2010年1月19日火曜日

歩18日目 北海道?郡長万部町

天候 雲後晴れ、時々雪
気温 5時 -5.6度
   16時 -0.4度

今日はたくさんの人と会話をした気がする。そしてそのどれもが心温まるものだった。
誰とも会わず、一言も話をしない日もあるけれど、笑顔になる会話ならいつだって大歓迎だ。

4時20分。起床。寒気が去ったのか、軒下にテントを張ったからか、少し暖かく感じる。もっとも気温は-5度なのだけど。

6時00分。出発。せわしなく走る除雪車の間隙を縫うかのように昆布の町から遠ざかった。

7時30分。蘭越の市街地到着。セイコマで弁当を買う。昼用だ。この先黒松内まで30km。ここを逃すと道の駅以外何もない。どうせ冷たくなるのだから、レンジでの温めはしない。

気付けばもう学校が始まっているよう。蘭越の小学校前を通ると、小いさな子供たちが元気に登校している。ひとりの女の子がすれ違いざまあいさつをしてくれた。おはようございます、と少し照れたようなその言葉に僕は元気をもらった。そして、すごく澄んだ気持ちになった。
以前も同じような気持ちになったことがある。加計呂間島でのことだった。奄美諸島にあるその小さな島を訪れた時、出会った小学校たちは誰もが気持ちのよいあいさつをしてくれた。そしてそれは小学校だけでなく、中学生も、大人ちもだったのだ。僕は、なんだかその島に受け入れられたような気持ちになった。うれしかった。そのことは今でもよく覚えている。

10時00分。蘭越の道の駅到着。玉ねぎを買う。70円。
冷たい弁当を駐車場に座って食べる。朝の6時から歩いていると、この時間にはもう腹ペコだ。なので今日から1日4食にしようと思う。朝夕の他に、昼前と昼後にそれぞれ。食べないとパワーが出ない。ガソリンみたいなものだ。

これからちょっとした峠に入ろうとした時、1台の軽トラックが止まった。地元の農家だろうか。頭に手拭いを巻いたおじさんが手招きをして、
「峠越えるんだべ?乗れ」
ぶっきらぼうに、だけど人の良さそうな声でそう言った。とてもありがたかったけど丁寧に断った。おじさんはがははは、と銀歯丸見えで豪快に笑った。
先に登り坂に入ったおじさんの非力な軽トラックは、後ろから猛烈なスピードで来た大型ダンプにあおられてかわいそうだったけど、きっとそんなに焦るなよと運転席で銀歯を見せているに違いない、そう思えた。

14時30分。黒松内の道の駅到着。2度目の昼食はサンドイッチにコーヒー。
この先国道沿いで何か買い物ができないかとカウンターにいたお姉さんに聞いてみたが、市街に入らないと店はないですよと地図まで使って丁寧に教えてくれた。だけど今日の僕に寄り道している暇はない。昨日の遅れを取り戻したいのだ。仕方なく食糧補給を諦める。明日の朝はビスケットしかない。

16時00分。久しぶりに夕日を見た。赤い太陽もオレンジ色の雲も、いつだって大歓迎。夕日を見ていると清々しい気持ちになる。

そんな夕日に元気をもらって、今日は18時まで歩いた。蕨だい駅を越え、もう限界と国道から踏み切りを渡った先の雪原にテントを設営。さすがに12時間稼働は足にくる。テントに入って足を伸ばしてほっと一息。見上げた空にはもはや星座が分からないくらいの星が浮かんでいた。

今日の歩行距離約44km。

写真1
牧草ロールもおいしそうにデコレート。

写真2
久しぶりの夕日。清々しい。

写真3
今日のありえない。積もりすぎなのだった。

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