そもそも個人が中古のバイクを他国に輸入すること自体が厄介な作業であるのに、アメリカの同時多発テロ以降、北米ではそれがとても厳しくなったようです。ご多分に漏れず、僕もその洗礼を受けました。
まだ梅雨にもなる前です。僕はいくつかの運送会社に問い合わせをしました。誰もが耳にしたことがある大手企業もあれば、個人でやっている小さな会社もありました。メールで問い合わせをしたり、電話で問い合わせをしたり。
「北米は今とても厳しい状態ですので、そのようなご依頼はお取り扱いできません」
そんな返答も多々ありました。それでもメールを出した大手企業のひとつから、僕の携帯電話に連絡がきました。対応は早かったです。
しかしスケジュール表はもらったものの、見積もりはいつになっても送られてきませんでした。もうひとつの大手企業とも、平行でメールのやり取りをしていましたが、こちらはガス抜き証明や該非証明が必要(そんな話は聞いたこと無い)だと言い、やはり見積もり依頼に対する返事はなかなか来ませんでした。小さな会社に到っては、のれんに腕押しでした。
そんな状態だったので、梅雨に入る頃には徐々に雲行きが怪しくなってきました。
それでもなんとか先の会社から見積もりが送られてきました。やっとです。やっと。よし、これで先に進むことができるぞ。
安心したのも束の間、その見積もりを見てさらに肩を落とすことになりました。なぜなら金額欄に30万円という途方も無い数字が並んでいたからです。
なんだよこの金額は!
憤慨しました。とはいっても他社はもはや見込みがありません。僕はバイクのハンドルやフロントタイヤを外して梱包サイズを小さくするから、なんとか安く送れないか?と聞いてみました。しかしいくら小さくしても安くなるのは数万円。
どうしよう。このまま30万を払うか、新しく他の会社を探すか。どちらかを選択しなければなりませんでした。しかも他の会社を探すとなると、予定していた出国日を延ばさなければなりません。
それでも、僕は他を探しました。やはり30万円は払いたくなかったのです。
知人の勧めでジャパンエクスプレスという会社に打診しました。電話で直接問い合わせたのですが、拍子抜けするほど対応が早かったです。今までの難航振りがうそのようでした。僕のスケジュールに合わせて輸送可能な船を3つ提案してくれ、その中からひとつを選ぶと、すぐに見積もりが送られてきました。僕はその見積もりを見て、安堵のため息をつきました。先に見積もりをもらった会社と梱包サイズはほとんど変わらないのに、その金額は12万と1/3ほどだったからです。
すぐに話を進めました。出港日や通す税関を決め、梱包業者を教えてもらいました。
8月30日。
バイクを梱包業者に引き渡しました。タンクとキャブレターからガソリンを抜き、バッテリーの端子を外し、ナンバープレートを国際用に付け替え、車に載せて横浜の大黒ふ頭まで持ち込みました。カルネに載せたスペアパーツやテント、寝袋、ヘルメットなども一緒に梱包してもらいます。もちろんハンドルを外し、梱包サイズを抑えたのは言うまでもありません。
8月31日。
出来上がったカルネと他の必要書類を提出しました。これがないと日本の税関を通せないためです。
9月10日。
通関を済ませ(僕は一切ノータッチ)、横浜港から出航。
9月14日。
正式な輸送費用が言い渡されました。最初の見積もりよりもハンドルを外して梱包サイズを小さくしたので、9万円でおつりがきました。30万円とは天と地です。
9月22日。
バンクーバー港に到着予定です。僕もその日にバンクーバーに到着するので、自分が先か、バイクが先かという感じでしょう。もっとも荷物の積み下ろしに時間がかかるため、バイクが保税倉庫に入るまでには数日かかるかもしれません。
現地で税関を通し、保険に入れば晴れてバイクに乗ることができます。到着から乗り出しまで何日かかるかわかりませんが、あせっても仕方ないのでバンクーバーの観光がてら、のんびり構えるとします。
写真1
梱包業者に引き渡し。とてもあっさり。
写真2
横浜港からバンクーバー港に向けて。
Oh~! ジャパンエクスプレス!!
返信削除何気に、よく聞く社名ですが、
バイクの海外輸送までやってくれるなんて、
根性の入ったよい会社ですね!!
いよいよ、明日から(?)スタートするんですね!
多少は無茶しても、五体満足で楽しんできてください!!
Good Speed!!
なんかその世界では老舗的存在みたいですよ、
返信削除ジャパンエクスプレス。
僕も初めからあたっていれば、
もうちょっとすんなり事が運んだのでしょうが、
まぁこれも経験ですね。
いよいよ明日出国します!