大型のホステルだから共有スペースが多く、パティオ(中庭)も広くて明るいのだけど、その分宿泊者は多い。多くの欧米人はやっぱり夜型だから、夜はパティオで大ダンスパーティーなんてことも。陽気な雰囲気が好きならいいのだけど、夜ゆっくり寝たい人には向いていないかもしれない。
ボゴタは首都だけあって大きな町だった。通りの往来は多く、蛇腹式の連結バスが縦横無尽。大きな協会がいくつもあって、その前には広いソカロ(公園)がある。町を歩いていてもその大きさがわかるのだけど、モンセラーテの丘に登るとそれが一目で実感できた。
丘は町の東側、旧市街のすぐ裏にあった。山麓から山頂までロープウェイが走っているけど、駅のわきには遊歩道が整備されているので、歩いて登ることもできる。治安がよくないので遊歩道は危険だと聞いたけど、日中なら多くの人が行き来しているので、危険を感じることはなかった。それどころかすれ違いざまに誰もが「オラ」と陽気にあいさつをくれるので、清々しいくらいだ。ただ、なかなかの階段なので、疲れる。
約1時間の登りで頂上へ到着すると、ボゴタの街並みが眼下に開けた。それは大きな盆地に広がっていて、その広大さに、ここが標高2600mにある町だということを忘れてしまう。なんたって富士5合目よりも高い。
さらに頂上には白壁の、天に十字架を掲げた協会があった。
「へぇ、協会まであるんだ」
てっきり展望台があるだけと思っていただけに、驚いた反面、なるほど町を見下ろせる頂きに協会があるというのは自然な感じもする。
登りきったご褒美。
広大な盆地にボゴタの町が広がる。
広大な盆地にボゴタの町が広がる。
山頂にあるとは思えないほどの協会。
遊歩道をのんびり下って帰る。
ロープウェイならあっという間かな?
ボゴタにはいくつかの博物館があって、それらを数日かけて見て回ったりもした。もともと無料の博物館もあるが、ありがたいことに日曜になると無料開放される場所もある。国立博物館や、人気の黄金博物館でさえ、日曜日は無料開放されるという太っ腹ぶり。さすがに日曜日は来場者が多いので、ゆっくり見たいという人は入場料を払って平日に来た方がいいかもしれないが、ボテロ博物館、紙幣博物館、黄金博物館、国立博物館、これだけ回ってもまったくお金がかからないというのだから、旅人にはうれしい限りだ。
黄金博物館。
日曜日は開館前から行列ができていた。
興味深い展示を楽しめる。
昔の人はどんな思いでこれを作ったのだろう?
首都は大抵つまらない、なんて思っていたのだけど、何かが僕の心の琴線に触れたのか。ボゴタはとても雰囲気のいい町だった。博物館も見て回ったし、丘に登って景色も楽しんだ。だけど町を歩いているだけで楽しかった、というのが一番だったように思う。
「いい町だったな」
ぼちぼち出発しようと荷物をまとめた日の朝。バイクに荷物を積み終えたはずなのに、その場で荷物をほどくことになろうとは、まさか思ってもみなかった。
つづく。
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