2009年11月14日土曜日

挑戦なんて言えない

今回の旅はちょっとした挑戦だ。

真冬に歩くのだからそれもそうだ。馬鹿げていると言われるかもしれない。無謀と言われればその通りである。でも、あえて冬だった。なにかタフなことをしてみたかった。「挑戦」という言葉を使うのはちょっと恥ずかしいのだけど、あえて言うならそういうことだ。

2年間のバイク旅も、出発前はそんな気持ちがあった。125ccのトライアルというバイクを選んだのもそんな気持ちの表れだった。バイクで日本を一周するということは、結構大変なことだと思っていた。でも僕の期待を裏切って(それは良い意味での裏切りでもあったし、良くない意味での裏切りでもあった)、それほどタフな旅にはならなかった。
もちろん雨の日の走行にはうんざりしたし、野宿の夜、寒くて寝られない日もあった。寝床が決まらずさ迷ったこともある。だけどそのどれも大して苦にはならなかった。苦痛よりも楽しさの方が勝っていた。何倍も大きかった。毎日がきらきらと輝いて、明日を楽しみにしながら寝袋に包まる、そんな日々だった。
なぜだろう。
それは慣れなのかもしれないし、旅のスキルのようなものがあるならば、それが上がったからとも思える。そもそもバイクでの旅はタフな部類に入らないだけかもしれない。どちらにせよ、僕が思うタフさとはちょっと違っていた。楽しかった旅も、唯一その部分だけが心残りだった。
だから冬に歩こうと決めた。少しくらいはタフな旅になるかもしれない、そう思ったからだ。

とはいいつつも、冬の登山とは違い平地を歩くわけだから雪崩の心配もない。きっと雪洞を掘らなければならないなんてこともない。それどころか駅やバス停なんかがそこかしこにあるわけで、意志の弱い僕のことだからきっとそんなところに転がり込むのは目に見えている。距離にしたって高々(と言っていいのかわからないけど)3000キロだ。しかもなんといっても国内なのだから、もはやどうにでもなるよ、と思ってしまう。

最初にこの旅を計画したときは、冒頭に書いたような気持ちだった。挑戦なんて仰々しい言葉をあえて言うほどだった。でも日を追えば追うほど悲しいことに、実は大した事じゃないじゃない、と思えてきてしまう。
こんなんじゃとても挑戦なんて言えない。

願わくば死なない程度に死ぬ思いが出来ればいいなと考えていたのだけど、今ではまぁ鼻水くらいは凍っちゃうかな?と気楽に考えているわけです。


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