙幣など、国境を越えればただの紙切れだ。国境を越えて両替しようものなら、いいように買い叩かれて、両替屋のおやじの懐を潤すだけだ。と、いうほど深刻には考えていないものの、貧乏旅行で札束を余らせるのも忍びない。なるべくなら使い切ってからの出国が望ましい。<br />そんなわけで、財布に赤信号が点灯していることに気付きながらも、僕は国境へ向けて走り続けていた。<br /><br />国境の町は、どうにかなることが多い。それは僕が旅をして得た経験でもある。国境の町は、いろいろなことが流動的だ。後から思い起こすと不思議なんだけど、なんだかんだごまかしが効くのは確かだ。だから国境の町まで行けばなんとかなる。そんな期待を持っていた。<br /><br /><br />それにしてもポパヤンに到着した時点で、手持ちが21000ペソ(約12USドル)とういことはいかがなものか。ポパヤンは国境の町ではない。国境の町イピアレスまでは、さらに350㎞ある。どんなに安く見積もっても、ガソリン代と今日の宿代を考えたら、もう飯さえ食えない。<br /><br /><br />ポパヤンでは、ロンリー・プラネットに載っていた安宿に泊まった。ドミトリーで1泊12000ペソ。駐車場はなかったが、近くの駐車場を尋ねると、夜だけなら2000ペソでいいと言ってくれたので、そこに入れた。ということは残り7000ペソしかない計算。すべてガソリン代に充てたとしても、距離的に国境を越えられるかどうかぎりぎりのラインだ。<br /><br />そんなこんなで夕方散歩には出たものの、外食などできず、おとなしく宿に帰って手持ちのパスタを茹でた。金がないからビールも飲めない。<br /><br />(ま、なんとかなるよ。USドルのキャッシュはあるし)<br /><br />暮れ方に映えるポパヤンの素敵な町並みを思い出しながら、ひとりさみしくパスタを食べる夜だった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGu-Z3iiS5gYcfbPjSoZaXfbKRu_3sIcuF8148mLdfNatO9A70YPxLF1FWoj7mkMBrk7fJKfEF1UKN8f-UmrpBaksAFw9mYuxhQvklqLUsMVuUZ7FgKDnKde3dqd7hu7Jvk9O2YL0pO5SV/s1600/s-DSCN2189.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGu-Z3iiS5gYcfbPjSoZaXfbKRu_3sIcuF8148mLdfNatO9A70YPxLF1FWoj7mkMBrk7fJKfEF1UKN8f-UmrpBaksAFw9mYuxhQvklqLUsMVuUZ7FgKDnKde3dqd7hu7Jvk9O2YL0pO5SV/s320/s-DSCN2189.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh6C3u2sHf3HU0q0HWKRwX5Mhv08tQzld_vRANMbs0rTCwTyp53eChSqIwwTqP2TI1aKnHVKWNCaJcvnAzMzD21UU0Ay1FEz48-h0qLAbBjeEOHvg3fpN7JXA9iP_hCl3cDLFuxCZFFFdo-/s1600/s-DSCN2194.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh6C3u2sHf3HU0q0HWKRwX5Mhv08tQzld_vRANMbs0rTCwTyp53eChSqIwwTqP2TI1aKnHVKWNCaJcvnAzMzD21UU0Ay1FEz48-h0qLAbBjeEOHvg3fpN7JXA9iP_hCl3cDLFuxCZFFFdo-/s320/s-DSCN2194.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ポパヤンは白壁の町だった。</div>
<div style="text-align: center;">
セントロの建物は、銀行から食堂に至るまで。素敵。</div>
<br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-55949260361775656602016-09-01T11:14:00.000+09:002016-09-01T11:14:18.521+09:00国境の町、深い谷、麗しき協会 vol.1サン・アグスティンを出た日、僕はバイクの上で激しく後悔していた。<br /><br />(なぜだ?なぜこんな日に出発してしまったのだろう)<br /><br />やはりというべきか。降りだした雨は、僕の期待とは裏腹に次第に強さを増していった。それは山越えのダートをぬかるみへと変えただけでなく、体温まで容赦なく奪っていく。体が小刻みに震えだす。<br /><br />その日は朝から激しい雨だった。強い雨音を聞きながら、宿の温かいベッドの中で、もういちにちテレビでも見ながらグダグダするか、などと甘い誘惑にかられていたのは事実だ。今更何を言っても始まらないが、雲の切れ間から薄日を見ただけで安易に出発してしまった朝の自分を、寒さと、バイクがはね上げる泥水に耐えながら、ひたすら呪うしかなかった。<br /><br />こんな日にバイクで走るやつなんて誰もいないよ。<br />なんて思っていたら、まさか二人乗りのもう1台が後方からやって来るではないか。そして僕の少し先に停車し、こう尋ねてきた。<br /><br />「タイヤがパンクしてしまったんだ。空気入れを持っていないか?」<br /><br />泣きっ面に蜂なのは、彼らの方だった。ただでさえ雨のダートで不快なのに、そのうえパンクだなんて。雨の日のパンクなんて考えたくもない。僕は、持っていた空気入れを渡した。応急用の小さな手押しポンプでは十分に空気は入らないが、ある程度弾力を取り戻したタイヤなら、山を下るくらいはできるだろう。<br /><br />「ありがとう。助かったよ。で、いくらだ?」<br /><br />ひとりの男が尋ねてきた。<br /><br />「まさか。お金なんか要らないよ」<br /><br />今の僕にはこんなことしかできないが、困ったときはお互いさまだ。むしろ、僕の方が多くの人の親切を受けて旅を続けている。先を急ぐ彼らを見ながら、小さくても人の役に立つというのはうれしいものだな、と思えた。<br /><br />なんだか気をよくした僕は、雨の中を再び走り始めた。すると、とたんに雨脚が弱まるではないか。峠を越えたところで、雨はついにやんでしまった。どうやら山を挟んだこちら側は、まったく降っていなかったらい。山を下りるに従い、気温も上がってくる。やがてダートも終わりを告げる。泥色の山道から、黒いアスファルト。乾いた舗装路がこんなに楽だなんて!<br />さっきまでの愚痴はどこへやら。やっぱりこうでなくちゃ。現金な僕は、突然山間に現れたポパヤンの町中へとバイクを走らせた。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-35056442711330098922016-08-31T15:36:00.000+09:002016-08-31T15:36:01.689+09:00今度はいつ戻ってくるの? vol.3サン・アグスティンには4泊した。そのうち、雨の降らない日は1度もなかった。<br />
1日中降りっぱなし、ということもなかったけれど、薄日が射しこみ、ぼちぼちやんだかな?と思うと、気まぐれにまた降りだす、そんな降り方をした。<br />
<br />
雨が降るということは、必然的に宿で過ごす時間が長くなる。広い部屋。ベッドがふたつに机と椅子は、雨音を聞きながら、のんびりスペイン語の勉強をして過ごすには、すこぶる快適だった。<br />
<br />
<br />
有名な遺跡に足を向けたのは、滞在3日目だった。その日は珍しく朝から晴れていた。この機を逃してはならないと、急いで支度をする。またいつ雨が降りだすとも限らない。<br />
バイクにまたがり、9時には遺跡のある公園「パルケ・アルケオロヒコ」に到着した。緑豊かな園内をたっぷり3時間歩く。3時間も歩くのは結構な労力だったが、それだけ大きな公園ということだ。園内には古代インディヘナたちが彫った石像が、至るとことに(ちょっとやりすぎた感も否めないくらいに)あった。なかなかかわいらしい石像なので、眺めているだけで楽しい。<br />
しかし、これだけ大きな公園なのに、朝早いせいか他の観光客はほとんどおらず、作業をしている職員も、園内にひとりしか見かけなかった。ほぼ貸し切りで楽しめたのだが、どこかもの寂しさも感ずにはいられなかった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhev8KjbUXV9F60NOPShKQTqu0SzVNoPhP7CrcOyy_FFDLC9kSyFuhRl37Dfar5aGcySYKg-OMxXfRSGfhea-74Qu5U-JQFE6hUrcAsEu_Icp2pWke_n5FjZKnotEAq0AEIntp9Ixia5Uj1/s1600/s-DSCN2143.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhev8KjbUXV9F60NOPShKQTqu0SzVNoPhP7CrcOyy_FFDLC9kSyFuhRl37Dfar5aGcySYKg-OMxXfRSGfhea-74Qu5U-JQFE6hUrcAsEu_Icp2pWke_n5FjZKnotEAq0AEIntp9Ixia5Uj1/s320/s-DSCN2143.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
不思議な石造がたくさん。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjnkWBX5pJl_7lOX4M2gVpeM1jEv2WZf76qDPz52cdU0gFzFOrQKi5uCgmGnd0_QXFJXSrmZW2yj6NLDvzdWi33KHcrv_F-X7WpfLSHWiBDCHEYTwghqPMqSeBRS6SkAQ4cncgrP214gvKE/s1600/s-DSCN2124.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjnkWBX5pJl_7lOX4M2gVpeM1jEv2WZf76qDPz52cdU0gFzFOrQKi5uCgmGnd0_QXFJXSrmZW2yj6NLDvzdWi33KHcrv_F-X7WpfLSHWiBDCHEYTwghqPMqSeBRS6SkAQ4cncgrP214gvKE/s320/s-DSCN2124.jpg" width="240" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
作業していた唯一の人。</div>
<div style="text-align: center;">
いろいろ説明してくれた。 </div>
<br />
昼を少し過ぎたところで、公園を後にした。雲は多いものの、空は青い。雨はまだ先のようだ。せっかくだから町はずれの、少し山を登ったところにある滝までバイクを走らせた。<br />
時間があれば行こうかな?くらいに考えていた場所だったが、よく考えれば時間はたっぷりあるわけで。行かない、という選択肢は前向きな消去法により棄却する。まさか滝を見るのにお金を取られるとは思わなかったが(1000ペソ。約50円)、たまの晴れ間には動いている方が気持ちがいい。<br />
<br />
金を取るだけあって、一応展望用のデッキらしきが切り立った崖の上に設けられていた。が、手作りで木製のそれはあまりにも頼りなく、長いことそこから滝を見ていたいとは到底思えなかった。それよりも、滝が落ちる場所まで歩いて行けるのがよかった。勝手にそこまで行って良いのかな?という疑問もあったが、柵も何もないので誰でも好きに行けてしまう。万一足を滑らせても自己責任ということだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiFtn2_d3TkBotjO62FzL226AFHaYPW7RLDabZrKnM1QvY3L1UiY5HmIzCyMT7Ff1u6n2seybk0K8iRZ0stvo4BzEQ_RGUKchPxcCzN5qEQUL1HrOIGi4CFnnv-GH50wY-fkvK71G55Baho/s1600/s-DSCN2149.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiFtn2_d3TkBotjO62FzL226AFHaYPW7RLDabZrKnM1QvY3L1UiY5HmIzCyMT7Ff1u6n2seybk0K8iRZ0stvo4BzEQ_RGUKchPxcCzN5qEQUL1HrOIGi4CFnnv-GH50wY-fkvK71G55Baho/s320/s-DSCN2149.jpg" width="240" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
展望デッキから。結構な落差。</div>
<br />
翌日には、「ラ・チャキーラ」と呼ばれる、渓谷の玄武岩に刻まれた彫刻を見に出かけた。入口の道端にバイクを止め、ぽつりぽつりとある土産屋で通り雨をやりすごし、上品に馬を乗りこなすツアーの欧米人たちに追い越され、見晴らしの良い渓谷を歩くこと2時間。お目当てのそれは思ったほど大きくはなかったが、そこからの眺めは大変良かった。雨でぬかるんだ道にもめげず、来た甲斐があった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhQxuo9rCd503ibcsJSM-DM9JM5yTW8Xdxa-KnhVjtxBanRqNbxvOCXfj5cMJGUp3pNi9MRbiA8UIpgU85rqQVofgyLlL7bXcaMwRY4UcKReIDJILjXo5hsZI5NXlbzwA5nHSyj5a1WToqY/s1600/s-DSCN2166.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhQxuo9rCd503ibcsJSM-DM9JM5yTW8Xdxa-KnhVjtxBanRqNbxvOCXfj5cMJGUp3pNi9MRbiA8UIpgU85rqQVofgyLlL7bXcaMwRY4UcKReIDJILjXo5hsZI5NXlbzwA5nHSyj5a1WToqY/s320/s-DSCN2166.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ラ・チャキーラと。</div>
<div style="text-align: center;">
名前からして女性の神様だろうか。</div>
<br />
サン・アグスティンでの主な観光はそのみっつ。どれもそれなりに良い観光だった。<br />
だけど僕のサン・アグスティンでの思い出といえば、毎日雨の中、買いに行くようになったパン屋のおかあさんが、10個注文しているのに、二日目からさりげなく袋に11個入れてくれるようになったこと。<br />
それに5日目の朝、宿を出る際、バイクにまたがった僕のありがとうという言葉に、<br />
<br />
「今度はいつ戻ってくるの?」<br />
<br />
と女将が冗談交じりで、だけどやさしく言ってくれたことだった。<br />
<br />
おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-90674255491167044282016-08-25T09:16:00.000+09:002016-08-25T09:16:30.319+09:00今度はいつ戻ってくるの? vol.2客引きに捕まったのは、いつぶりだろうか。<br />サン・アグスティンに到着し、サレントで教えてもらったエル・マコという宿を探そうとしていた時、ふいに一人の客引きに声をかけられた。バイクにまたがった客引きだった。<br /><br />(客引き?なんか久しぶりだな)<br /><br />僕が移動中に立ち寄る田舎町で、客引きに遭遇することはあまりなかった。そもそも僕が立ち寄るような田舎町には観光客がいないので、当然それを目当てにした客引きも居ない。大きな都市に行く場合には、あらかじめ宿の情報を仕入れていくので、やはりあまり関係がない。しかも、バイクで移動している手前、バス停や空港など、彼らがいそうな場所に立ち入らない、というのも大きな理由だった。<br /><br />そのバイクの客引きは、僕が何度も「エル・マコ、探しているのはエル・マコだよ」と口にしてもどこ吹く風だった。あげく自らのバイクで先導をはじめ、町から少し離れたひとつの宿に僕を連れて行った。もちろんその前に断ることもできたのだけど、その時はそうしなかった。なんだかあまり客引き然としていなかったことと、どこか憎めない感じが、そうさせたのかもしれない。<br />
<br />
<br />到着した宿は、果たして良かった。値段は15000ペソ。すこぶる安い。通された部屋にはベッドがふたつもあり、バーニョがプリバードで(シャワーとトイレが別なのは、安宿ではめずらしい)、大きな机と椅子があり、なんとテレビまで付いていた。バイクも、屋根の下に置いて良いという。<br />何にもまして良かったのが、町外れの緑多き場所にある、ということだった。町の中心部まで距離はあったが、この豊かな静けさは、それ以上の価値があるように思えた。<br />
宿の人たちも大変感じがよく、僕は結局この宿に決めてしまった。値段と質で考えると、コロンビアのこれまで過ごした宿の中で、一番かもしれない。<br /><br />それにしても、あの客引きは不思議だった。彼は宿の女将らしきに僕を紹介すると、さっさと自分のバイクにまたり、ふいと行ってしまった。なんだったのだろう?もしかしたら、ただのお人よしなコロンビア人だったのかもしれない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGK1xjHevE1j_QoxsEcZuy5JQazFetC1EH28L2tCiYqtig0F3gR0ePL2-7qvGv3eRWqie907DJRr01oHwH2n10xEwqc-7ph6fkijwiJv29_1iCe5rMu3zOsMIKHtUHg5bu7VDtWmnYsdC9/s1600/s-DSCN2119.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjGK1xjHevE1j_QoxsEcZuy5JQazFetC1EH28L2tCiYqtig0F3gR0ePL2-7qvGv3eRWqie907DJRr01oHwH2n10xEwqc-7ph6fkijwiJv29_1iCe5rMu3zOsMIKHtUHg5bu7VDtWmnYsdC9/s320/s-DSCN2119.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
緑の中の静かな宿だった。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiVTPA6TjzWu3F-y0TGynthY2Vo8aImZgFesAbD8nv-CufS26tc2rgfAV1mDbWr9jgSDrG2qQAyN9ylFGGf_nk2x96JVE0CsEqdyXUmfW4ORiwWVaWR5vXcduaQbzTHQEkIEW8vi_FAKfXJ/s1600/s-DSCN2113.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiVTPA6TjzWu3F-y0TGynthY2Vo8aImZgFesAbD8nv-CufS26tc2rgfAV1mDbWr9jgSDrG2qQAyN9ylFGGf_nk2x96JVE0CsEqdyXUmfW4ORiwWVaWR5vXcduaQbzTHQEkIEW8vi_FAKfXJ/s320/s-DSCN2113.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
サン・アグスティンのパルケ(中央広場)。</div>
<br />
そんな彼のおかげもあり、素敵な部屋に荷物を運び入れる。すべて終えると、時計の針は16時をまわっていた。サン・アグスティンはその遺跡が有名だが、今日はもう疲れてしまった。観光はしないことにして、町に散歩がてら買い出しに出た。<br />初めての町なので土地勘はない。といっても小さな町だから、帰りの方角だけ気を付けていれば、迷うこともない。気の向くままふらふら歩く。と、ボゴタのファティマという宿で知り合ったコロンビア人に、ばったりと出くわした。こんなところで再会とは珍しい。そう思ったが、さらに驚いたことに、彼はこの町に住んでいるようだった。<br /><br />(へぇ。そんなこともあるんだな)<br /><br />などと感心していると、彼の友達(といってもやはり旅のどこかで知り合ったらしい)アメリカ人と、一緒にパブに飲みに行く流れになってしまった。こんなところでアメリカ人とは珍しいと思ったが、さらに驚いたことに、彼はスペイン語を流暢に操るようだった。<br />
