2009年11月19日木曜日

ねぇ、授業なんてサボっちゃいなよ

優等生なんかじゃなかった。

特に不良というわけでもなかったけど、生徒の評価を優劣で線引きするのが教育なら、僕は間違いなく後者だった。カバンには教科書なんて入っていなかったし、教室にいてもそのほとんどの時間を寝て過ごした。遅刻魔で、何食わぬ顔で昼から登校する日もあった。とにかく、勉強なんてしなかった。
今にして思えばよく卒業できたものだと感心してしまうのだけど、窓際の席になったときだけは授業中もあまり寝なかった記憶がある。

外ばかり見ていた。

灰色の教室から眺める外の世界は、色彩に溢れていた。窓から眺めるそれはいつも変わらない風景なのに、この上なく自由な世界に感じられた。
わくわくした。
今すぐにでも席を立ち上がり、授業なんか放り出して、上着を脱ぎ捨てて、教室を飛び出したかった。

もちろん、そんな勇気はなかった。
その一歩を踏み出すことは、ついぞなかった。

でも、今なら行ける。

ねぇ、授業なんてサボっちゃいなよ。
窓際の僕が、そう問いかけてくる。


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