2013年10月12日土曜日

グラン・コロンビアへようこそ vol.2

早朝の桟橋に集まったのは5人のバイク乗り。ボートでコロンビアに入国したその翌日で、バイクの通関作業を行うためだった。

集合時間の7時には全員が揃っていた。幾分早い集合時間だなと思ったが、いよいよバイクを陸に上げるという段階なのに、やはりボートは沖に停泊させたままなのがその理由のようだった。コロンビアの港は基本的に軍の支配下にあるようで、簡単にボートを桟橋につけられないらしい。

いったいどうするのかと思ったら、ゴムボートで1台づつバイクを渡すようだった。ウインチでバイクを吊り上げてゴムボートに乗せたら、バイクの持ち主がそれにまたがって押さえ、そのまま桟橋まで移動し、あとは数人の男たちが人力で桟橋まで持ち上げる、というなんとも力技だ。確かにそれはでは時間がかかる。

きっと今までもこの方法でやってきたのだろうが、万が一がないとも言えず、もしバイクが海に落ちでもしたら大変なことだ。考えただけでぞっとするので、そのことを考えないようにして作業を進める。僕の愛車は乾燥重量で100kgを切るほど軽量なので、作業は至って簡単だったのだけど、他のビッグバイクはその倍以上の重さがあるため、一連の作業にかなり骨を折っていた。

ゴムボートにバイクを乗せて、

そのまま桟橋まで。

桟橋近くの税関に全員が集合したのは9時にもなっていたのだけど、そこからさらに3時間、すべての通関作業が終わるまで待合室でひたすら待つこととなった。太陽が高くなるにつれ気温も上がる一方だったので、空調の効いた待合室は非常に過ごしやすいとはいえ、何もない待合室での3時間はその倍以上にも感じられた。

通関作業が終わり、ペルミソ(一時輸入許可証)を受け取ったら昼食をはさんで近くの保険屋へ出向いた。
しかしその保険屋では1年間からの保険しか扱っておらず、おかげで保険料が高かった。僕を含め他のバイク乗りたちもそんなに長い期間は必要としない(そもそも人間が90日の滞在しかできない)。一旦宿へ戻り、バイクを駐車場へ入れ、皆で歩いて街中の保険屋を探すことにした。

やっと通関を終えて。

午後の一番暑いさかりの中、汗だくになりながら街を歩き回り、何件目かの保険屋でやっと3ヶ月間の保険を取り扱っている店を見つけることができた。しかしドルでの支払いが出来ず、コロンビアペソを多く持っていなかった僕はその場で加入することが出来なかった。
結局手続きは明日に持ち越しとなり、手続きを進める皆を横目にひとり宿に帰ることにした。朝早くから行動していたにもかかわらず、時計を見るともうすでに16時をまわっていた。

翌日、宿を移ることにした。新しい宿は今居る宿から角をひとつ曲がった場所にあるホステルだったのだけど、同じ値段でありながら部屋が広く、なによりパティオ(中庭)にバイクを入れることが出来た。駐車場は宿代とは別に1日5000ペソ必要だっただけにこれはありがたい。同じボートに乗っていた他のバイク乗りも皆この宿に居るようだった。

部屋に荷物を運び、パティオにバイクを入れたら保険屋に向かった。途中銀行でトラベラーズ・チェックをコロンビアペソに両替すると、銀行の前でイクちゃんにばったり出会った。散歩中だという彼女とふたりで保険屋まで歩く。
保険は90日分で81000ペソ(約45ドル)だった。いささか高い気はするが、コロンビアは保険の加入が必須。手にした保険証はなんとも頼りない紙切れ一枚だったが、これで晴れてコロンビアを走れることは喜ばしいことだった。

つづく。

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