まことに偏見なのだけど、アメリカ人が英語以外を好んで話すとは思っていなかったので、僕よりも上手なスペイン語を話すアメリカ人を目の前に、その考えを改めさせられることとなった。<br />
ともあれ、薄暗いパブの丸テーブルに3人落ち着いて、コロンビアのビールで「サルー」と乾杯すれば、ちいさな旅のいちにちが楽しく過ぎていくのは間違いがなかった。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-1295305792970879302016-08-21T21:47:00.002+09:002016-08-21T21:47:55.732+09:00今度はいつ戻ってくるの? vol.1宿近くの小路を右に折れると、それはすでにダートだった。路端の小さな看板に、イバゲ106㎞とあった。<br /><br />サレントを出た日、僕はアンデスの奥深くを走っていた。それは、地図にさえ載っていない道だった。通る車は、見当たらない。道の状態も、良くない。スピードがまったく出せなかったが、おかげでアンデスのダイナミックな景観をゆっくり楽しむことができた。<br />ときおり人家が散見されたが、これといった集落もない。すなわち食堂はおろか、売店さえ見当たらないというわけで、なんの準備もしていなかった僕は、手持ちのクラッカーと水のみ、というさみしい昼食を余儀なくされてしまった。<br /><br /><br />
行きと違うルートを選んだのには訳があった。といってもたいした理由でもなく、ジュンペイさんにおすすめのルートを教えてもらった、というだけの話である。サレントは、主要な国道からわき道に入ったどん詰まりにある小さな町だから、そこから出るには当然来た道を戻るしかないと思っていた。事実、僕が持っている地図では、それ以外のルートは見つけられなかった。だけど、その土地に住む人たちは、地図に載っていないことを知っている。<br /><br />「山の中を行く道だけど、景色はすごくいいし、なによりたくさんのココラが見られますよ」<br /><br />そんな言葉で勧められたら、行かないわけにはいかない。地図にも載っていない道を走れるのだから、これぞバイク旅冥利に尽きる。という訳で、僕は目の前いっぱいに広がる山々を眺めながら、何の味もしないクラッカーを水で流し込んでいる、という訳だ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjN_I34fkAhDi6HfHtguaWcluoWnElFGAajlBSsrcUIdzSzaCHXmKH9G_DCZeL0QljT4zHhxUgfDGvfEu_cmA-ALOEgdtqZpriHd2M9nUGW1Ioufmagou4PuksgikB0QVOwBNipsFTreydO/s1600/DSCN2071.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjN_I34fkAhDi6HfHtguaWcluoWnElFGAajlBSsrcUIdzSzaCHXmKH9G_DCZeL0QljT4zHhxUgfDGvfEu_cmA-ALOEgdtqZpriHd2M9nUGW1Ioufmagou4PuksgikB0QVOwBNipsFTreydO/s320/DSCN2071.JPG" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
群生するココラ。自然の力強さを感じる。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjotOfQuMg9XM-T6FJjl6-3j9hmScoarQzdC-nnElI8Rk4XhyQPeVSBiFutJEZNioJOGAJVFpghMhjBB0xXb7p3h7_b5jx60L32MJ15GgY9pJTbo7lso_RBAF3JZwS64XuL8F5JVJa-qD-H/s1600/DSCN2073.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjotOfQuMg9XM-T6FJjl6-3j9hmScoarQzdC-nnElI8Rk4XhyQPeVSBiFutJEZNioJOGAJVFpghMhjBB0xXb7p3h7_b5jx60L32MJ15GgY9pJTbo7lso_RBAF3JZwS64XuL8F5JVJa-qD-H/s320/DSCN2073.JPG" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
アンデスの山道。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh1kLmaFngyoasryGYDFVH5Y4dWVZG7sQ81ZrAtyxucF2-h35Vwc_h3cvShbV4Rd6Un3zRnHTvUNHzbHOFUsjlZsV5-4CphFzOaPUsOwWPHeaR0IfuhqgW-TN_mt-afEKiKFSMr88bwfrYz/s1600/DSCN2079.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh1kLmaFngyoasryGYDFVH5Y4dWVZG7sQ81ZrAtyxucF2-h35Vwc_h3cvShbV4Rd6Un3zRnHTvUNHzbHOFUsjlZsV5-4CphFzOaPUsOwWPHeaR0IfuhqgW-TN_mt-afEKiKFSMr88bwfrYz/s320/DSCN2079.JPG" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
こんな山奥にも人々の営みがある。</div>
<br />次の目的地は、サン・アグスティンだった。これまたサレントに負けず劣らず小さな町。小さな町ではあるが、遺跡群が有名で、ツーリストの多くが、そこを訪れているようだった。まさかその遺跡群が世界遺産だったとは、クラッカーをのどに詰まらせている時点では、まったく知る由もなかったのだけど。<br /><br /><br />イバゲ。カンポアレグレ。それぞれの町で、それぞれ一晩を過ごした。イバゲでは以前立ち寄った宿に入ったのだが、宿の親父は僕のことを思えていてくれて、なんだかうれしかった。しかも前回と同じ2階の角部屋の鍵を渡してくれた。<br />
<br />コロンビアも、だいぶ南部まで進んできたせいか、ごちゃりとした雰囲気が町に戻ってきたように思う。北部では大きな都市ばかり見てきたからかもしれないが、すでに大型スーパーに取って代わられていたメルカド(市場)も、南部の町にはきちんとあった。どこも同じ匂いで、このすえたような何とも言えない匂いが、なんだかちょっとうれしく思う。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjr91AwTeRJJqGtooX4-RIZ4yZ93gNYwL4sE4pqQGBmPMbDgyUvdPDd7dx3MmwpJJdPGAyTSX8_X93iDaR_4H22qcUxNbM20zPNQUwsLJk1GGeKyiCckvyHnIgwWR3-H9Vg7H-7ghTMqdwS/s1600/DSCN2096.JPG" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjr91AwTeRJJqGtooX4-RIZ4yZ93gNYwL4sE4pqQGBmPMbDgyUvdPDd7dx3MmwpJJdPGAyTSX8_X93iDaR_4H22qcUxNbM20zPNQUwsLJk1GGeKyiCckvyHnIgwWR3-H9Vg7H-7ghTMqdwS/s320/DSCN2096.JPG" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
カンポアレグレの安宿。</div>
<div style="text-align: center;">
ベッドひとつだけの簡素な部屋だ。</div>
<br />
涼しい山岳地帯から抜け出し、赤茶の水をたたえた川に沿って南に走る。サンアグスティンに到着したのは、サレントを出て3日後の夕方だった。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-86753644867845028832015-11-17T14:27:00.000+09:002015-11-17T14:27:32.762+09:00サウンド オブ サレント vol.4サレントで、ひとりの日本人と出会った。サレントに到着して2日目のことだった。<br />
その日は朝から小雨がぱらつくあいにくの空模様で、サレントでメインの観光としていたココラ渓谷へはまた改めてかな?なんて、宿で暇を持て余していた。オーナーのフェルナンドに声をかけられたのは、そんなときだった。<br />
<br />
「すぐ近くに日本人がいるんだ。ちょっと一緒に行こう」<br />
<br />
なぜ僕をその日本人に会わせようと思ったのかは分からなかったけど、客は僕のほかに誰か居るのだろうか?そんなことを考えてしまうほど静かな午前中だったから、宿のオーナーといえど(僕と同じく)退屈していたのかもしれない。<br />
<br />
連れていかれたのは、宿からほど近い土産物屋だった。店内はエスニックな雑貨が整然と陳列されていて、鮮明な色彩をふんだんに使っていながらも、どこか落ち着いた雰囲気が感じられた。ラテンの感覚とは明らか一線を画している。ジュンペイさんは、そんな店のオーナーだった。<br />
<br />
<br />
それからというもの、サレントを出る日まで、僕はすっかりジュンペイさんのお世話になってしまった。町の中をいろいろ案内され、町の外れにある見晴らしのいい場所に連れていってもらい、ジュンペイさんの自宅にまで招かれた。そこでふるまわれた手料理は驚きの日本食で、その時に飲んだ手作り豆腐の味噌汁は忘れられない。<br />
サレントに住んでもう8年になるというジュンペイさんは、なかなかの人気者だった。町を歩けばたくさんの人に声をかけられる。顔が広い。おかげで僕までサレントに住む様々な人と交流することができた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEif2_xRRYUnmeEgrm4c_PBTCM_NbaHF9wH-4m7NtXrUSa9EKZVC9kmCe7X9Cqe5RGH_ov4eQ1UaVorOLifl788UEA8ygTWFZ4nTCiyIb3gtxfCyUWDThXGz5s7tCzh_KGxv_Lnk0HRZE0rU/s1600/s-DSCN2044.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEif2_xRRYUnmeEgrm4c_PBTCM_NbaHF9wH-4m7NtXrUSa9EKZVC9kmCe7X9Cqe5RGH_ov4eQ1UaVorOLifl788UEA8ygTWFZ4nTCiyIb3gtxfCyUWDThXGz5s7tCzh_KGxv_Lnk0HRZE0rU/s320/s-DSCN2044.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
町は山に囲まれている。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhXfYGK5AqbTkmb9f_CFydhzCcmy3KSPbrlUfqYe6d9seLUvJk5n8z6olmdKZt-qT5g0GniviP7OtJI4yFTNWSjxfZ7086mjC5OzcynLiuKscw65jNX8KPJdO-q-foCaO-DxuvQn0t4qiFT/s1600/s-DSCN2054.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhXfYGK5AqbTkmb9f_CFydhzCcmy3KSPbrlUfqYe6d9seLUvJk5n8z6olmdKZt-qT5g0GniviP7OtJI4yFTNWSjxfZ7086mjC5OzcynLiuKscw65jNX8KPJdO-q-foCaO-DxuvQn0t4qiFT/s320/s-DSCN2054.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
トゥロンボで遊ぶ子ども。日本のコマとほぼ同じ。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiCpWh6STyCtx7qCwiI9itWoxYG5EON55FlvyE5bc5-V4XqI7SRNLlznPZcZccaG7UWjVTZ5l1bLf1VWPzHq2F71F-dqE4qrTfuTdyeYUeN3jdXrREE7yyf01KczaH_S3VjGsCh_DzRc0j2/s1600/s-DSCN2047.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiCpWh6STyCtx7qCwiI9itWoxYG5EON55FlvyE5bc5-V4XqI7SRNLlznPZcZccaG7UWjVTZ5l1bLf1VWPzHq2F71F-dqE4qrTfuTdyeYUeN3jdXrREE7yyf01KczaH_S3VjGsCh_DzRc0j2/s320/s-DSCN2047.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
やらせてもらったけど、僕はうまく回せなかった。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjoeAQ63hGv-UJv9rXpy2ORM73DOdzzzF3Pn2lWO05dOekfiycLcQRiSgvADURX7-P0YaXE8u2Wid4A4duax12shfLcaGM2E4WUpgg3ahkwDSmezDAJiAU5nwce6gGT7-t-O4VyrD2lIk06/s1600/s-DSCN2034.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjoeAQ63hGv-UJv9rXpy2ORM73DOdzzzF3Pn2lWO05dOekfiycLcQRiSgvADURX7-P0YaXE8u2Wid4A4duax12shfLcaGM2E4WUpgg3ahkwDSmezDAJiAU5nwce6gGT7-t-O4VyrD2lIk06/s320/s-DSCN2034.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
サレントでの2大目的の一つトルーチャ(マスの一種)。</div>
<div style="text-align: center;">
アヒージョで。とてもおいしかった。 </div>
<br />
だいたい午後になると、近場のカフェで一緒にコーヒーを飲んだ。それは毎日のことであるらしく、店に入ればいつものように、いつもの人々が集まってきた。その輪の中にはコロンビア人も居れば、他の国からサレントに移り住んだ人も居て、皆この土地でゆったりとした生活を楽しんでいるようだった。会話は早口なスペイン語なので話の半分も理解できないのだけど、僕に話しかけてくるときにはだれもが簡単な言葉を選んでくれるので、ありがたかった。<br />
<br />
毎日午後のころ合いを見て、いつものカフェまで歩き(といっても宿から30秒ほどだ)、コーヒーを飲み、とりとめのないおしゃべりを楽しむ。そんなことがたまらなく楽しかった。旅をしていればいろんな町に滞在するのだけど、町の人たちとこういった時間をすごすことは多くないように思う。<br />
数日もすると、顔見知りになった人たちと町で会えば、気軽に挨拶を交わすようになった。それは、すごく気分のいいものだった。僕は、なんだかすっかりこの町の住人になった気分だった。小さな町だけど、サレントには旅人を優しく迎えてくれるだけの包容力があった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiHXcPLPd6-AWMfczFWkdxN0gV5fLlJJ-1iOLlo9H01uu-mWcJ2e8szf1ZUAlIxmrd_nSO6i04OG5lEWCc8CVyjL3SsjSe_e_Y5kfvl3xJvwydy5J9XErkyU4aO9tGkkUZLsv3e5D3H1pWT/s1600/s-DSCN2059.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiHXcPLPd6-AWMfczFWkdxN0gV5fLlJJ-1iOLlo9H01uu-mWcJ2e8szf1ZUAlIxmrd_nSO6i04OG5lEWCc8CVyjL3SsjSe_e_Y5kfvl3xJvwydy5J9XErkyU4aO9tGkkUZLsv3e5D3H1pWT/s320/s-DSCN2059.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
夕照の中央広場。</div>
<br />
知らない場所から知らない場所へ。旅はそんなふわふわとした非日常の連続だから、とりわけなにげない日常的な行為に新しい気づきを見つけられるのかもしれない。<br />
<br />
おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-7933280384080117962015-09-16T12:35:00.001+09:002015-09-16T12:35:08.319+09:00サウンド オブ サレント vol.3ココラ渓谷は、サレントのハイライトと言える。<br />言えるのだけど、実のところボゴタで聞かされるまで、僕はまったくその存在を知らなかった。どうやら最近のツーリストの間では、その渓谷が人気らしい。それは、どちらかといえば知らない僕の方が恥ずかしい、そんな感じだった。<br /><br />「ていうか、そもそもココラって何?」<br /><br />という疑問は誰に聞くにも聞ず。いつもの様にのこのこサレントまでやって来てしまったのだけど、果たしてどうしものかと思案する必要は微塵もなかった。町には渓谷へと導く案内板が完備され、ソカロ周辺にはしかるべきツアーを行うエージェントが、やたらひしめいていたのである。どうやらココラ渓谷とは、世界一高いといわれる椰子の木が自生している渓谷のことらしい。<br /><br /><br />というわけで、サレントに来た2大目的のひとつ(もうひとつはトルーチャという魚を食べること)であるその渓谷へ足を延ばすことにした。落ち着いた雰囲気の町で日々ゆったりとしていると、何をするわけでもなく、時間が足音も立てず足早に過ぎ去っててしまう。<br /><br />町から渓谷へは結構な距離があった。歩いていける距離ではないので、大抵はソカロから出発するジープに乗るか、ツアー会社の日帰りツアーに参加するということになる。でも僕にはオートバイがある。その必要もない。<br />
宿のオーナーであるフェルナンドに尋ねると、道は一本だから問題ないという。本当かな?ラテンの人々の問題ないはえてして問題があったりするのだけど、現に小川沿いの田舎道が町から渓谷へと延びているだけで、迷いようはなかった。<br /><br />入口に到着したら適当な場所にバイクを止めて、渓谷を歩いて周った。フェルナンドが渡してくれた簡易的な地図には、渓谷をぐるりと周れるトレッキングルートが載っていて、それをなぞって歩くのが、正しいココラ渓谷の楽しみ方らしかった。<br /><br />やたら背の高い椰子の木(コロンビアの国樹らしい)が、地表からにょきにょきと生える光景は、なんとも不思議だ。アメリカのレッドウッド国立公園で見た巨木ほどの衝撃はないものの、まるで自分が絵本の世界に迷い込んだような気分にさせてくれる。なるほどこれなら観光客が増えるのもうなづける。などど勝手な解釈をしながら歩いていると、ルートはそこから山へと入っていった。<br />
<br />
まぁたいした道でもないだろうと高をくくったのだけど、実際それは結構な山道で、時折雨までぱらつくし、ガスで視界は奪われるし、さらに沢沿いの道はぬかるんで歩きにくいったらない。なんてネガティブな面もあったのだけど、のんびりたっぷり4時間。やはり自然の中を歩くのは気持ちがいい。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi9tW0Or5ElLgZjuGu8oXlUlvwSXNkRxIXRc3ZVw4zkwVnzSL9G7jfcBiDPy8hRwC_frH5jhyphenhyphenRImQTk7PWsOLZVx_GUPMCWW0XWtiDsYmk5MmZtpZoAOCQjVb08iHkCWE1vvdR3fXZ-DQDc/s1600/s-DSCN2013.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi9tW0Or5ElLgZjuGu8oXlUlvwSXNkRxIXRc3ZVw4zkwVnzSL9G7jfcBiDPy8hRwC_frH5jhyphenhyphenRImQTk7PWsOLZVx_GUPMCWW0XWtiDsYmk5MmZtpZoAOCQjVb08iHkCWE1vvdR3fXZ-DQDc/s320/s-DSCN2013.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
