歩６日目 北海道苫前郡苫前町

天候　曇り後晴れ
気温　6時　12.8度（室内）
　　　15時　1.8度

昨日の晩のこと。休憩所を出てバス停に行こうと玄関で靴を履いていると、なにやらスーツを着た支配人風の男性が声をかけてきた。
「歩いて旅ですか？」
「そうです」
「こんな時間から歩くのは大変でしょう」
「今日はもう国道にあるバス停で寝ようと思って」
すると彼は、
「あの向かいの施設は24時間開いているから、もしよかったらそこで寝ていけばいい。トイレもあるし、バス停なんかよりいいでしょう」
と言ってくれたのだ。
「使わせてもらってもいいんですか？」
と聞くと、
「どうぞどうぞ。ここは道の駅ですから」
というなんともありがたいお言葉。礼を言って早速中に入ると、広くはないがベンチがひとつに、さらに空調まで入っている。なんといいことだ！これで氷点下の夜をすごさなくてもよさそうだ。たまには寒さに目が覚めずに寝たいもの。ありがたくここを使わせてもらうことにした。

4時30分。起床。寒くない。というよりはむしろ暑い。いつもは頭ビーニー、上フリース、下ジャージ、足は靴下を着用で寝袋にすっぽり包まって寝るのだけど、今日はTシャツにパンツ1枚という格好だった。室内は常に10度以上を保っているようで、快適な夜だった。

6時20分。出発。風がある。携帯電話で天気図を見ると、発達した低気圧が日本の東海上にあるようだ。しばらく荒れそうな感じだな、なんて思うのだけど、実際歩き始めてからずっと低気圧のにお世話になりっぱなしのような気がする。たまには高気圧に覆われて穏やかな日が続いて欲しいものだ。
そうは言っても雪山に籠もっていたときは、二つ玉や爆弾低気圧に喜んだりするもので、立場が変われば見方が変わってしまう僕は実に勝手は人間だなぁと朝から反省したり。

歩き始めて10分。もやしを忘れてきたことを思い出す。昨日買ったけど食べなかったもやし。それは室内は暖かいからと外に出しておいて、そのままだ。が、もう遅い。もやしくらいでは往復20分は歩けない。そして入り口脇にもやしが一袋置いてあるというのもかなり可笑しな光景だろうな、なんて思ってひとり可笑しくなってしまった。

7時20分。初山別通過。何か買い物が出来ないかと思ったが、店がなかった。手持ちは行動食しかない。次の羽幌まで20km以上。遅い昼食になりそうだ。

今日はなんだか暖かい。現在の気温は2.6度。歩いていると汗をかくほどで、ジャケットのベンチレーションと胸元のジッパーを全開にする。それでも暑くてついにはネックウォーマーも外してしまった。

13時00分。羽幌到着。結構都会だ。セブンイレブンがある。でもやっぱり買い物はセイコマで。昼食の焼そばと忘れてきたもやしを再度購入。今夜はちゃんと食べよう。空はなぜか青空に。荒れるかと思ったが風もそれほど強くならず。このまま朝までもてばいいのだが。

15時30分。苫前到着。道の駅風Ｗとままえ（風Ｗで、ふわっと、と読むそうだ）で休憩。温泉が併設されていたけど、先に進みたかったのでパス。

17時00分。辺りがすっかり暗くなったところで今日はおしまい。歩行距離約34km。国道から少し入った雑木林の中に雪をならしテント設営。風が出るといけないので張り綱をきちんと張る。持ってきた十字ペグが活躍を見せる。夕食は温そうめん。そうめんはあらゆる乾麺の中で最短で茹であがる、素晴らしい食材だ。サラスパの4分なんて目じゃない。熱湯に入れたら直ぐにでも食べられそうな感じがする。そんなそうめんを茹でた温かいまま食べる。味付けは、めんつゆにコンソメを入れてみた。具材はもやしと乾物いろいろ。わかめ、桜えび、とろろ昆布は定番で、今回は試しに切り干し大根を。こりこりした食感で、意外とおいしかった。

写真1
羽幌では巨大ペンギンお出迎え。町の入り口と出口にそれぞれある。兄弟かな？

写真2
冬の羽幌川。どいつもこいつも凍ってやがる。

写真3
羽幌で見つけた魅力的な魚屋さん。素敵。