気温 7時 14.4度
18時 16.1度
以下は昨日のデータ。書き忘れ。
天候 曇りのち雨
気温 7時 13.3度
18時 15.5度
何もかもが濡れていた。
かろうじてビニール袋に入れていた電子機器だけは大丈夫だったが、それ以外に乾いたものを探すことは出来なかった。見渡す限りの物が濡れていて、それはもちろん僕を含めてだった。
雨と風は夜になって強さを増し、テントを襲った。いくらガード下と言えど、横殴りの雨には無防備だった。テントの中は見事に浸水し、全ての荷物が濡れた。今まで寝袋だけは濡らさないようにしてきたが、それさえもついに濡らしてしまった。
6時20分。起床。目を覚ました僕は現実を受け入れられず、呆然としてしまった。あらゆるものが濡れていたからだ。なんて事だ。がっくりと肩を落とし、出るのはため息だけだった。
昨日の行動を思い起こす。何がいけなかった?朝起きてから寝袋に包まって寝るまでに、幾つもの岐路があったはずだ。雨が降りだした時。暗くなった時。天気図で、前線が通過するために雨が強まりそうたと知った時。テントを張る時。その他たくさん。その時その時で目の前にある選択肢からどれかひとつを選ばなければならない。僕が昨日選んだ道は、あまりいい道とは言えなかったようだ。経験値を上げるということは、幾つもある選択肢の中からよりベストなひとつを選べるようになるという事だと思う。まだまだだな。自分が少し情けなくなった。
7時30分。出発。朝食もそこそこに、濡れた荷物をバックパックに押し込んで歩き出す。雨ざらしで重く濡れた靴を履くと、気分まで重くなった。
もう明後日までに京都へ到着することは無理だろう。歩きながら何度もため息をつき、僕はやっとその事実を認めた。例え昨日あと10km進んでいても、例え朝荷物が濡れていなくても、きっとそれは無理だったのだ。心の片隅で気付いていたのに、それを認めたくなかった。頑張るために、否定し続けていただけだ。最後に残っていた糸を、雨ざらしの冷たい靴が断ち切った。足が、なかなか前に進まなかった。
10時00分。西の空から青空が広がり、ついに太陽が顔を出した。藤川の公園に店を広げ全ての荷物を乾かす。乾かさなければとてもじゃないが今日の夜にテントを張れない。強い日差しが水分を吸い取るように、濡れた荷物はみるみる乾いていった。
14時00分。全ての物を乾かし、再出発。しかしすでに昼を過ぎている。すっかり気力を失った僕は、とぼとぼと藤川の町を歩いた。
15時45分。道に迷う。気付いたら国道1号より3km南にいた。自分で自分を笑うしかなかった。泣きっ面に蜂とはこのことか。
昨日の雨とは打って変わり、日差しがきつく、歩いていると汗が出た。もう分かりにくい旧道を歩くのが億劫で、国道1号をひたすら西へ向かった。
18時30分。空が暗くなった。安城市に入り、見つけた神社にテントを張った。今日はもう遅くまで歩く気力がなかった。とにかくゆっくり眠りたかった。
夕食を作るのも放棄し、ビスケット数枚とコーヒーを口にしたら、早々と寝袋に包まった。もう何も考えたくなかった。何を考えても、自分が情けなくなるだけだった。
よく乾かした寝袋はふかふかで、日向の匂いがした。そのことに少しだけ救われた気分になった。
今日の歩行距離約20km。
今日の通過宿場町
藤川宿
岡崎宿
残り宿場町数15
写真1
やっと晴れた。ありがたい。
写真2
太陽の日差しを借りて、全ての荷物を乾かした。