世界一高いといわれる椰子の木。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjsAHEph1MJQglDkoPnWAO9AnBRC6iKNS7C96LSVGnMjnM51-RrtYwY3D6V_1xhdINLHQfqPiGcnv_XXmSRDvm8BZ6moj9B2h4Ix6EYUQ8BmDUb6tdk-EdH2m5No3i9UV3j8aZWNbpjShBH/s1600/s-DSCN2014.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjsAHEph1MJQglDkoPnWAO9AnBRC6iKNS7C96LSVGnMjnM51-RrtYwY3D6V_1xhdINLHQfqPiGcnv_XXmSRDvm8BZ6moj9B2h4Ix6EYUQ8BmDUb6tdk-EdH2m5No3i9UV3j8aZWNbpjShBH/s320/s-DSCN2014.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
高いものでは50mにもなるらしい。実はつけない。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi7_qPO4V5p_h0O_1NDg2BZTQqY3gNNoP7couXi51xGGgsMhjkfvfueMVYPOfN371vmrdCdviVCVKo471GaVuSUgOXevvkb6fCd9ZX6cA0xAjIGPsT5j0HgVa-LJzmbLCrmmyC_A5DbqVwm/s1600/s-DSCN2010.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi7_qPO4V5p_h0O_1NDg2BZTQqY3gNNoP7couXi51xGGgsMhjkfvfueMVYPOfN371vmrdCdviVCVKo471GaVuSUgOXevvkb6fCd9ZX6cA0xAjIGPsT5j0HgVa-LJzmbLCrmmyC_A5DbqVwm/s320/s-DSCN2010.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
結構本格的なトレッキングルート。</div>
<br />さらに面白かったのは、ひょんなことから相棒ができてしまったことだ。あまり天気の良くない平日とあり、すれ違う人はまばらだったのだけど、なぜか道中で一匹の犬と出会ってしまった。ふと気づくと、僕の少し前を同じ方向に歩いていた。一見して野良犬ではないことはわかったのだけど、こんな山中に飼い犬がいるのも珍しい。<br /><br />犬の進むスピードは、僕よりも早かった。さっさと行ってしまうので、やがて姿が見えなくなる。だけど、驚いたことにしばらく進んだ場所に立ち止まっている。一定の距離まで近づくと、また歩き始める。まるで僕を待っているかのようだ。そんな馬鹿な。そう思ったのだけど、何度もそんなことが起きた。やがて疲れたからとひらけた場所で小休止を取ると、道の先に消えた犬はなんと引き返してきて、僕を確認できる場所に腰を落ち着けた。<br /><br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg_gKd7nnu-3K68NbPXPcle7bAiK2Q7a41auyJWJB8WfCFXEXrsmSAORZ9daalsiANC90je9AUc8hANXDOmvC-S9ywzHiDAiNs4khnujinwF0vyZI32wTIpJLW4weiw7iVejwiHUf18804e/s1600/s-DSCN2025.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg_gKd7nnu-3K68NbPXPcle7bAiK2Q7a41auyJWJB8WfCFXEXrsmSAORZ9daalsiANC90je9AUc8hANXDOmvC-S9ywzHiDAiNs4khnujinwF0vyZI32wTIpJLW4weiw7iVejwiHUf18804e/s320/s-DSCN2025.jpg" width="320" /></a></div>
<br />「そうかそうか。じゃぁ一緒に歩こうか」<br />
<br />
時間にして1時間ほどだろうか。最終的に、山の出口まで一緒に歩いた。<br />ふと、このままずっとついて来たらどうしよう。なんて勝手な心配をしてしまったのだけど、犬はどうやら僕よりも利口だったらしい。一軒の農家の前まで来るとするりと門を抜け、少し高い場所から僕を見送ってくれた。自分の役目を果たしたとばかりに少し誇らしげに見えた。僕はひとこと礼を言い、なんだか満たされた気分で町へとバイクを走らせることができた。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-44393407711301989612015-08-18T16:40:00.000+09:002015-08-18T16:40:57.900+09:00サウンド オブ サレント vol.2サレントには、わりと早い時間に到着できた。国道29号から30分ほど山道を走った先に、それはあった。落ち着いた雰囲気の小さな町で、周りには山しかない。不便な場所であるのに、コーヒーの産地として、またココラ渓谷という景勝地があるため、近年訪れる観光客は多いという。<br /><br />町に入ると、協会の塔がすぐに目に入った。小さな町には大きな建物が他になく、どこからでも見つけることができる。山からの道がそのまま塔に向かって延びていて、緩やかな坂を登りきるとソカロ(中央広場)に出た。ソカロから北東にメインストリートがあるが、それはわずか200mほどしかない。道は碁盤の目にできているのでわかりやすく、小さな町だから、バイクで走ればあっという間だ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEisakQJl9QuF0lWJteof7-epKQTU3dHvxWpMLuvVI_AB_SxkaV8aCtuncFT044_gcoFl9_Z4BWD6_VMj6R9PBqLJO1moqd2MgvUDwaXdBVCILeVRWz0PWh6oo-JUdah2Y9TgCr7akYzMhTG/s1600/s-DSCN1992.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEisakQJl9QuF0lWJteof7-epKQTU3dHvxWpMLuvVI_AB_SxkaV8aCtuncFT044_gcoFl9_Z4BWD6_VMj6R9PBqLJO1moqd2MgvUDwaXdBVCILeVRWz0PWh6oo-JUdah2Y9TgCr7akYzMhTG/s320/s-DSCN1992.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
町のどこからでも協会が望める。</div>
<br />カラフルな建物が立ち並ぶメインストリートの途中、目にもまぶしい朱色に染められた扉を叩いた。ボゴタで教えてもらった宿だった。何度かノックをすると、頭上のバルコニーからオーナーらしき人物が顔を出した。扉にはしっかりと錠がかけられていたから、もしかしたら泊まれないかも、なんて思ったが、頭上のオーナーはふたつ返事で迎え入れてくれた。<br /><br />宿はとても清潔だった。どの部屋も掃除が行き届いていて、ベッドのシーツにはしわひとつなかった。オーナーはフェルナンドと言い、どうやら最近宿を始めたらしい。朱色の扉の奥の小さなスペースを、僕のバイク用に空けてくれた。<br />どのベッドも空いているようだったが、庭にテントを張ると1泊10,000ペソでよかった(ドミトリーは15,000ペソ)。安い。庭にテントといっても、施設内はどれも自由に使えるし、寝るときだけテントに潜り込めばいい。しわひとつないベッドも魅力的だったが、すっかり節約が身に沁みこんだ僕は、迷うことなくテントを選んだ。「節約=長く旅を続けられる」という考えは、行き過ぎると強迫観念になるらしい。<br /><br />一通りの作業を終え、シャワーを浴びたら、メインストリートのどん詰まりにある階段を登ってみた。登り切った先には展望台があり、振り返ると町が一望できた。<br />
数日前には、同じように丘の上からボゴタの町を一望していた。ビルが立ち並び、広大な盆地にどこまでも広がるそれとはまったく比較にもならないけど、ここには往来にあふれかえる車のクラクションも、雑踏もない。凪いだ海のような、寂たる町並みがあるだけだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh3qwUDmvWvBEKJji6Tp7DlULCIvdXMbmKQCIQlqEgy5WzcaUwV2QDrukGzwuRjdk6mixzjiu3Neex7QAX38XNGBAU76YYaxVkVmivHgyImauv_lvlAr5hTcHSV7c6Oipbu1FRgLW1oUr4V/s1600/s-DSCN2037.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh3qwUDmvWvBEKJji6Tp7DlULCIvdXMbmKQCIQlqEgy5WzcaUwV2QDrukGzwuRjdk6mixzjiu3Neex7QAX38XNGBAU76YYaxVkVmivHgyImauv_lvlAr5hTcHSV7c6Oipbu1FRgLW1oUr4V/s320/s-DSCN2037.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
メインストリートは鮮やか。</div>
<div style="text-align: center;">
突き当りの階段の上には展望台。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjZS_hfazQbRE44euJCdK1-HHC9Mxd5loW_EzYJ-W7ZaTvHUcdtXzA74TUMFxPVBthSMQ-EtvX2QGubS7ZhAtPf5Kv_g21DLWlbtEIcstDUZARNZefvyhtpwZ1pArjXhKSCLMze_x-AOQrn/s1600/s-DSCN2045.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjZS_hfazQbRE44euJCdK1-HHC9Mxd5loW_EzYJ-W7ZaTvHUcdtXzA74TUMFxPVBthSMQ-EtvX2QGubS7ZhAtPf5Kv_g21DLWlbtEIcstDUZARNZefvyhtpwZ1pArjXhKSCLMze_x-AOQrn/s320/s-DSCN2045.jpg" width="240" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
一望。 </div>
<br />宿に帰り、コーヒーをいれ、一休み。キッチンの前には誘うように吊り下げ式の椅子が用意されていて、その向こうには緑豊かな山並みがあった。ふわりとした心地の椅子に身を預け、熱いコーヒーをひとくち飲む。ふぅ、とため息がもれる。同時に、すでにこの町の雰囲気に溶け込んでしまった自分がいることに気付く。<br />
<br />「あ、これはやばいな」<br />
<br />グアテマラのサン・ペドロや、パナマのボケテに似ている。この雰囲気。気を抜くと、あっという間に1週間くらい過ぎてしまいそうだ。<br />
<br />「ま、それもいいか」<br />
<br />大都会の喧騒がいまだ耳に残る身としては、凪いだ海のような町で安らかに日々を過ごすことが、なにより贅沢に思えた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZE7iClIC9Xxaw9x9Fs99VqLVQfGE0Q7asToVqL8EihXIfcJk3igJkDOyD5xHCyMmTQcDFtnW7rRvlFt72F_Sq9Y10CyVhU-B8XURlJTJO24g7-JKtnpLPvMlRKR4gRQtNzQtLlaBwVAkH/s1600/s-DSCN2039.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZE7iClIC9Xxaw9x9Fs99VqLVQfGE0Q7asToVqL8EihXIfcJk3igJkDOyD5xHCyMmTQcDFtnW7rRvlFt72F_Sq9Y10CyVhU-B8XURlJTJO24g7-JKtnpLPvMlRKR4gRQtNzQtLlaBwVAkH/s320/s-DSCN2039.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ま、いっか。 </div>
<br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-87349780038083841202015-08-17T23:54:00.000+09:002015-08-17T23:54:00.517+09:00サウンド オブ サレント vol.1思いがけずボゴタで野外フェスに参加した僕。人生初の野外フェスが、まさかコロンビアとは思いもよらなかったが、それも旅の魅力のひとつということか。<br />
入場口ではアメリカの入国審査よろしく、靴の中までも調べられるという厳重なセキュリティーチェックを余儀なくされたにもかかわらず、会場内ではマリファナの匂いがプンプンするという、いかにもコロンビアを思わせる野外フェスだったが、入場が無料ということもあり、銀色に輝く満月が空に浮かぶまで、大音量のライブを楽しむことができた。<br />
<br />
<br />
翌朝、ボゴタを出た。大きな町だけに抜け出すのに骨を折るかと思ったが、アウトピスタ・スルというフリーウェイを見つけると、すんなり郊外へ向かうことができた。南へと向かう道で、セントロのビル群が、バックミラーのなかで小さくなる。並ぶ家々が、低く、粗末になっていく。<br />
「ボゴタか。いい町だったなぁ」<br />
細く座り慣れたシートの上でつぶやく。永遠の秋を感じさせてくれた町。心に残る素敵な町だった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg-4sT5bdRo-J8_dl0YVZY_r8O5VE4o-oKuqrOzrjyd13G85MPiYvvIE6UcZ9hR70dh8C-2raqM5yWtrjd684jJyMNmA3NJf7jT-c9PH3cNqLUnLKmciY5Uk56ZT6uJ89qroj3-sB1cwZRA/s1600/s-DSCN1974.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg-4sT5bdRo-J8_dl0YVZY_r8O5VE4o-oKuqrOzrjyd13G85MPiYvvIE6UcZ9hR70dh8C-2raqM5yWtrjd684jJyMNmA3NJf7jT-c9PH3cNqLUnLKmciY5Uk56ZT6uJ89qroj3-sB1cwZRA/s320/s-DSCN1974.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
出発の朝。宿ファティマの前で。</div>
<br />
その日はイバゲという町に腰を下ろした。目的地サレントとのちょうど中間にある。小さなバイクでの半日移動だったにもかかわらず、その季節はすっかり夏だった。またしてもマグダレナ川が流れる低地帯に降りてきたのだ。ボゴタでは忘れていた汗が、じっとりと肌にまとわりついてくる。こうなると、あの寒さがすでに懐かしい。<br />
<br />
頃合をみて、宿の値段を聞きながら道を進んだ。予算は15,000ペソに決める。いくつめかの、セントロ手前の宿がぴたりと15,000ペソであった。空いている部屋はいくつかあったのに、一番いい部屋をあてがってくれたらしい。2階の角部屋で窓も広く、ベッド大きい。トイレとシャワーも分かれている。部屋にはなかった机も、いやな顔ひとつせずに貸してくれた。旅先でうける小さな気遣いは、本当にうれしいものだ。<br />
<br />
シャワーの後は散歩がてらに夕食。レストランには入らず。エンパナーダの屋台をはしごした。あてもなく町を歩いていれば、至る所に屋台を見つけることができる。ふらふらとさまよいながら、見つけた屋台で小さなエンパナーダをひとつふたつと食べていく。なんだか祭りの夜店を思い出す。屋台ごとに味が違うのが楽しい。シラントロ(パクチー)たっぷりのサルサをかけると、尚おいしかった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiiJohOm_nuWvlUhhk2p46MHpaiXvdDOcko4lIZjZbyrJ-Ht1MOfZwt7U1_HfkdLGvAkm5WoOLoIMhwO180oRGcEAWjtYc7fGp4EEBqP_24JejqwBkjyvuJ-SDuZJndHiJ7e6ZGE-LEYPgy/s1600/s-DSCN1979.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiiJohOm_nuWvlUhhk2p46MHpaiXvdDOcko4lIZjZbyrJ-Ht1MOfZwt7U1_HfkdLGvAkm5WoOLoIMhwO180oRGcEAWjtYc7fGp4EEBqP_24JejqwBkjyvuJ-SDuZJndHiJ7e6ZGE-LEYPgy/s320/s-DSCN1979.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
夕暮れ散歩。</div>
<br />
翌朝は6時半に起き、7時を少し過ぎたところで朝食を食べに出た。近くのパン屋に入ってみる。コロンビアは、パン屋が多いと思う。しかも大抵テーブルが置いてあり、買ったパンをその場で食べることができた。もちろんティント(コーヒー)だって飲める。朝早くからやっているから、どの町でも朝食には困らない。<br />
<br />
ハム入りパンと、ティントのふたつで約1ドルの安さ。小さなカップながら、20円でコーヒーが飲めるのだからありがたい。朝の時間とあってコーヒーを飲みに来る人も多く、それだけコロンビアの人たちにコーヒーが愛されている証拠だろう。<br />
<br />
荷物をまとめ、8時過ぎに出発。道は東へと進む。出発してすぐに驚いたのは、次に現れたカハマルカという町だった。目の前の崖の上に、突如として町が現れたのだ。深く切り立った渓谷に橋が架かっていて、それを渡った先にその町はあった。橋の上から眺めると、町がすっぱりと切り落とされてしまったようにも見える。なぜこんなところに。そう思わずにはいられない不思議な町だ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg6EVFYN9VTH8Nayza0zQFzQEyqCP5xHCuUe4hO5VwN657Z2QiWkqnHcFRQZsnDguRfwiQNiBSZRrQAKbI6ULoW0aNDyo5vUflV5JPZ1J2s5xeWyFO0K1vGz56fCyH2eTb2n9AaB1bWSywx/s1600/s-DSCN1985.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg6EVFYN9VTH8Nayza0zQFzQEyqCP5xHCuUe4hO5VwN657Z2QiWkqnHcFRQZsnDguRfwiQNiBSZRrQAKbI6ULoW0aNDyo5vUflV5JPZ1J2s5xeWyFO0K1vGz56fCyH2eTb2n9AaB1bWSywx/s320/s-DSCN1985.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
不思議な町カハマルカ。 </div>
<br />
