2013年10月4日金曜日

バイク輸送情報 アルゼンチン(ブエノスアイレス)~日本(成田)

長い旅を無事に走りきってくれた愛車ですが、帰国前に待ち構えるもう一仕事。それは「バイクを日本に持ち帰る」というものです。

長期で海外ツーリングを楽しむ人は、僕を含め大抵は日本からバイクを持ち出しています。やっぱり自分のバイクで走りたいという気持ちはありますよね。
で、海外に持ち出す際、基本的には「一時輸出」という形をとって持ち出します。旅が終わればいずれ日本に帰国するので、持ち出すとき(輸出)も、持ち込むとき(輸入)も、関税を払わずに済ませたい。それを実現するのが「一時輸出」というわけです。これであれば関税を払わずに済みますが、「一時」という名がつくおかげで、旅が終わったら日本へ「再輸入」をしなければいけません。よく「海外で売ってしまったら?」と言われましたが、輸出時に関税を支払わずに持ち出しているのでそれができないのです。

一度ペルーでバイクが故障したときにJAFのカルネ担当の人に相談したのですが、壊れた状態でもいいのでなるべく現状のまま日本に持ち帰ってくださいと言われました。一瞬旅の中断さえ頭をよぎりました。その後無事にバイクが直ってくれてまた走り出すことが出来ましたが、日本に持ち帰るという制約はよほどのことがない限り守らねばならないようです。

ということで、最終的に到着したアルゼンチンのブエノスアイレスから日本にバイクを輸送することにしました。ブエノスアイレスはご存知の通りアルゼンチンの首都、大都会です。大きな国際空港もあるし、海に面した都市なので港もあります。港があるなら貨物船が出てるだろうし、きっと日本航路もあるだろう。そんな軽い気持ちでいたのですが、なかなか手ごろな貨物船を見つけることが出来ませんでした。なので結局空輸することにしました。

お願いしたのはダカール・モト(www.dakarmotos.com)というところ。オフィスはブエノスアイレス市郊外にあり、ヨーロッパ出身のご夫婦が経営しています。バイクの販売、修理がメインのようですが、宿泊施設もあり、他国への輸送(空輸のみ)も受け付けています。英語対応してくれるし、ヨーロピアンのバイク乗りが多く利用しているようでした。

さて、空輸すると決まれば話しは早かったです。ダカール・モトのオフィスで予約した日から数えて4日目にバイクは空を飛びました。貨物船とはえらい違いです。梱包も簡易梱包(バイクをパレットに載せて巨大なラップでぐるぐる巻きにするだけ)なので、船のように木箱に入れる必要もありませんでした。空港の税関まで走って行きその場で梱包。大変らくちんです。

主な流れはこんな感じでした。

1日目
ダカール・モトのオフィスで受付。空港での作業手順、税関、保税倉庫の場所を詳しく教えてくれます。ダカール・モトへ手付金100USドルもしくは800アルゼンチンペソを支払います。所要時間は1時間くらい。

2日目
空港の指定場所へ10時半までにバイクを持ち込みます。もちろん自走です。一緒に梱包するものも持っていきます。僕はヘルメット、ウェア、スペアパーツ、工具、予備タンク、サイドバッグ、タンクバッグを一緒に同梱しました。ダカール・モトでの説明ではキャンプ道具や個人の持ち物は同梱できないとされていましたが、実際バッグの中身を確認することもなかったので、これらを入れても問題ないと思います。キャンプ道具を持ち帰るのも大変ですからね。
その後は保税倉庫へ移動し、バイクを梱包します。梱包サイズによって運賃が変わるので、僕はハンドルとフロントタイヤ&フェンダーを外しました。面倒ならそのままでも大丈夫です。タンクに入ったガソリンを抜き、バッテリーの端子を外します。梱包は係りの人が行います。作業は1時間半くらいで終わりました。
あとは通関作業が終わるのを待ち、空港からシャトルバスに乗って街へ戻りました。夕方ダカール・モトから輸送の総費用の連絡がきます。

こんな感じで梱包されていきます。

3日目
ブエノスアイレスのセントロにあるNAVICONという会社のオフィスへ行き、輸送費を支払います。オフィスで説明を受けたあと、指定の銀行で支払いをします。僕の場合の総費用は1651.76USドルもしくは8902.99アルゼンチンペソ。このときのアルゼンチンは闇両替(公定レートよりずっとレートが良かった)が出来たので、手持ちのドルを闇両替でペソに変えてから支払うと、1000ドルちょっとで済みました。この差は大きいですね。支払いが済んだら必要な書類(AirWayBill)を受け取ります。

4日目
バイクが日本へ向けて出発。

以上でアルゼンチン側での作業は終了です。貨物船に比べるととてもあっさりですね。

あとは日本側での受け取りですが、こちらも1日で済みました。送り先は成田空港なので、到着連絡を受けたら空港の貨物地区へ出向き、受付(僕の場合はユナイテッドカーゴでした)を済ませ、税関で通関作業をしました。

税関では輸入申告所の書き方が分からずに困ってしまいましたが、税関職員の方が親切に教えてくれたので問題ありませんでした。バイク本体の検査も、
「輸出時と特に違ったところはありませんか?」
「ありません」
あっさり終了です。
といっても検査員は輸出時の状態を知らないので仕方ありません。同梱した荷物も同様にあっさりと検査を通りました。いくらバッグを引っ掻き回したところで、出てくるのは長旅で薄汚れた道具ばかり。個人装備の範囲ならなんら問題なさそうです。
かかった費用は横持ち料や所在地証明書発行手数料(400円分の収入印紙が必要)をあわせて6559円でした。

あとは保税倉庫の片隅を借りてバイクを組み立て、日本のナンバーに付け替えれば一件落着(パレットやその他のゴミはユナイテッドカーゴの職員さんが無料で処分してくれました)。さらに空港内にガソリンスタンドがあるのですぐに走り出せます。

無事に帰国した愛車。組み立て中。

バイクの個人輸送は骨の折れる作業ではありますが、どの大陸間においてもその道が用意されているので、やはり情報収集と自分のやる気次第だと思います。
大雑把な説明でしたが、これから海外ツーリングをしたいと思っている人の役に立てたならうれしいです。

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