カハマルカを通過した道は、山へと入っていった。景色は、ダイナミックに移り変わる。しかし移り変わるのは景色だけではなく、標高を上げるにしたがい寒さも増していく。いつまで登るのだろうか。ボゴタの寒さが懐かしいなんて言ったのは誰だよ。実に自分勝手な悪態をつきながら、終わりの見えない峠道に震えを辛抱して走るが、ついに道は雲の中に突入してしまう。気温は一気にさがった。指先の感覚がなくなる。視界もきかず、もはや限界かと心が折れかけた時、やっと道は下りになってくれた。垂れる鼻水をすすり上げながら、暖かさを取り戻すべくぐんぐん下る。目指すはサレントだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgO3gsisJFCE7ACIflmSlPLhKQHsGLsDCjPbHnwuNjZjAO4iS7HgZtLc982miD7lS_c_uNyQzjqnVksWIeskxG1wiQXJEsEEFN2P0YxPvJmgT5fImnLOcBYz1tHHH8X-Lfze1CxwRaKBueQ/s1600/s-DSCN1986.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgO3gsisJFCE7ACIflmSlPLhKQHsGLsDCjPbHnwuNjZjAO4iS7HgZtLc982miD7lS_c_uNyQzjqnVksWIeskxG1wiQXJEsEEFN2P0YxPvJmgT5fImnLOcBYz1tHHH8X-Lfze1CxwRaKBueQ/s320/s-DSCN1986.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
心が折れかけた山頂はすっかり雲の中。 </div>
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-76350584590461191362015-08-05T09:13:00.000+09:002015-08-05T09:13:51.822+09:00永遠の秋 ~心に響く町~ vol.3「そろそろこの町を出るかな」<br /><br />すべての荷物をバイクに積み込んだ朝。あとはレセプションでチェックアウトをするだけだった僕は、パティオのテーブルにぼんやりと座っていた。いつもならとっくに食べられるはずの朝食が、今日に限って遅れていたのだ。他の宿泊者も同じようにテーブルにつき、とりとめのない話をしている。耳には静かなトーンの英語やスペイン語が響き、広いパティオに、ゆったりとした時間が流れていた。<br /><br />特に急いではいなかった。次の目的地はサレントという町に決めていたからだ。今いるボゴタとは比較にはならないほど小さな町。いや、むしろ村といった方がいいかもしれない。地図で距離を読む限りでは、2日に刻んで走る結論だった。ならば急いで出発する必要もなし。ゆっくり朝食を取ってからでもいいか、そう思ったのだ。<br /><br />パティオにはひとりの日本人が、同じように朝食を待っていた。少し話しをする。どうやら昨日他のホステルから移ってきたらしい。そうこうするうちにもうひとり日本人の女の子もやってきて、3人で朝食を待ちながら旅の話を楽しんだ。<br /><br /><br />女の子とは、2日前に会っていた。朝のロビーで初めて会ったのだけど、やけに浮かない顔をしていたのが印象的だった。聞くと、ついさっき荷物を盗まれたのだ、と言った。<br />早朝ボゴタのバスターミナルに到着し、そこから宿へ向かう途中のこと。詳しくは知らないが、20kgはあろうかというメインのバックパックを持っていかれたらしい。気の毒に思ったが、どうすることもできない。盗まれたのが、貴重品やパソコンが入ったサブバッグでないのが不幸中の幸いか。かなり落胆した様子だったが、その日の夕方、もう一度ロビーで会ったときには少し落ち着きを取り戻していた。警察で盗難証明をもらい、取り急ぎ必要なものは買ってきたと言う。さらに次の日には、ぴったりのジーンズを見つけてきたと、笑顔を見せた。<br />「強いなぁ」<br />率直な感想だった。海外で盗難にあい、それでもその日のうちにやるべきことをひとりでこなす。なんともタフだ。そうでなければ、女の子がひとりで海外の長旅なんか出来ないのかもしれない。さらには驚いたというか、感心させられたというか、彼女はこんなことも言った。<br />「盗まれたのは主に着替えとか、タオルとか。ジーンズなんて3本あったの。20kgもあるバックパックだったのに、本当に必要なものなんてあんまり入ってなかったみたい。盗まれたことは許せないけど、今はすごく身軽になった気がする」<br /><br /><br />もう一人の旅人は僕と同じくらいの年の男性だった。彼は、南米を旅しながらスペイン語を勉強していると言った。その言葉は、僕にとって青天の霹靂だった。なぜなら彼は旅をしながら、出会った人々との会話の中でスペイン語を学んでいたからだ。そしてかなりの語学力を身につけていた。勉強するには学校に入らなければ。そう思って疑わなかった僕は、事実グアテマラで学校に入ってスペイン語を勉強したものの、その後の語学力は大して変わり映えしなかった。<br />「なんだって気持ちひとつなんだ」<br />その気づきは、確実に僕の目を開かせてくれた。(おかげでこの出会いから、僕も旅をしながらスペイン語を(ゆっくりとだけど)勉強していくことになる)<br />
<br /><br />結局3人で朝食を取り、そのまま10時過ぎまで話をしてしまった。そして、なぜか「野外フェス」に行くことになってしまった。<br /><br />ちょうど今、ボゴタでは大規模な野外フェスが開かれていて、今日がその最終日らしかった。僕はそのことをまったく知らなかったのだけど、男性が昨日すでに行ってきたらしく、すごく良かったから一緒にどうか?ということになったのだ。しかしすでに荷物はバイクの上。逡巡する僕に、<br /><br />「荷物なんて、解いちゃえばいいじゃん」<br /><br />と、ふたりは言った。<br />
その言葉に押されたのか、魅力的なふたりともう少し同じ時間を共有したかったからか。チェックアウトをしに行くはずだったレセプションに、挙げ句連泊の申し出をしに行くといういかにも旅らしい行為に甘んじてしまうのだった。<br /><br />おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-20145645027223797502015-07-31T12:44:00.002+09:002015-07-31T12:44:45.364+09:00永遠の秋 ~心に響く町~ vol.2ボゴタではファティマという宿にベッドを取った。ドミトリーで18,000ペソ(約10ドル)。最安とは言えないが、朝食付きでこれなら安い。旧市街の好立地にあるおかげで、だいたいどこへでも歩いて行ける。スタッフも感じがよく、バイクも敷地内に入れてもらえてありがたかった。人懐こい飼い猫のファティマもかわいい。ロビーのソファーに座っていると、するりと膝に乗ってくるほど人懐こい。<br />
大型のホステルだから共有スペースが多く、パティオ(中庭)も広くて明るいのだけど、その分宿泊者は多い。多くの欧米人はやっぱり夜型だから、夜はパティオで大ダンスパーティーなんてことも。陽気な雰囲気が好きならいいのだけど、夜ゆっくり寝たい人には向いていないかもしれない。<br />
<br />
ボゴタは首都だけあって大きな町だった。通りの往来は多く、蛇腹式の連結バスが縦横無尽。大きな協会がいくつもあって、その前には広いソカロ(公園)がある。町を歩いていてもその大きさがわかるのだけど、モンセラーテの丘に登るとそれが一目で実感できた。<br />
<br />
丘は町の東側、旧市街のすぐ裏にあった。山麓から山頂までロープウェイが走っているけど、駅のわきには遊歩道が整備されているので、歩いて登ることもできる。治安がよくないので遊歩道は危険だと聞いたけど、日中なら多くの人が行き来しているので、危険を感じることはなかった。それどころかすれ違いざまに誰もが「オラ」と陽気にあいさつをくれるので、清々しいくらいだ。ただ、なかなかの階段なので、疲れる。<br />
<br />
約1時間の登りで頂上へ到着すると、ボゴタの街並みが眼下に開けた。それは大きな盆地に広がっていて、その広大さに、ここが標高2600mにある町だということを忘れてしまう。なんたって富士5合目よりも高い。<br />
さらに頂上には白壁の、天に十字架を掲げた協会があった。<br />
「へぇ、協会まであるんだ」<br />
てっきり展望台があるだけと思っていただけに、驚いた反面、なるほど町を見下ろせる頂きに協会があるというのは自然な感じもする。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgK6RdxpNMkGLz2Dz85a0wQcoatOH9ivDSfCzrAuiGH-cVAq-7jotjQFYCl1LmOAea_RsWwic3XpoaYIiecuAEzTlRRTKT-w1cLBROxkENsMVBJsV3uQ_xRgumAdyL2F4Hcg6gYMGlpPnJ1/s1600/s-DSCN1892.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgK6RdxpNMkGLz2Dz85a0wQcoatOH9ivDSfCzrAuiGH-cVAq-7jotjQFYCl1LmOAea_RsWwic3XpoaYIiecuAEzTlRRTKT-w1cLBROxkENsMVBJsV3uQ_xRgumAdyL2F4Hcg6gYMGlpPnJ1/s320/s-DSCN1892.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
登りきったご褒美。 <br />
広大な盆地にボゴタの町が広がる。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgEKxC7xbxO741qMcpMHpdG3SWt_tiuT6Pc085hx6d9ZJEelAD7WuYicl4Oc9t_Ruki7lC2i_mx7dkh2Pljsmhbj0Kp8khK0Cl1FcnQig9schcimhf-fOCIdiDo7KMJkyuucfN2S0qhnAba/s1600/s-DSCN1896.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgEKxC7xbxO741qMcpMHpdG3SWt_tiuT6Pc085hx6d9ZJEelAD7WuYicl4Oc9t_Ruki7lC2i_mx7dkh2Pljsmhbj0Kp8khK0Cl1FcnQig9schcimhf-fOCIdiDo7KMJkyuucfN2S0qhnAba/s320/s-DSCN1896.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
山頂にあるとは思えないほどの協会。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh9zJML6rBJasQxpRdoTFhniT8O1zRPDQKR1O3tj2vpKKPbetqniRukg8h1TurC_ePb6RdEtHXdH32fy5780uYj9I0fbGKethmR3OXA3f9r70pZz6AByRXHH2ZErYSqWXPr2e-vdB6vOkrn/s1600/s-DSCN1906.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh9zJML6rBJasQxpRdoTFhniT8O1zRPDQKR1O3tj2vpKKPbetqniRukg8h1TurC_ePb6RdEtHXdH32fy5780uYj9I0fbGKethmR3OXA3f9r70pZz6AByRXHH2ZErYSqWXPr2e-vdB6vOkrn/s320/s-DSCN1906.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
遊歩道をのんびり下って帰る。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhs-0cSKrWeWcpdjALXUSVeYgWBhvoO4eeTxGY14tZaYlKPCioujFYsGYshYJRNvlfzef7zbFkQU5T2gSwCS8lIRw91P14Bds9lRMkmeuZb8m75CbZTBoTaQvGw5d6b3AEn7pHIudKh_UHP/s1600/s-DSCN1907.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhs-0cSKrWeWcpdjALXUSVeYgWBhvoO4eeTxGY14tZaYlKPCioujFYsGYshYJRNvlfzef7zbFkQU5T2gSwCS8lIRw91P14Bds9lRMkmeuZb8m75CbZTBoTaQvGw5d6b3AEn7pHIudKh_UHP/s320/s-DSCN1907.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ロープウェイならあっという間かな?</div>
<br />
ボゴタにはいくつかの博物館があって、それらを数日かけて見て回ったりもした。もともと無料の博物館もあるが、ありがたいことに日曜になると無料開放される場所もある。国立博物館や、人気の黄金博物館でさえ、日曜日は無料開放されるという太っ腹ぶり。さすがに日曜日は来場者が多いので、ゆっくり見たいという人は入場料を払って平日に来た方がいいかもしれないが、ボテロ博物館、紙幣博物館、黄金博物館、国立博物館、これだけ回ってもまったくお金がかからないというのだから、旅人にはうれしい限りだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiuZYyUlRzsunWeR_kYu2vc1ZYvxOt8640B9kGpD5n1fv2GCsvm1ngM8Hqz2Qonk1HiZc4r_WW8J2OuVfjcKTukwU3A9VuqU6c_QgYdjSLVveppQofzQq_XeYFnZoFFMbyNo_fIKZoBxyd2/s1600/s-DSCN1909.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiuZYyUlRzsunWeR_kYu2vc1ZYvxOt8640B9kGpD5n1fv2GCsvm1ngM8Hqz2Qonk1HiZc4r_WW8J2OuVfjcKTukwU3A9VuqU6c_QgYdjSLVveppQofzQq_XeYFnZoFFMbyNo_fIKZoBxyd2/s320/s-DSCN1909.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
黄金博物館。 </div>
<div style="text-align: center;">
日曜日は開館前から行列ができていた。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiZGWMgdXEpzshN5ljtRoIIvRW4toAsslkcgLCOt6qhum_wEXu_e11KsII45nuiqtnYnHn0xmiVTEPKIfdhfXGlFt4J8HZZOewPJNSmflSYC1Ryt104mA0B4-Xfd6s0M4PYXLokVBkncYzV/s1600/s-DSCN1931.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiZGWMgdXEpzshN5ljtRoIIvRW4toAsslkcgLCOt6qhum_wEXu_e11KsII45nuiqtnYnHn0xmiVTEPKIfdhfXGlFt4J8HZZOewPJNSmflSYC1Ryt104mA0B4-Xfd6s0M4PYXLokVBkncYzV/s320/s-DSCN1931.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
興味深い展示を楽しめる。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi8P7cHLlMxaOTL5ZbZpFdK4_S1lCIymBK7oGx8N_-UjJXvEoUPHvT_O93BIwPvAM06JZHlSYtNkxNx8cgn9EoXac4DPrdWTxDt2JKMeI_KmId5Mq_Wc9-Guy0mDPH4FDcnJXigMzG4ELY7/s1600/s-DSCN1937.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi8P7cHLlMxaOTL5ZbZpFdK4_S1lCIymBK7oGx8N_-UjJXvEoUPHvT_O93BIwPvAM06JZHlSYtNkxNx8cgn9EoXac4DPrdWTxDt2JKMeI_KmId5Mq_Wc9-Guy0mDPH4FDcnJXigMzG4ELY7/s320/s-DSCN1937.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
昔の人はどんな思いでこれを作ったのだろう?</div>
<br />
首都は大抵つまらない、なんて思っていたのだけど、何かが僕の心の琴線に触れたのか。ボゴタはとても雰囲気のいい町だった。博物館も見て回ったし、丘に登って景色も楽しんだ。だけど町を歩いているだけで楽しかった、というのが一番だったように思う。<br />
「いい町だったな」<br />
ぼちぼち出発しようと荷物をまとめた日の朝。バイクに荷物を積み終えたはずなのに、その場で荷物をほどくことになろうとは、まさか思ってもみなかった。<br />
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-58367563930315899082015-07-21T12:40:00.000+09:002015-07-23T21:06:01.555+09:00永遠の秋 ~心に響く町~ vol.1道は45号線だったはずなのに、標識を盲目に追っていたらいつの間にか50号線になっていた。同時にマグダレナ川沿いからは離れ、ぐんぐんとその標高を上げていく。次の目的地はボゴタ。標高は2600mもある。<br />
<br />
道路工事がやたらと多い。どうやら崖崩れらしい。さすがのコロンビアも、道路状況は日本ほど良くはないようだ。片側通行になっているのだが、重機が動いている間は両方向とも通行止めにするので、待ち時間がやたら長い。あまりに長いので、みな車やバイクからおりて木陰で休んでいる。のんびりしたものだ。僕もヘルメットを脱いで一緒に座る。休憩にちょうどいい。いいのだけど、果たしてどれくらい待つのだろう?そんな気持ちにもなる。日本では考えられないな。なんたって赤信号が切り替わる秒数まで表示する国。エレベーターの閉まるボタンを連打する国。ラテンとは程遠い。しばらく待って、やっと対向車が来て、木陰の人たちもやれやれと腰を上げた。<br />
<br />
川沿いはジャケットがいらない気温だったのに、山に入ると途端肌寒くなった。さらに標高はぐんぐん上がり、終いには凍えるようになってしまった。ジャケットの下にダウンを重ねる。指先の感覚がなくなる。一体どれだけ気温が下がるのだろう。心配したけど、一番寒かったのはやはり峠の頂で、広大な盆地に入ると少し温かくなった。道は、やがてボゴタに入っていった。<br />
<br />
ボゴタ。コロンビアの首都。ほんの20年前までは世界でもっとも暴力的な都市とされていた。が、今の僕の目には永遠の秋を感じさせてくれる郷愁の町に映った<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiT-zNKJ7kOGvvRVpBu2ox31zp6K86mMkbi5buPsvFzPdvnSrJa8Ykgkoe0CSwwbJaARbobKFAH8yEeXnOADD2776nxH4M3eLSHfghH6Lw_OT6zilV12KKIiWsPbF7OCe1wQAfn53YP5jZZ/s1600/s-DSCN1870.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiT-zNKJ7kOGvvRVpBu2ox31zp6K86mMkbi5buPsvFzPdvnSrJa8Ykgkoe0CSwwbJaARbobKFAH8yEeXnOADD2776nxH4M3eLSHfghH6Lw_OT6zilV12KKIiWsPbF7OCe1wQAfn53YP5jZZ/s320/s-DSCN1870.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ボゴタ。きれいな町だ。</div>
<br />
ボゴタは涼しかった。むしろ肌寒いといった方がしっくりくる。それは、秋が深まり冬の足音がどこからか聞こえ始めた、そんな感じ。そんな気候が僕の胸にささったのか、はたまた町の雰囲気が良かったのか、ボゴタでの滞在はとても心地よいものだった。時間を問わず、場所に関係なく、町の中を歩いているだけで安らいだ。<br />
以前、まったく逆の体験をしたことがある。ホンジュラスのテグシガルパ。どこよりも居心地の悪かった町。まったく心に響かなかった町。歩きながら、ボゴタはその正反対にあるように感じた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgaAnSlLHJ5IenBUNb2O2LCCiCvSdkIsY5gDocutZM_rOopVa4vLPr9t_7vNEVLZhvWxplBNLytQsizc9oPs4ydYSDpz-koHsQvuxlamGsB7G6g8xSSuTe2R8KznXZTKqdDzuCQFycTiq8S/s1600/s-DSCN1874.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgaAnSlLHJ5IenBUNb2O2LCCiCvSdkIsY5gDocutZM_rOopVa4vLPr9t_7vNEVLZhvWxplBNLytQsizc9oPs4ydYSDpz-koHsQvuxlamGsB7G6g8xSSuTe2R8KznXZTKqdDzuCQFycTiq8S/s320/s-DSCN1874.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjC0Cbb_Z0barW9aFDfPOAE5410gpZkrezFfVCsMqKMk_ARVlPQlcM5LNVa2j8crPj0UfI1EB4_9-UxH6UBA5xi8CTV_TonMTra63oKBMdMkUvQCbUImUzY24pBM_g7Mr5BbLwEm4KoMK5-/s1600/s-DSCN1879.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjC0Cbb_Z0barW9aFDfPOAE5410gpZkrezFfVCsMqKMk_ARVlPQlcM5LNVa2j8crPj0UfI1EB4_9-UxH6UBA5xi8CTV_TonMTra63oKBMdMkUvQCbUImUzY24pBM_g7Mr5BbLwEm4KoMK5-/s320/s-DSCN1879.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEginfvxacX8OrOGR2Bbhjmi_fQ0iSc4EISyNcyw8mYoZ4YudNUTIkZw73rsCBWgG7cYsE3D02IrE5PplW3AGvh1eZtfopazqRMAwFVA1UAiZcPuIlkxRCwar_ydqschS4F9TxZoByGr8jAx/s1600/s-DSCN1947.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEginfvxacX8OrOGR2Bbhjmi_fQ0iSc4EISyNcyw8mYoZ4YudNUTIkZw73rsCBWgG7cYsE3D02IrE5PplW3AGvh1eZtfopazqRMAwFVA1UAiZcPuIlkxRCwar_ydqschS4F9TxZoByGr8jAx/s320/s-DSCN1947.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
町の至るところにコーヒースタンドがあるのもよかった。暖かいコーヒーがいつでも飲めた。さすがコロンビアだけあってどのスタンドでもおいしく、そんなコーヒーが1ドルでおつりがくるのだから、ありがたい。<br />
燃えるような暑さのカルタヘナでは、乾いたのどを潤すキンキンに冷えたフレッシュジュースがありがたかったけど、肌寒いボゴタでは、冷えた体を温めるコーヒーがうれしい、というわけだ。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhben0sce-VRtQs62EImgZRyGDv8JeQ0Zv2yPnZtRwp_Ig1hSXCX6tqdDj1jJCr1m7BhB6xyS5lhA9WrWtZbFQW064vix1e5ljak7_ODA5XOcqdyUre4r8doFm8c3OhdN7tvxCCJu8JBw2X/s1600/s-DSCN1884.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhben0sce-VRtQs62EImgZRyGDv8JeQ0Zv2yPnZtRwp_Ig1hSXCX6tqdDj1jJCr1m7BhB6xyS5lhA9WrWtZbFQW064vix1e5ljak7_ODA5XOcqdyUre4r8doFm8c3OhdN7tvxCCJu8JBw2X/s320/s-DSCN1884.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
町の至るところに、 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhEqHYz5GgZ-aL5hjMi2LwE3z9TGRxPMJWJ20NJQbucTEAcjinCsXq-HenYisWGlPbYa__08aX55PVBc3J2Xk9tiftf7lEGY3x_J-wSp9IpmddXXXpb5xiPkzgdcQL5RYIgxmyyvcU4PgCB/s1600/s-DSCN1942.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhEqHYz5GgZ-aL5hjMi2LwE3z9TGRxPMJWJ20NJQbucTEAcjinCsXq-HenYisWGlPbYa__08aX55PVBc3J2Xk9tiftf7lEGY3x_J-wSp9IpmddXXXpb5xiPkzgdcQL5RYIgxmyyvcU4PgCB/s320/s-DSCN1942.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
コーヒースタンドがある。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgqOz41phb65LpGS203GzpvDJWj4pchxp0-3Zpmibtv2Zva-eHYCWlkfeAB9eYDxI5gc1hWQWEvQxCCXJVqkRtdF_xhKh75ukvDT8QA3enn_d0AGmjjRtWjLkHfwNMHNeRezOULlbPe3nMH/s1600/s-DSCN1940.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgqOz41phb65LpGS203GzpvDJWj4pchxp0-3Zpmibtv2Zva-eHYCWlkfeAB9eYDxI5gc1hWQWEvQxCCXJVqkRtdF_xhKh75ukvDT8QA3enn_d0AGmjjRtWjLkHfwNMHNeRezOULlbPe3nMH/s320/s-DSCN1940.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
なかにはこんなレトロなスタンドも。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiJarcN0WC6bSpUU7fb28h6oqEq6VJv_YnQ2rC20iPZCltJRvHt4sl-5XmskzrPaXa86rlQhgYhbXLaGgparq09OeIm5jGgKuzzHZKra4up-bJxnkdk-jQPtcODvFiuq80eBD3nY8yOwIHl/s1600/s-DSCN1943.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiJarcN0WC6bSpUU7fb28h6oqEq6VJv_YnQ2rC20iPZCltJRvHt4sl-5XmskzrPaXa86rlQhgYhbXLaGgparq09OeIm5jGgKuzzHZKra4up-bJxnkdk-jQPtcODvFiuq80eBD3nY8yOwIHl/s320/s-DSCN1943.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
古いエスプレッソマシーンを使っているところが多い。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiEAQNSm6UQw9kzQm7UguSBx4A7G3skDp0xfy_4mKq4SmthQ3_sDGkfwCdoJ4hOlk2Wvqb7mx1zgq2r0TP8IGJ7CaPKoLvrSTfRljpOE5nqWwoDEWNGXZzP2QnBmx_8EFBqc5_bVQ3uB-kB/s1600/s-DSCN1662.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiEAQNSm6UQw9kzQm7UguSBx4A7G3skDp0xfy_4mKq4SmthQ3_sDGkfwCdoJ4hOlk2Wvqb7mx1zgq2r0TP8IGJ7CaPKoLvrSTfRljpOE5nqWwoDEWNGXZzP2QnBmx_8EFBqc5_bVQ3uB-kB/s320/s-DSCN1662.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
これはカルタヘナのジュース・スタンド。</div>
<div style="text-align: center;">
キンキンのライムジュースがうまかった。 </div>
<br />
コロンビアは季節を旅する、そんなことがガイドブックに書いてあったのを思い出す。まさにその通りだと思った。カルタヘナは燃えるような夏だった。メデジンは永遠の春で、ボゴタは深い秋。日本から遥か緯度を下げた国は南部に赤道が走るほどなのに、さまざまな季節を感じることが出来た。<br />
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-16853763412320038692015-07-15T10:30:00.000+09:002015-07-15T18:36:50.119+09:00ラ・ドラダメデジンを出発した日、僕はラ・ドラダという小さな町にいた。セントロ(町の中心地)にある安宿に腰を下ろしたときには、もう18時近くになっていて、暗くなる前になんとか間に合ったという感じ。アンデスの山道はアップダウンが多く、小さな排気量のバイクでは走るのが大変というのはあったけど、そもそも朝寝坊をして宿を出たのが10時を過ぎていたのが大きな原因だ。移動日に寝坊するなんて旅人としてあるまじき行為(大げさ)であるが、昨夜遅くまでパティオでおしゃべりをしていたのだから仕方がない。沖融たる時は刹那のごとし。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiwkkSt3ULGH1zDQnMlZwtE5qMxPVghEx73O-o4cf7c_S9JyYGU7W7MSYqyVY7xKKSaLdIBc-2_Ehuq22IqIFTo0zzmRTNJq6oxSJt3bo9meSKtT-Rjw5Nyde2yVq97K5X_kyrbmWwKBJ1G/s1600/s-DSCN1840.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiwkkSt3ULGH1zDQnMlZwtE5qMxPVghEx73O-o4cf7c_S9JyYGU7W7MSYqyVY7xKKSaLdIBc-2_Ehuq22IqIFTo0zzmRTNJq6oxSJt3bo9meSKtT-Rjw5Nyde2yVq97K5X_kyrbmWwKBJ1G/s320/s-DSCN1840.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
みんなに見送られる。</div>
<div style="text-align: center;">
いい宿だった。ホスタル・メデジン。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiXGnGH6_ruywWlsLBAqOkiLQN5hlRq8d8mr3pAFCgHtWGx9b2TqR81O3aj612emX6tdSAmo4BslJWyifaYXvFUBKxa7xcq9PLdNh54xFXDZbNLiXt-WW6Z3Iz6X5Usx4vpatN0-UdrkbdM/s1600/s-DSCN1841.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiXGnGH6_ruywWlsLBAqOkiLQN5hlRq8d8mr3pAFCgHtWGx9b2TqR81O3aj612emX6tdSAmo4BslJWyifaYXvFUBKxa7xcq9PLdNh54xFXDZbNLiXt-WW6Z3Iz6X5Usx4vpatN0-UdrkbdM/s320/s-DSCN1841.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
一休み中。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjzaHxTtn3tPR6AAeskuOM7HLNeWlcH-pnCeXj1XDcBFIz5C4o-h9vLha9dyRjGOHCLOhGMCPjJ_TTUylOWxj3kLvzWergmd7y9XhfV74_5x78vCFSWdom0VqzBcLrWrjtBQo1iwvPhaUFg/s1600/s-DSCN1867.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjzaHxTtn3tPR6AAeskuOM7HLNeWlcH-pnCeXj1XDcBFIz5C4o-h9vLha9dyRjGOHCLOhGMCPjJ_TTUylOWxj3kLvzWergmd7y9XhfV74_5x78vCFSWdom0VqzBcLrWrjtBQo1iwvPhaUFg/s320/s-DSCN1867.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
今日の宿。</div>
<div style="text-align: center;">
小さく「HOTEL」と書いてある。 </div>
<br />
それにしても暑い。「なんだよこの暑さは!」すっかりメデジンの快適な気候に慣れきった体では、暑さに毒づきたくもなる。宿のシャワーは久しぶりに水のみだったのだけれど、それすらありがたい。メデジンは山中にあるため標高が高く過ごしやすい気候だったが、コロンビアを東西に分断するように大きく南北に走るマグダレナ川の川べりにあるラ・ドラダは、その標高を一気に下げ、結果気温は一気に上がった。すっかり忘れていたのだけど、赤道は目と鼻の先ということをいやでも再認識させられる。<br />
<br />
見つけた宿は町の中心近くにあって、12,000ペソ(約7ドル)と予算内にぴたりと収まる値段(部屋にテレビまで付いていた)。バイクも屋内に入れらせてくれたし、宿の人もみな親切で居心地も良さそうだ。さらにレストランが併設されているので、到着が遅くなった身としてはすべてがここで片付いてしまうのがうれしい。部屋に荷物を入れ、シャワーで汗を流したら、夕闇が迫る藍色の町を散歩した。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhNrcqGM5G00wo2kd7BoA576hl7K0i8YQ03_36TEcHDc_XSsGuuun1A25c6rTpUSEKsyozCVSxIoIR0W50TeeUfmF-R4w59w5XPSJy2u_yULlhf_HMsXBGk2G68AMGjdDgfQgydgzRT3Bnr/s1600/s-DSCN1863.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhNrcqGM5G00wo2kd7BoA576hl7K0i8YQ03_36TEcHDc_XSsGuuun1A25c6rTpUSEKsyozCVSxIoIR0W50TeeUfmF-R4w59w5XPSJy2u_yULlhf_HMsXBGk2G68AMGjdDgfQgydgzRT3Bnr/s320/s-DSCN1863.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
宿のマスコット。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhH9dMM4soTJWtKrzdNygcawlZdIdMZzEml6vr6LtvzyRap7uJSvJB7IKiZrQVu9xK0-afMZRJidPmBJF0YLAqxjUirbb8KsCFKhMMBctdDJmRjQmoQONDUR1oIPca_KNlIagU-TDgZ06qf/s1600/s-DSCN1857.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhH9dMM4soTJWtKrzdNygcawlZdIdMZzEml6vr6LtvzyRap7uJSvJB7IKiZrQVu9xK0-afMZRJidPmBJF0YLAqxjUirbb8KsCFKhMMBctdDJmRjQmoQONDUR1oIPca_KNlIagU-TDgZ06qf/s320/s-DSCN1857.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
町をぶらぶら。</div>
<div style="text-align: center;">
コロンビアは本当に空がきれいだと思う。</div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<br />
宿に戻り、レストランで食事にする。スープ(前菜)、カルネアサード(牛肉を焼いたの)、フリホーレス(煮豆)、揚げバナナ(好き)に米で3500ペソ(約2ドル)。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh1aVN5OF_dTk9s8qlmL9a5wK3OnbSxI06Ibnwsbqw5aaS0ljsCi9R0S8byzcZNvYWn8CN618FzUXlHj1RV1SpDOG4CYIb7wYQ0CUXKvYHSyQ_m0muGsIJwG8qy-6v_krbh0uAnOGHs4g9V/s1600/s-DSCN1858.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh1aVN5OF_dTk9s8qlmL9a5wK3OnbSxI06Ibnwsbqw5aaS0ljsCi9R0S8byzcZNvYWn8CN618FzUXlHj1RV1SpDOG4CYIb7wYQ0CUXKvYHSyQ_m0muGsIJwG8qy-6v_krbh0uAnOGHs4g9V/s320/s-DSCN1858.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
味もまずまず。なにより安くていい。いいのだけど、ちょっと物足りなさを感じてしまう。なぜか?トルティーヤがないのだ。<br />
メキシコから中米のニカラグアあたりまでは、完全にトルティーヤ文化だった。それもそのはず。マヤの人々はトウモロコシから人類が生まれたと信じていた(る?)ほどだ。レストランで食事をすれば、ホカホカのトルティーヤが布に包まれて出される。おかわりは自由。というか、なくなると自動的に運ばれてくる。<br />
しかしなんということか。それ以南では主食が米に取って代わってしまった。トルティーヤがすっかり姿を消し、少し残念な気分というわけだ。あのトウモロコシ独特の香りが懐かしい。もっともメキシコに到着したての頃は、その独特がいまいち苦手だったことはご愛嬌。<br />
<br />
レストランの調理場に立っていた女性はたいへん話好き。あれこれ質問が飛んできた。が、なにを言っているのかよくわからない。早口なのだ。言葉を聞き取るためにはよく耳を澄ませていなければならず、食事をおいしく頂いている場合ではない。<br />
これはコロンビアに入って思ったことだ。コロンビア人のスペイン語は早口だと思う。他の南米の国は知らないが、中米のそれに対しては間違いなく、早い。特に僕はグアテマラののんびりしたスペイン語で勉強したものだから、彼らのスピードについていくのがもう大変である。好きな揚げバナナの味もわからない。<br />
<br />
食べ物にしろ言葉にしろ、色々なことが国や地方によって様々で、様々なことが色々だった。ラテン・アメリカの国はほぼスペイン語が公用語なだけになんとなく同じ文化圏のように感じてしまうが、それはまるで違っていた。陸伝いに少しづつ移動を続けていると日々感じる違いは小さいのだけど、あらためて遠くを思い起こす時、そのコントラストを楽しめるのだった。<br />
<br />
おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-34685289705066573132015-07-12T09:04:00.000+09:002015-07-12T09:04:09.420+09:00彩りの街 vol.3メデジン到着2日目にして体調を崩し、その後3日間を寝て過ごしてしまったのの、それ以外はきちんと旅行者として正しい行動をしていたように思う。<br />
<br />
いつものように、街のあちこちを散歩した。メデジンは一年を通して気候がよいので、日々の散歩がとても気持ち良かったのを覚えている。<br />
夜はパティオでビールを飲みながら、コロンビア人たちを交え、日本語、スペイン語がごちゃまぜになった会話に花を咲かせた。旅の話から恋の話まで。楽しい時間はあっという間だった。サムライ・カリエンテ。<br />
メデジンが誇るメトロに乗り込み、街の夜景を見に行ったりもした。メトロはてっきり電車であると思っていたのだけど、街の両側を山に囲まれたメデジンは、山肌に続く郊外へはなんとロープウェイが延びていた。電車ではなくロープウェイを使わなければならないほど山は急こう配というわけで、だから山頂付近の駅からは谷底に広がるきらびやかなメデジンの夜景が一望できた。<br />
また、中心街にある銀行をいくつも歩き渡り、足を棒にしながら少しでもレートの良い銀行を見つけ、手持ちのトラベラーズチェックをコロンビアペソに替えたものの、なぜか表示とは違うレートで両替されてしまい、だけどそれを問いただすだけの勇気も語学力も持ち合わせていなかったため、歩きまわった数時間が徒労に終わったこともあった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgNYxaMKfPXp3Aeiu-sVx6XD8TblzbAKKykkTUiKEHbr2J9aYwFqwMnK8z5ebZyQdgWir5dO-9UQImX12_hQxkM2x_nM6wyDMAkXcrVxGLTp2G-N9htq_e1KNPbSRIibKkensOLEjjo6DMh/s1600/s-DSCN1795.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgNYxaMKfPXp3Aeiu-sVx6XD8TblzbAKKykkTUiKEHbr2J9aYwFqwMnK8z5ebZyQdgWir5dO-9UQImX12_hQxkM2x_nM6wyDMAkXcrVxGLTp2G-N9htq_e1KNPbSRIibKkensOLEjjo6DMh/s320/s-DSCN1795.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
電車から乗り換え。まさかのゴンドラ。 </div>
<br />
<div style="text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgalmT7ZIU4miRx8Qmdh4BabG1YWHHZsKEfLALmEAF-pbo-3etlHyVGP2JfCB6lbiraZoUODCYEzOThDC2FMqmrn4Toq0-98EcTZEy_kwCiD_iN4pt-Xt4fPxnxKjZKRI3E5GMA6zZRbqhF/s1600/s-DSCN1797.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgalmT7ZIU4miRx8Qmdh4BabG1YWHHZsKEfLALmEAF-pbo-3etlHyVGP2JfCB6lbiraZoUODCYEzOThDC2FMqmrn4Toq0-98EcTZEy_kwCiD_iN4pt-Xt4fPxnxKjZKRI3E5GMA6zZRbqhF/s320/s-DSCN1797.jpg" width="320" /></a> </div>
<div style="text-align: center;">
谷にのびる夜景。</div>
<br />
そんななかで、特に印象に残っているのがメデジン日本語クラブを知ったことだった。<br />
メデジンではひとりの日本人女性が学生相手に日本語を教えている。それがメデジン日本語クラブで、その活動を少しでも多くの人に知ってもらうため、ふらりとメデジンを訪れた旅人にもその門をひらいていた。<br />
<br />
コロンビア人が母国で日本語を学ぶにあたり、ネイティブな日本人との会話がどれだけ有益か。その機会は多ければ多いほどいいのだけど、そもそもコロンビア自体に多くの日本人が住んでいるわけではない。そこで世界中をふらふらと旅しているバックパッカーが出番というわけだ。<br />
<br />
講師であるカオリさんはなかなか活動的な人で(コロンビアで日本語を教えようというのだから活動的でなければできない)、学生による日本語でのスピーチコンテストを行ったり、自宅での日本料理教室を開いたり、精力的に活動をしている。そして僕はその日本料理教室に遊びに行ったというわけだ。<br />
<br />
同じ宿に泊まっていたユキ君(彼はメデジンに長期でスペイン語の勉強をしにきていて、カオリさんとは面識があり、今回は彼に誘ってもらった)と一緒にでかけた。<br />
約束したスーパーマーケットでカオリさんともうひとりの日本人パッカー、さらに学生3人と落ち合い、必要な食材を買い、カオリさんの自宅へ向かった。その日の料理はお好み焼き。学生たちを交え、あーだこーだとおしゃべりをしつつお好み焼きを作った。出来栄えは、まぁ、置いておくとして、みんなで作れば楽しくいただけるというものだ。<br />
<br />
学生たちは全部で5人。日本の文化や習慣、歌やアニメに至るまでどんなことにも興味があった。おかげで質問は絶えなかったけれど、そこにいたほぼ全員が優しい日本語なら問題なく理解し、話すことができたので助かった。伝えたいことがうまく伝えられない、外国語独特のあのもどかしさがどこにもない。同時にコロンビアでこれだけ日本語を熱心に勉強し、話せるようになっている学生たちに驚かされた。日本の学生なんて、何年も英語の勉強をしていながらネイティブ相手に話しをすることなんてできない。<br />
<br />
会も終わりに近づいたころ、ひとりの女の子が東日本の震災にむけて書いたというスピーチを、僕らのために聞かせてくれた。長いスピーチだった。すばらしかった。心が温まるものだった。聞きながら、カオリさんはコロンビアの学生たちに単に日本語を教えるだけでなく、日本という国そのものを教えているんだな、と感じることができた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhDM4ykW3kg8V40OmjWi5mPsGN-qJEgtC_2U8mZf8JtS6vpPoo3K1xYQ0Y9P7RvHa2uFYt0TCmD6n1xW7rrf8IdgADkhSMNR3XZgI13hBwi-iBepStaZKUT3UuK9bmiy6L_UBliwDQ7hjsM/s1600/s-DSCN1784.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhDM4ykW3kg8V40OmjWi5mPsGN-qJEgtC_2U8mZf8JtS6vpPoo3K1xYQ0Y9P7RvHa2uFYt0TCmD6n1xW7rrf8IdgADkhSMNR3XZgI13hBwi-iBepStaZKUT3UuK9bmiy6L_UBliwDQ7hjsM/s320/s-DSCN1784.jpg" width="240" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
上手にできるかな?</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgxNl8z27Kwu855ZB1oRISyGTt8ye2S3Y-o8peGeh4F9mFtE6wdBolxtrrcADVcRv-ORXrHwFhAl75j8Rq7QaVDDoUaqFmDLj-_PgolFrm-6sZE-vovPKTvLjZq730Acn05UpZKmX6GIN4k/s1600/s-DSCN1791.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgxNl8z27Kwu855ZB1oRISyGTt8ye2S3Y-o8peGeh4F9mFtE6wdBolxtrrcADVcRv-ORXrHwFhAl75j8Rq7QaVDDoUaqFmDLj-_PgolFrm-6sZE-vovPKTvLjZq730Acn05UpZKmX6GIN4k/s320/s-DSCN1791.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
みんなで。</div>
<br />
おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-46389437170427876182015-07-10T18:45:00.000+09:002015-07-11T10:05:34.014+09:00彩りの街 vol.2お久しぶり過ぎるブログです。<br />
アメリカ大陸縦断旅から帰国して早2年が過ぎようとしています。え?もう!?光陰矢の如し。時間は無情にも過ぎ去ります。だけどブログはすっかりコロンビアで立ち止まったまま。<br />
旅の日々が懐かしい思い出になりつつある今日この頃。当時の日記やら写真を見ながらブログを起こすという作業がちょっと楽しく思えるようになりました。人間変わるもんですね。そしてぼちぼち熱を持ち始めた「旅したい病」が、この作業で少し緩和します。旅は麻薬。お願い。もうちょっと待ってくれ。<br />
そもそも三日坊主な僕なのでどこまで進めるかわかりませんが、書いた分は順次アップしていこうかと思います。長文駄文おそまつさま。相変わらずだらだら感満載でお送りしますが、お腹一杯なんて言わず、気が向いたらのぞいてみてくださいね。では1年前の続きからどうぞ。しょっぱなから長いです。笑<br />
<br />
***<br />
<br />
「バイク乗りならばね」<br />
<br />
ヘルメットを片手に呼び鈴を鳴らした僕は、その言葉の意味をすぐに理解することができた。メキシコから引き連れてきた言葉だけど、やっと溜飲を下げることができた。<br />
<br />
仕立て屋の女性の親切によって無事に目的地にたどりつくことができた僕は、実際宿のオーナーが女性だとは微塵も思っていなかった。ましてやバイク乗りで、そんな宿だからこそ世界中のバイク乗りたちがここへ羽根を休めに来るのだということも。<br />
<br />
<br />
荷物を載せたままのバイクでガレージに通された。宿にガレージが併設されていることはうれしい。それも建物内にある。自分の部屋から外に出ることなく直接愛車のところまで行けるようだ。毎度の宿探しはバイクの保管場所探しも常なので、ガレージがあれば一石二鳥というわけだ。数日は滞在しようと思っている宿だけに、安全なガレージがあることは精神衛生上たいへんよい。<br />
<br />
ガレージにはバイクを数台止められるスペースがあって、見渡す壁にはたくさんの写真とメッセージカードが飾られていた。それは国籍や性別を問わないバイク乗りたちのもので、そのひとつひとつを眺めていくだけで楽しかった。見たことのある景色もあれば、まだ見たことのない風景もあった。それぞれの旅が写真を通して僕の目の前に広がっていくようで、オイルのにおいがするガレージに物語を持たせていた。それが、ホステル・メデジンだった。<br />
<br />
<br />
メデジン。麻薬大国であるコロンビアの中枢。メデジンカルテルが暗躍し、膨大なコカインマネーがもたらされた、と聞いたことがある。もっともそれも一昔前の話で、現在組織は事実上壊滅。今街の中心部をあるいて治安が悪いと感じることはなかった。もちろん個人的な意見だし、スラムと呼ばれる場所を歩いてはいないのだけど、僕としては中米の治安の悪いとされる街の方が怖さを感じた。<br />
街は近年すっかり衛生的に造られていて、モダンな公園や複合的なスポーツスタジアムがあり、その上をメトロと呼ばれる電車が走っていた。反面、雑多で活気のある市場通りがきちんとあり、人影少ない裏通りに薬物中毒者が生気のない目でうずくまるように座っているのを見かけると、あぁやっぱりここはコロンビアなんだなと思わずにはいられなかった。<br />
<br />
そんなメデジンには約1週間滞在することになった。<br />
宿のオーナーは大変親切だったし、宿の中は隅々までどこもきれいで、ビリヤード台までもあり自由に遊べた。日本人宿泊者が多く、夕暮れからパティオ(中庭)でゆっくりとビールを飲みながら旅話を語らうのが心地の良い時間であった。しかし実のところ風邪をひいて丸3日間をベッドで過ごす、というなんとも情けない状態でもあった。<br />
<br />
<br />
というわけで、滞在中にガレージからバイクを出したのは一度きり。メデジンから真東へ、山中にグアタペという村があり、そこを訪れた時だけだ。<br />
グアタペは大きなペニョル貯水池のほとりにある小さな村で、皆が口をそれえてそこは「メルヘン」だと言う。宿の宿泊者ほとんどがグアタペには足を運んでいた。メデジンに来たらグアタペにも行く、というのはほぼ定説となっていたが、とくに「メルヘン」という響きに僕は興味が持てなかったので、なんとなく足が向かないまま1週間が過ぎてしまった。<br />
ふつうはバスを乗り継いで行かなければならないところだけど、バイクがあれば時間に関係なく気ままに行ける。バイク旅の大きな利点ではあるが、この「いつでも行ける」がしばしば「いつでもいいか」という考えにすり替わってしまう。僕の悪い癖だ。<br />
<br />
「エル・ペニョールからの眺めは、最近ではいちばん感動したね」<br />
<br />
重い腰がついに上がったのは、同じく宿に宿泊していたヨシオさんの一言だった。ラ・ピエドラ・エル・ペニョールという馬鹿でかい一枚岩は、グアタペの近く、やはり湖畔にあり、その頂上からの景色はなんとも素晴らしいということだった。<br />
<br />
<br />
片道3時間もあれば十分だと計算したのだけど、市街地から抜け出すのが一苦労で、途中の村の屋台で昼を取ることになった。エンパナーダ。ジャガイモと鶏肉たっぷりでうまい。そして安い。<br />
快適な山道を突き進むと、一目でそれとわかる大岩が現れた。あれが目指すエル・ペニュールだと、疑う余地はない。遠くからでも伝わる存在感は、近くに寄るとさらに増す。ふもとの駐輪場にバイクを止めた。天気も良く、ショートツーリングに最適だったのはなにも僕だけではないようで、そこにはたくさんのバイクが並んでいた。もちろん駐車場も同様で、恋人同士、家族連れが多く目についた。なるほどどうやらここはひとりで来るようなところではないらしい。けどもうすっかりそんなことを気にすることもない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOHmbCC3VB-t9DLa-up2cqCdop4gmr4AJOfkR825YP1Zs_2PpdJGR3Pn5S9HxMZwZpAJDeBf3FVTTRTgK-vej8gOMips-kM0szYf3dtV4ZtIAa9quLSH9MiJJ5UhLjlC4lcq34FydHHlXm/s1600/s-DSCN1805.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjOHmbCC3VB-t9DLa-up2cqCdop4gmr4AJOfkR825YP1Zs_2PpdJGR3Pn5S9HxMZwZpAJDeBf3FVTTRTgK-vej8gOMips-kM0szYf3dtV4ZtIAa9quLSH9MiJJ5UhLjlC4lcq34FydHHlXm/s320/s-DSCN1805.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
あれ、絶対そうでしょ!</div>
<br />
ふもとから頂上まではジグザグに階段が延びていて、あまり深く考えずに岩肌に張り付けただけに思えるそれは、なかなかにスリルがあった。登るために10,000ペソ(約6ドル)必要だったのは予想外だったが、頂上にはきちんとした展望台があり、360度の景観が楽しめた。人造湖らしく山あいの尾根を残して水を張っている湖岸は入り組も、小さな島が湖中いくつも浮かんでいた。なかなかすてきな景色で、展望台をぐるりと2周もしてしまうほど満足するものだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjfoDGsBEsFQ-d4lbAAXtf8Lgws3sopzO9tpLBTQa7t2ihycU-jAFv3GNyfAOMm40zp4JMS-07a2ta7Y_IySCU9vcfaKkBbXwd_icTKdPtCUvVJIZVrZ7C3GuCssW9aGcnoQkrhsQnw4KgN/s1600/s-DSCN1806.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjfoDGsBEsFQ-d4lbAAXtf8Lgws3sopzO9tpLBTQa7t2ihycU-jAFv3GNyfAOMm40zp4JMS-07a2ta7Y_IySCU9vcfaKkBbXwd_icTKdPtCUvVJIZVrZ7C3GuCssW9aGcnoQkrhsQnw4KgN/s320/s-DSCN1806.jpg" width="240" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
階段は700段以上あった。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj7USqhneC7LatmefT6tOrFuIjJ2xczRXLK-SCD9D8n8hwUSQtZ38hrW54EC1mC62Q0FM3Gxowcwij63xD-ZSoWZqjlKnE8IKz4Df-qF4m4yJWjMAqWmbb74OeH_xKeX4ubAYDSW5H99GlW/s1600/s-DSCN1818.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj7USqhneC7LatmefT6tOrFuIjJ2xczRXLK-SCD9D8n8hwUSQtZ38hrW54EC1mC62Q0FM3Gxowcwij63xD-ZSoWZqjlKnE8IKz4Df-qF4m4yJWjMAqWmbb74OeH_xKeX4ubAYDSW5H99GlW/s320/s-DSCN1818.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
いい眺め。</div>
<br />
次に訪れたグアタペは、前評判通り大変「メルヘン」だった。家々はとりどりの原色に塗られ、一様に壁にタイル画を掲げていた。タイル画はどれも違っていて、色彩あふれた幾何学的な模様は目を楽しませてくれたけど、1時間も歩いていると疲れてしまって、見つけた売店で冷えたビールを買い、湖畔に座って飲んだ。<br />
<br />
<br />
<div style="text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEisWxqSIfZa0aSvmoaDXIH8_Jk7DWmV-1MRTq9wUrCrGAmXNcD3KQ7drWE5Cbv9z-T3Y2DJS4ahNF1eZE3D69YOaeVjU-b2DMIBfQV2w0j5dHitvkmghonxdNPS107-pHd49P2IZoc4ZxRy/s1600/s-DSCN1836.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEisWxqSIfZa0aSvmoaDXIH8_Jk7DWmV-1MRTq9wUrCrGAmXNcD3KQ7drWE5Cbv9z-T3Y2DJS4ahNF1eZE3D69YOaeVjU-b2DMIBfQV2w0j5dHitvkmghonxdNPS107-pHd49P2IZoc4ZxRy/s320/s-DSCN1836.jpg" width="320" /></a> </div>
<div style="text-align: center;">
</div>
<div style="text-align: center;">
<br /></div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjlnlWnDVFgDhJsbFUjO0NSWS-cfdEn3rQTjlzhoqtokyTDdtsThO3-tpqXDTNAsmgsPIAreVZ6lACr0F5MIoLzRtdjT0m13mySNLIVRfve0fP_amT8yHy9Iu35k6SnXtECAAj_NVKLrIBH/s1600/s-DSCN1831.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjlnlWnDVFgDhJsbFUjO0NSWS-cfdEn3rQTjlzhoqtokyTDdtsThO3-tpqXDTNAsmgsPIAreVZ6lACr0F5MIoLzRtdjT0m13mySNLIVRfve0fP_amT8yHy9Iu35k6SnXtECAAj_NVKLrIBH/s320/s-DSCN1831.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
「なんかいい休日だな」毎日が休みなくせにそう思うのはおかしいのだけど、青空の下、ゆらぐ湖面に反射した陽光に目を細めると、なぜだか妥当にそう思えた。ゆっくりとした時間の、ぼんやりとした思考のなかで、<br />
<br />
「メルヘンも悪くなかったよ」<br />
<br />
宿に帰ったらみんなにそう言おう、そんなことを単純に思うのだった。<br />
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com2tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-79779335986983847692014-06-15T01:41:00.000+09:002014-06-15T01:41:08.089+09:00彩りの街 vol.1メデジンは、さすがコロンビア第二の都市だけあった。<br />
街に向かってバイクを走らせると、ぐんと迫り来るような印象を受ける。両方を山に囲まれた谷間に街があるからかもしれない。中心地は谷底に密集しているが、それを取り囲むよう両の山肌には赤レンガの家々が所狭しと並べられていた。谷のずっと遠くまで続いている。山の上に行けば行くほど、また中心地から遠くなればなるほど粗末で、そこがスラムだと一見して分かった。<br /><br />街の大小を問わず、はじめて訪れる街では宿探しが最初の仕事ではあるのだが、メデジンではぜひ泊まりたい宿があった。それはメキシコ・シティーで会った日本人のバイク乗りが勧めてくれた宿だ。<br />
<br />
「コロンビアのメデジンに行ったらぜひこの宿に泊まるべきだ」<br />
<br />
そう言って教えてくれた。<br />
<br />
「バイク乗りならばね」<br />
<br />
という言葉も忘れられない。<br /><br />そのときの僕は宿の名前を手帳に記しながらも、だけどどこにも現実味を持つことが出来なかった。いくら同じラテン・アメリカと言えど、メキシコはまだ北米で、カナダから走り始めた僕にとってはたった3カ国めだった。だからこの先中米を抜け、海を渡り、南米の地へ上陸してからの話しなどかけらも想像できなかったのだ。<br /><br /><br />バイクを道端に止め、ヘルメットを脱ぐ。メデジンの中心地に入ってからもう何度もそんなことをしていた。宿の名前と住所は分かっていても、大きな街でそれだけを頼りに小さな宿を探すのは大変だ。だけど骨を折りながらも、僕は晴ればれしい気分でいた。<br /><br />僕は今コロンビアに居る。あの時メキシコで教えてもらった宿を探している。想像もできなかった国の、現実味を持たない街。そこに今、僕は居るのだ。その事実がうれしかった。メデジンという街の、空気も、色も、匂いも、音も。すべてを肌で感じられる。モノクロの写真が、突然フルカラーになったような感覚。<br />
旅をする理由が、ほんの少し分かったような気がした。<br /><br /><br />何度も道行く人に尋ね、やっとのことでお目当ての住所にたどり着いた。しかしあろうことか、そこに宿など無かった。<br />なぜ?<br />パナマ・シティでの悪夢がよみがえる。住所を間違えたか、もしくは宿自体が無くなったか。どちらにしてもさんざん探した挙句の仕打ちとしては無慈悲に思えた。<br /><br />「この辺にホステルはありませんか?」<br /><br />お目当ての住所には洋服の仕立て屋があった。まさか仕立て屋がホステルを兼ねているというわけは無いだろう。住所が違うとなれば、僕にはもはや探しようが無い。仕立て屋の中、カタカタと子気味良い音を立ててミシンを操っている女性にそう尋ねるのが精一杯だった。もしそんな宿は知らないと言われたら、数時間を費やした宿探しはいちからやり直しだ。祈るような気持ちにだってなる。<br /><br />「あぁそれならね」<br /><br />運が良かったのか、祈りが通じたのか。ミシンを操る手をとめた女性は、宿の場所を説明し始めてくれた。しかも英語で、丁寧に。<br />
<br />
「そのホステルは最近引っ越したのよ」<br />
<br />
そう言うと、住所と電話番号をメモ用紙に記しさえしてくれた。<br /><br />古い情報にふりまわされることは多々あることだ。それによって引き起こされるドタバタ劇は過ぎてしまえば笑い話になるけれど、そのときはいつだって真剣に困っているのだから笑えない。<br />
<br />
ミシンの女性の慣れた感じから、僕のような旅人が幾度となく尋ねたに違いないことは容易に想像できたけど、たどり着いた仕立て屋を前に皆一様に肩を落としたのかな、なんて思うと疲れよりも可笑しさがこみ上げてくるのだった。<br /><br />つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-37703277661349501402013-11-30T16:47:00.001+09:002013-11-30T16:47:52.521+09:00エル・ドラド vol.4道はしばらくカウア川に沿って進んだ。<br />
最高に気分が良かった。<br />
バイクに乗りながら、鼻歌さえ自然と出るほどだった。天気は上々だったし、Tシャツ1枚でも十分な気温だったし、川を横目に眺めながら走ることができた。もちろんそれらは気持ちよく走るための大きな要因だ。いつもなら。だけど、今の最高はそんなものの比ではなかった。<br />
<br />
コロンビアの人々の優しさが、僕の胸をいっぱいに満たしていたからだ。それはレストランのセニョーラだけではない。ガソリンスタンドの店員や、名も知らぬ街の屋台の人々だけでもない。至る所でいろんな親切を少しずつもらっていた。<br />
<br />
コロンビアって危ないんじゃないの?<br />
コカイン。マフィア。銃。そして血。<br />
僕もそんなイメージを持っていた。そんなイメージしか持っていなかった。だけどコロンビアを走り始めて3日目。たった3日ながら、僕はもうコロンビアが好きになっていた。<br />
<br />
日本で得られる偏ったコロンビアの知識、それをいかに鵜呑みにしていたか。そしてその偏見がいかに自分のすべてだったのか。僕はコロンビアの人々の優しさに触れ、1枚づつその偏見を剥がしていくことによって、自分の小ささを思い知ることができた。<br />
<br />
<br />
川に沿って走っていた国道は、大きな橋を越えるといよいよ山に入るようだった。<br />
そんな橋のたもとには、ちいさな村があった。本当にちいさな村。だけど橋から眺めるその風景は、一瞬にして僕の心を掴んだ。<br />
川岸に建つ教会が目を引いた。川に突き出すように建つ家々がいい感じだった。そんな教会と家々をつなぐように、ちいさな黄色い橋が架かっていた。家の裏の山は、かなりの傾斜だというのに農地として手入れがされていた。<br />
<br />
逡巡はしなかった。国道からは外れてしまうけれど、僕は村に向けてバイクを走らせた。教会の前から延びる黄色い橋は人と馬しか通ることが出来なかったから、教会の前にバイクと停めて歩いて渡った。<br />
<br />
川岸のかろうじて残っている平らな部分に一本道が伸び、その両側にしがみつくように家が建てられていた。川側の家は川にせり出すように建てられているため、何本もの柱で家自体が支えられていた。しばらく道を歩いてみたものの、ふたりの子供を連れた母親と、馬に乗った老人にすれ違ったくらいで、ほとんど村人に会うことは無かった。だけどこんなところにも人が住んでいる。その光景と事実は、やけに僕の胸を締め付けた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg0W-jxVnA2mYBB0jDQf62zNKKdn02fb9jMbzQx9y137oWA2S1DXKfMpibUTEeQR7PaRpiWAvuKJtUfrrbYfYYhvrkjpYwosqKyFjXLZhRY7RGUt5vARfVQu5RDTu5krI5QJxsvsxozVB6e/s1600/s-DSCN1754.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEg0W-jxVnA2mYBB0jDQf62zNKKdn02fb9jMbzQx9y137oWA2S1DXKfMpibUTEeQR7PaRpiWAvuKJtUfrrbYfYYhvrkjpYwosqKyFjXLZhRY7RGUt5vARfVQu5RDTu5krI5QJxsvsxozVB6e/s320/s-DSCN1754.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
教会が目を引いた。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZokO7zpH7dIoXVdedyhjjsPunmN2KFLax9QGsM4t4LiF1wfZCb3_zGHb8uv8cJ3YxQtd1Jr6lbPGT-0evzh0tBMKH06n3yfMUhl8wG8c8n2J8hUbKK-fh9dTRr6W1um4Ft90kD8nA3S-9/s1600/s-DSCN1758.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgZokO7zpH7dIoXVdedyhjjsPunmN2KFLax9QGsM4t4LiF1wfZCb3_zGHb8uv8cJ3YxQtd1Jr6lbPGT-0evzh0tBMKH06n3yfMUhl8wG8c8n2J8hUbKK-fh9dTRr6W1um4Ft90kD8nA3S-9/s320/s-DSCN1758.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
家はしがみつくよう。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjPSR6FMTGlddFhs6GgkcX0dRSiFNqvc-XMxJbthAtNG5frvu6y8hgMb2sYdJJmgCza6h3Di2EYdD-PZH_tnaQ5g2qxno8XWqpmDqnt2Usl-hjv_qNqE7vJqttSaVaNj4tpjDw2tfYXl66f/s1600/s-DSCN1763.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjPSR6FMTGlddFhs6GgkcX0dRSiFNqvc-XMxJbthAtNG5frvu6y8hgMb2sYdJJmgCza6h3Di2EYdD-PZH_tnaQ5g2qxno8XWqpmDqnt2Usl-hjv_qNqE7vJqttSaVaNj4tpjDw2tfYXl66f/s320/s-DSCN1763.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
川と洗濯物と馬に乗った老人。</div>
<br />
国道はぐんぐん高度を上げた。登る山はかなり高く、ついには雲の中にまで入ってしまった。さっきまでTシャツで走っていても平気だったのに、もうジャケットのジッパーを目いっぱい締め上げなければ寒くてたまらない。いよいよアンデス山脈突入ということか。南米大陸西部を南北に貫くこの山脈は、これから南米を下るにあたり長い付き合いになることだろう。<br />
<br />
最高到達点を過ぎ、道は徐々に下りになった。山中にある街をいくつか抜けながら標高を下げていく。眺める山々は濃い緑で、中米あたりで見てきた山の殺伐とした感じはどこにもない。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj48dMKxDXwoJ3sqsU3jyuqe_7rg6ihny8e9FrWMcN9XcDfbsgBZzjgRe9Q5-GB_z_D4NVBLzXvjmAkzEUX85kLRPqOXZXXamGKWzFcV2ZkRSQlkgHFThGpXTCreRtKU9ROidpKnH1kb7iF/s1600/s-DSCN1767.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEj48dMKxDXwoJ3sqsU3jyuqe_7rg6ihny8e9FrWMcN9XcDfbsgBZzjgRe9Q5-GB_z_D4NVBLzXvjmAkzEUX85kLRPqOXZXXamGKWzFcV2ZkRSQlkgHFThGpXTCreRtKU9ROidpKnH1kb7iF/s320/s-DSCN1767.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
いよいよアンデス。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjTAVjnvRuIcpOS3uuyiWiHbFyJ7O1rQKhJ9_flymoahR10_e5n9YV6Neuy2pJ9GybHZ_vtdcGwfLNAIRKiIY0oS-M5j6NpaynYGYcsBsjMCQMR4FK47brf0QZadFQymU77paKW6cE2ctNj/s1600/s-DSCN1771.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjTAVjnvRuIcpOS3uuyiWiHbFyJ7O1rQKhJ9_flymoahR10_e5n9YV6Neuy2pJ9GybHZ_vtdcGwfLNAIRKiIY0oS-M5j6NpaynYGYcsBsjMCQMR4FK47brf0QZadFQymU77paKW6cE2ctNj/s320/s-DSCN1771.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
山の中にいくつも街を見ることが出来た。</div>
<br />
道がいよいよ急な下りになったと思ったら、突然片側3車線の大きな幹線道路に豹変した。その変化は本当に突然で、それまでセンターラインも無いような陽の当たらない山道だったのに、少し開けた途端いきなりだ。こんな山の中で?狐につままれたような気分だったが、つまりは僕はメデジンの街に到着したということだった。<br />
<br />
メデジンは、僕の想像をはるかに越える街だった。両側を山に囲まれた谷に造られたそれは、赤レンガの家々が遠くの山肌にまでへばりつくように建ち、山の緑とのコントラストを際立たせていた。片側3車線の道は複雑に立体交差していて、街の中心には近代的なビルがそびえていた。<br />
カウア川で見たあのちいさな村とは比較にならない規模だった。それがコロンビア第二の都市メデジンだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjNXvLAriFwdEN8zhUxUeU481k3QtL_bccc6ZhsJhHb4USl79TxadtM2akrrmDaKSkMf-p4LS-tRH5kB9TxYQ6763KjxLjFZwT_AAdgXnCjXt2n3z-VVEgancVVGTr78DE4svloLRXZXG64/s1600/s-DSCN1773.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjNXvLAriFwdEN8zhUxUeU481k3QtL_bccc6ZhsJhHb4USl79TxadtM2akrrmDaKSkMf-p4LS-tRH5kB9TxYQ6763KjxLjFZwT_AAdgXnCjXt2n3z-VVEgancVVGTr78DE4svloLRXZXG64/s320/s-DSCN1773.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
山肌にどこまでも家が建つ。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguHBKqfKDWw3iXw6AlDX2_P8annZzJSlPyPGIykZN2-LlCy_jxjEz9wX9EG-SAUJC7FJZ346F8l_NOnp_A0T9X5nHCcieDRhIbyRh2EM79fw46apaDP6-0YDDbEVqQ2Gl07YAg6Uusn4UM/s1600/s-DSCN1774.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="320" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEguHBKqfKDWw3iXw6AlDX2_P8annZzJSlPyPGIykZN2-LlCy_jxjEz9wX9EG-SAUJC7FJZ346F8l_NOnp_A0T9X5nHCcieDRhIbyRh2EM79fw46apaDP6-0YDDbEVqQ2Gl07YAg6Uusn4UM/s320/s-DSCN1774.jpg" width="240" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ビルはとても近代的だ。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi1PJm_EndozAqD-ZrBs8Bu0EF_IJ4DIWeLqJ9iXP391EXZUb6fk9TFBlbiEPl_94FRCCdmkWw5XfI15Ec5gZHGJBeC1NKMwlCNAlfZbYKeRcZKokyNI5F1Nxd6tU-n7aMJw7UliPdwawj9/s1600/s-DSCN1778.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi1PJm_EndozAqD-ZrBs8Bu0EF_IJ4DIWeLqJ9iXP391EXZUb6fk9TFBlbiEPl_94FRCCdmkWw5XfI15Ec5gZHGJBeC1NKMwlCNAlfZbYKeRcZKokyNI5F1Nxd6tU-n7aMJw7UliPdwawj9/s320/s-DSCN1778.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
山の中の都市。</div>
<br />
おわり。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-35537473876078534042013-11-25T10:03:00.000+09:002013-11-30T16:19:15.455+09:00エル・ドラド vol.3ひとしきり子供たちと遊んで部屋に戻った僕は、宿に併設されたレストランに足を向けた。<br />
カルタヘナで両替したペソがかなり乏しくなっていたので今晩はおとなしく部屋でパスタでも茹でようかとも思ったのだけど、すっかり腹ペコだったからそれも億劫になってしまったのだ。といっても明日の事もある。財布の中身を計算すると、なんとか3500ペソなら使えそうだった。街の食堂は大体4000から6000ペソが相場。果たして3500で何か食べられるだろうか。<br />
<br />
レストランのセニョーラに3500ペソで何か食べられるものはありますか、と頼んでみる。すると彼女は僕をテーブルに着かせ、自分はキッチンへと入っていった。<br />
他に客らしきはいない。飲料用の冷蔵庫の上に置かれたテレビからはコロンビアの番組が流れている。レストランと言っても萱葺きのような屋根があるだけで、キッチン以外の三方は壁も無い。通行人どころか、猫やアヒルも店の中では我が物顔だ。<br />
<br />
牛肉のスープ、フリホーレス、トルティーヤ、米それにオレンジジュースが僕の前に運ばれてきた。温かいスープはさまざまな香辛料が効いていてともておいしかったし、何より腹一杯になる量がうれしかった。<br />
すべてを食べ終えてお金を払おうとすると、女性は僕の手から2000ペソしか受け取らなかった。それではあまりにも安すぎる。そもそも3500ペソでさえ足りないかもしれないのに。<br />
<br />
「いいのよ」<br />
<br />
女性は言ってくれた。僕は素直にその好意を受け取ることにした。<br />
<br />
「ありがとう。とてもおいしかったよ」<br />
<br />
そうは言ったものの、僕はなんだか自分が恥ずかしくなってしまった。確かに明日のことを考えると使える金はあまり無かった。3500ペソでは食べるものが無いと言われれば、素直にパスタを茹でるつもりだった。だけどまったく金がないというわけではなかった。それなのにあまり金が無いんだということを前置きして、どこかで人の親切を期待していたのではないか。そう思ったら恥ずかしくなってしまったのだ。<br />
<br />
旅なんて所詮自己満足以外のなにものでもない。貧乏旅行をしているのも自分のせいだ。そんな基本的なことに蓋をして、当たり前に親切を期待するようになったらお終いだ。いくら長旅をしていようと「金がない」は免罪符にならないんだよ、そう自分に言い聞かせた。何かの本ではないけれど、僕もこれからはそれを禁句にしようと思った。<br />
<br />
<br />
翌日の天気も上々だった。空に雲は浮かんでいるものの、雨の気配はどこにも感じられない。これなら今日も気分よく走ることが出来そうだ。<br />
部屋を片付け、バイクに荷物を積み込んだら部屋の鍵を返した。出発の準備はできたのだけど、一言レストランのセニョーラにお礼が言いたくて僕は足を向けた。女性は上機嫌で朝の準備をしていた。僕が昨日のお礼を言うと、<br />
<br />
「まだ時間あるでしょ?ティントを今入れるわね」<br />
<br />
といって昨日と同じように僕をテーブルに着かせた。そして目の覚めるような甘いコーヒーを持ってきてくれた。<br />
行き交う車を眺めながら熱くて甘いコーヒーをすすっていると、なんと今度は朝食まで運んできてくれた。それもまた腹いっぱいの量で。驚く僕に、<br />
<br />
「たくさん食べてね」<br />
<br />
セニョーラは微笑んだ。僕はありがたくいただくことにした。胃袋と一緒に胸の中もいっぱいになった。何度もお礼を言った。金なんてきっと受け取ってくれないことは分かっていたから、何度もお礼を言った。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiElWbB8yDu9GIlffZbKdd3aaXygw4gbGZT81on5CNzkdRw8OawI84j2Lz_wXTf0T_1xyTjlgaj-QS0v18dswMOUdlHBhBtB3D5qSZg6vky2re8wgysIOjaUZIsNKvaW5vsHpE4VlxcKPaw/s1600/s-DSCN1735.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiElWbB8yDu9GIlffZbKdd3aaXygw4gbGZT81on5CNzkdRw8OawI84j2Lz_wXTf0T_1xyTjlgaj-QS0v18dswMOUdlHBhBtB3D5qSZg6vky2re8wgysIOjaUZIsNKvaW5vsHpE4VlxcKPaw/s320/s-DSCN1735.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
ありがとうセニョーラ。 </div>
<br />
今日の天気も上々だった。僕は、メデジンに向けて最高に気分よく走り出すことができた。<br />
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-380912314253254689.post-25310461737212276382013-11-24T15:09:00.001+09:002013-11-24T15:25:45.636+09:00エル・ドラド vol.2メデジンを出たその日、どこか適当な場所で野宿でもしようかと思いつつ、結局街外れに宿を確保した僕は、翌朝の青い空に今日も暑くなることを期待しながらバイクにまたがった。<br /><br /><br />昨日の夕方は散々だった。朝から走り出してずっと雲ひとつない空を見ることが出来たから、適当な場所を見つけて適当に野宿でもしようとお気楽な考えでバイクを走らせていた。しかしそんなときに限ってうまくいかない。<br />国道沿いにはテントが張れそうな場所をいくつか見つけることができたのだけど、どれも見通しが良すぎてどうにも落ち着かないのだ。ずっと奥に行けば隠れることはできるのだけど、そうすると今度はテントを張れなくなってしまう。手前か奥か。奥か手前か。何度もわき道に入ってみては首をかしげ、決め手に欠いたままでいた。<br /><br />国道沿いにオスペダヘを見つけたのは、夕焼けが今にも地平線に吸い込まれるかという頃合だった。街に入る手前、民家がぽつりぽつりと建ち始めたころにそれはあった。国道に向かって掲げられた看板だけが頼りで、建物は至って簡素。コンクリートの箱をそのまま大地に乗せただけのように見えた。<br />それは部屋の中も同様で、四角四面でじめじめした室内は窓さえない。しかし個室で12000ペソは安かった。さらにあっさりと10000ペソまで値段が下がったのだから二つ返事だ。<br />だって昨日までヘンスとふたりで部屋をシェアしていたにもかかわらず、ひとり20000ペソ払っていたのだ。約6ドルでベッドとシャワーが手に入るのなら、窓がなかろうが気にならない。<br /><br />宿の主人であろうオヤジは上半身裸で受付をしてくれた。日本ならあり得ない事かもしれないけれど、こうも暑い国ではそれが当たり前のように思えるから不思議だ。<br />バイクは裏の駐車場に、そしてほとんど空いている部屋はどこでも好きに使って良いと言われたから、遠慮なく大きめの部屋を選んだ。どの部屋もトイレと水シャワーが付いていたけど、まぁお世辞にも綺麗とはいえない。もちろんそれ以上は望んでいない。安全に一晩寝られるなら、日中にかいた汗を水で流せるなら、それだけで10000ペソの価値はある。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjfLHsFSTeMNY4tEcQ3rChyUgmM_Uu16spBvRkQgJpCkEgVB7O6A_2nEJunKr_B4AINcbfTo6S_oTLvdlZhe7zSGwq6J8eCJ65UZf6zMipXwnCeyMIWIPSbG8rq_HIFWA7vCvMEsl_dDa0d/s1600/s-DSCN1687.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjfLHsFSTeMNY4tEcQ3rChyUgmM_Uu16spBvRkQgJpCkEgVB7O6A_2nEJunKr_B4AINcbfTo6S_oTLvdlZhe7zSGwq6J8eCJ65UZf6zMipXwnCeyMIWIPSbG8rq_HIFWA7vCvMEsl_dDa0d/s320/s-DSCN1687.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
こんな宿に寝ています。</div>
<br />
8時半には走り出した。天気はこの上なかった。太陽はもうすでに昇りはじめ、陽射しは余すところがない。ぎゅっと目をつぶると、太陽はまぶたの裏で紅く染まった。<br /><br />給油のためにガソリン・スタンドに立ち寄ったのは10時過ぎだった。昨日は一度も給油せずに走ったから、そろそろ頃合だ。いくら燃費のいいイーハトーブと言えど、ガソリンを入れないバイクはただの鉄の塊だ。<br />ガソリンが思いのほか高いコロンビアだから(これまでの国で一番だ)、ハイオクはやめてレギュラーを入れようかなどと考えていたものの、実際田舎のガソリンスタンドにはそもそもハイオクなどなかった。誰もが一様にレギュラーを給油するしかなかったのだから要らぬ心配をしたものだ。<br />それにしても1ガロンで8800ペソは、4リットル弱で5ドルということになる。この国の物価から考えればかなり高い。<br /><br />給油を終えたら店の隅で休憩を取らせてもらった。段差に腰を下ろして地図を広げる。のんびり走るにはこの上ない天気だったが、昨日走った寸分とこの大陸の大きさを照らし合わせると、必然的に複雑なため息が出てしまう。地図ではカルタヘナからわずか数センチも進んでいない。だけどこの大陸は一度に地図を広げることが出来ないほどだ。ため息には、喜びと憂いが等しく混ざり合っていた。<br /><br />「ティントはどうだ?」<br /><br />そう言ってくれたのはバイクに給油をしてくれた店員だった。コロンビアではコーヒーのことをティントと呼ぶ。もちろんカフェと言っても通じるのだけど、ティントの方が一般的だった。<br />彼は店の中に入ると小さなカップにティントを注いでくれた。カルタヘナでもそうだったのだけど、小さなカップで飲むのがコロンビア流らしい。カップに注がれた褐色の液体はやはりというか顔をしかめるほど甘かったけど、豆の味は良いものだった。<br /><br />そのまま街の中を抜るように走った。街はどこにでもあるような小さな田舎街で、国道だというのに信号ひとつ見当たらない。道の両側には店や屋台がならんでいて、バイクや車が走り抜ける中をのんびりと馬車がひづめの音を響かせていた。カルタヘナほどの都市ではさすがに馬車を見ることはなかったが、田舎では馬車を多く見る。まだまだ人々の足、道具として現役だ。そののどかな風景に、こちらまでのんびりした気分にさせてくれる。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhP8FfdNfiGQzQiwTBnx6P0OP9UXWorPOckKYuQc2IYqvQCrbXp0oSGtJBOHkLd9OSnrXcg5M0wHwRzDJ06jGQCsUQjgnFDSxGHdiuO0pWIPcsHwKAJetIErOsDfIwYZ_qeRZpKqZelIDT2/s1600/s-DSCN1690.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhP8FfdNfiGQzQiwTBnx6P0OP9UXWorPOckKYuQc2IYqvQCrbXp0oSGtJBOHkLd9OSnrXcg5M0wHwRzDJ06jGQCsUQjgnFDSxGHdiuO0pWIPcsHwKAJetIErOsDfIwYZ_qeRZpKqZelIDT2/s320/s-DSCN1690.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
あまいティント。<br />ごちそうさま。</div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgoL6AWNMvd1wOJrTnrI5vgkfSKoYHrLz_jHse7YMh7S96l_Eb163iUiBdrFgupZRyWo6lYpSQKz81Ac0PSelUx9GFH5vC_SxWgFfPVundo5U6u4PSMeJ_ggT4qvujZwbfAbnGNlXsR_kki/s1600/s-DSCN1693.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgoL6AWNMvd1wOJrTnrI5vgkfSKoYHrLz_jHse7YMh7S96l_Eb163iUiBdrFgupZRyWo6lYpSQKz81Ac0PSelUx9GFH5vC_SxWgFfPVundo5U6u4PSMeJ_ggT4qvujZwbfAbnGNlXsR_kki/s320/s-DSCN1693.jpg" width="320" /></a></div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEinFw5yyBEYv907SUUajVNZyYK76SWvHwJ_HArM307uHE8kveyLDRcyZZYnuZ0K2qpyeR3OuiOB3wsLGNhoZCcUrYJKWSSzvUVTOHTiCyYHQGuou-tC0QdGO-8y5YwIE_Ze_nWyaaW9A3qC/s1600/s-DSCN1694.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEinFw5yyBEYv907SUUajVNZyYK76SWvHwJ_HArM307uHE8kveyLDRcyZZYnuZ0K2qpyeR3OuiOB3wsLGNhoZCcUrYJKWSSzvUVTOHTiCyYHQGuou-tC0QdGO-8y5YwIE_Ze_nWyaaW9A3qC/s320/s-DSCN1694.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
馬車はとてものんびり。 </div>
<br />大きな橋を渡った。眼下には茶褐色の川が流れ、橋の両側には大きなナマズを売る店が軒を連ねていた。店先には何匹ものナマズが口を開けてぶら下がっている。カルタヘナを出て2日目。道はすっかり内陸を走っていたから、川で捕れる新鮮なナマズは、この辺りに住む人々にとって貴重な食料なのかもしれない。僕はこれまでナマズを食べたことはなかったけれど、特に食べたいとも思えなかったので、ふーんと鼻を鳴らしただけでその場に止まることもなく通り過ぎた。<br /><br />道はやがてその川沿いに走るようになた。カウア川だろうか。両脇は山に囲まれ、流れが速い。やはり水のあるところには生活があるようで、民家がぽつりぽつりと途切れることなく続いた。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgfyaVBKLZ3HXOnqNsRVMzsI1yOYmAHnjSvqt23mLHjfuVjkcBnlu2ardNdPZPuIcpzeg92-CwswI-VGPVykJGrIgFgn4-Vpw9V1kKGjEfVcKcKOB_E2_nKBtBaP5GrBqst6lDXrH5rJqMW/s1600/s-DSCN1712.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgfyaVBKLZ3HXOnqNsRVMzsI1yOYmAHnjSvqt23mLHjfuVjkcBnlu2ardNdPZPuIcpzeg92-CwswI-VGPVykJGrIgFgn4-Vpw9V1kKGjEfVcKcKOB_E2_nKBtBaP5GrBqst6lDXrH5rJqMW/s320/s-DSCN1712.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
川沿いを走る。</div>
<br />川沿いに見つけた宿は小さな部屋ながらも清潔感があり(やはり窓は無かったが)、値段も15000ペソを13000ペソに下げてくれたために手ごろだった。時間は16時半と少し早い気もしたが、メデジンまで残すところ180kmとなれば遠くは無い。なにより宿の裏に流れるカウア川が良かった。ナマズがたくさん捕れる川。荷物を部屋に入れシャワーで汗を流したら、早速川が見たくなって散歩に出た。<br /><br />さて、どうやったら川原に下りれるだろう。そう思って宿を出ると、間髪いれずに地元の子供たちに捕まってしまった。瞬間に質問攻めだ。ひとりの子に手をとられては、民家の前に連れてこられた。そしてあっという間に7、8人に囲まれてしまった。家の前では椅子を並べて地元の人々が談笑していた。夕涼みといったところだろうか。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEidWdGNuPnvwyfml1u1Jlp7jL9qqF2idByB1LdxZ3-rq_KSaBZ1QCN4RwTtDxH7xF3WnfNvzVN027QivcJlOkpqltkTyWRoTH4GemwJN1vp3eHWiRUGTmv9FBTgFIWJqTaRXw4b7VGm7_lO/s1600/s-DSCN1730.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEidWdGNuPnvwyfml1u1Jlp7jL9qqF2idByB1LdxZ3-rq_KSaBZ1QCN4RwTtDxH7xF3WnfNvzVN027QivcJlOkpqltkTyWRoTH4GemwJN1vp3eHWiRUGTmv9FBTgFIWJqTaRXw4b7VGm7_lO/s320/s-DSCN1730.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
夕涼み。</div>
<br />
少し話をしたところで僕は子供たちに、<br /><br />「どこか川を良く見られる場所はないかい?」<br /><br />と尋ねた。子供たちは、これは自分たちの使命だ、と言わんばかりに元気に歩き出した。国道を横切り、民家の軒下をくぐり、庭をつき抜け、道も無いバナナ林の中を跳ねるように下っていった。その先に小さくできた砂の岸があった。<br />なるほどここなら川が良く見える。川の流れは思いのほか速く少し怖さを感じるほどだが、確かにいい場所だった。迷うそぶりも無くまっすぐにたどり着いた感じから、きっと子供たちの遊び場所なのだろう。そんな秘密基地に連れてきてくれたことがうれしかった。<br /><br />「写真を一枚撮らせてくれないかな?」<br /><br />カメラを向けた子供たちの笑顔はとても明るく、ちょうど夕焼けが始まった空はなんともいい感じだった。<br />
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhwKpu2XEY8Eg2v8ljZr0wV08KBwzZqOnvuVNws9N2Rew-iTvbYJ9rTBzwgBFZ6dvv1aOSuKPIXRgL_erTPcpTfUDeFK3PVhNm3-W3-KuCfQkMTtvLGmxGKnRX6DSyHVed0Nnb74EfzJbLP/s1600/s-DSCN1719.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhwKpu2XEY8Eg2v8ljZr0wV08KBwzZqOnvuVNws9N2Rew-iTvbYJ9rTBzwgBFZ6dvv1aOSuKPIXRgL_erTPcpTfUDeFK3PVhNm3-W3-KuCfQkMTtvLGmxGKnRX6DSyHVed0Nnb74EfzJbLP/s320/s-DSCN1719.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
バナナ林を抜けて。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhRyfYQ6LLTIwEoALcqgGUS0q3Be1zUt3cKNAXQqNHb-VhWlygOLpXECTGvMkxreUjlQIZq9Mpz6s5TOIPA9nRVmzOQWNBix0ccuBKZD2Xvo88_9Pa7AWa78PbF7ogB5FlUrk5oCLwSbvtW/s1600/s-DSCN1724.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhRyfYQ6LLTIwEoALcqgGUS0q3Be1zUt3cKNAXQqNHb-VhWlygOLpXECTGvMkxreUjlQIZq9Mpz6s5TOIPA9nRVmzOQWNBix0ccuBKZD2Xvo88_9Pa7AWa78PbF7ogB5FlUrk5oCLwSbvtW/s320/s-DSCN1724.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
カウア川の夕焼け。 </div>
<br />
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
</div>
<div class="separator" style="clear: both; text-align: center;">
<a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh_VSQWj-X9khtCjjvR9i0Y_kioOe2nKIH_mwJ6arBrLa43X3pqZ2Wog6WJpCiZIVEFGrLUvvKRbWj3_VQP2tRUChZJpZn8I5sgWcSxYC-ByQOOoupO4FJLKr1PrPDc1AEFyHIBBHwzW7-b/s1600/s-DSCN1720.jpg" imageanchor="1" style="margin-left: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" height="240" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh_VSQWj-X9khtCjjvR9i0Y_kioOe2nKIH_mwJ6arBrLa43X3pqZ2Wog6WJpCiZIVEFGrLUvvKRbWj3_VQP2tRUChZJpZn8I5sgWcSxYC-ByQOOoupO4FJLKr1PrPDc1AEFyHIBBHwzW7-b/s320/s-DSCN1720.jpg" width="320" /></a></div>
<div style="text-align: center;">
秘密基地と子供たち。</div>
<br />
つづく。ナカ~タhttp://www.blogger.com/profile/12705282152645576174noreply@blogger.com0