2010年1月24日日曜日

歩23日目 青森県むつ市

天候 雪
気温 6時 0.0度
   15時 -0.5度

北海道には、北海道の言葉があった。訛りとか方言とかそういうものだ。北海道の中でもいくつか言葉の種類はあるのだろうが、僕にその違いはわからなかった。
もちろん青森には青森の言葉がある。その土地の言葉を、その土地で直に耳にする。それは旅の大きな楽しみのひとつでもある。

コンビニの店内にあるテーブルでご飯を食べていると、向かいのテーブルでは中学生の女の子たちが同じように昼食を楽しんでいた。どこの女の子もよくしゃべる。でもその会話の方言が良かった。僕も東北育ち。なんとなく似た言葉にちょっと嬉しくなってしまった。そして同時に、あぁ東北に入ったこんだなぁ、そう実感した。

3時30分。起床。風は治まるどころかさらに強さを増し、テントを激しく揺さ振った。少しでも風をかわせる場所にテントを張ったのは懸命だったようだ。
風が強いとテントをきれいに畳めない。あっちを押さえ、こっちに物を置き、ひとりでてんやわんや。

6時00分。出発。最近は明るくなるのも幾分早まった。6時半にはヘッドライトも要らないほどになる。出発したての頃、6時と言えばまだ星が見えていたのだけど。

7時30分。下風呂通過。温泉街のようだがまだ朝早いからスルー。

8時50分。これからちょっとした峠。その前にバス停で休憩。体力を回復してから出発。峠の頂上付近にで猿を発見。木に登りわずかに残った芽を食べているよう。かわいい子猿を連れた親子もいる。カメラに収めようとするが、近寄るとすぐに逃げてしまう。完全に野生。日光辺りの猿とはえらい違い。

10時00分。峠を下りて小さな漁村で休憩。

11時30分。大畑のコンビニで休憩&昼食。今日は店内に椅子とテーブルがあって温かく食べられた。幸せ。

休憩中にブーツの修理。左右とも親指の付け根部分のゴムが割れ、そこから雪が入ってくるようになってしまった。最初はガムテープを張ったのだけど、濡れているとすぐに剥がれるので瞬間接着剤でふさいだ。これからまだまだ雪の歩き。せめて盛岡辺りまで使いたいのだけど。

コンビニを出ると、ものすごい雪が降っていた。道路にはあっという間に雪が積もり、足首まで埋まるほどだ。しかも歩道はまったく除雪されておらず雪の山。車道の隅を小さくなりながら歩く。

途中、自宅前を雪かきしていたおじいさんと会話。訛りがひどく、僕でさえ何度も聞き返さなければならなかった。それでも何を言っているのかわからないときは、適当に相づちを打つしかなかった。顔をしわくちゃにして笑うかわいいおじいさんだった。

雪は降り続け、もうすねまでもある。歩くのも大変な作業。辺りは一気に雪化粧でそれはそれで嬉しいのだけど、こっちは汗だくだ。車の来ない隙を見て車道を歩いた。雪がないだけでとても歩きやすい。

17時30分。やっとの思いでむつ市街地へ到着。予定よりかなり遅れた。
スーパーへ行って買い物と思っていたのだけど、1本手前の道を曲がってしまったらしく、迷ってしまった。30分くらい歩いてやっとスーパーにたどり着いたが、目的の店ではなかった。早く市街地を抜けたかったのに痛恨のミス。焦ったのがいけなかったか。
買い物を済ませ、片手にバナナ(バックパックに入らなかった)を持ち、再び夜の町をさ迷った。またも30分以上。たどり着いた先は、なぜか下北駅だった。
現在地を把握できたので一安心だが、すでに時刻は19時半を過ぎている。まだ市街地さえ抜けていないし寝床も未定。焦る気持ちを押さえるようにバナナを食べた。

下北駅から横浜方面に向かっていると、1本の川を発見。もうここの川岸でいいかと思ったが、護岸されていてテントは張れそうにない。しかし少し奥に水門を見つけ、その脇になんとかテントを張れそうなスペースがあったので、素早くテント設営。荷物を所定の場所に置き、マットを敷いてその上に座る。テントに入ると本当にほっとするから不思議だ。

夕食を食べ、一息ついたらもう22時近かった。今日はなかなかうまくいかない日だった。急がば回れ。そんな言葉が似合う1日だった。

今日の歩行距離約38km。

写真1
海岸添いの家の庭には石が敷き詰められている。夏は昆布干場に早変わり。

写真2
峠の猿。これ以上は近付けない。子猿は逃げた。

写真3
峠から見た小さな漁村。こういう風景が好き。

2 件のコメント:

  1. いつのまに青森!
    おめでとうございます★^^

    私は地方に行くときは意味もなく喫茶店とかに入って周りの会話に耳をすませ方言を堪能しちゃいます
    あ~ここは東京じゃないんだな~ と当たり前のことを実感するんですw

    ではではこれからも応援しとります!!!!
    遥でした

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  2. 遥さん

    方言いいですよね~

    ゆっくり旅をしていると、言葉が少しずつ変わって行くのがわかります。

    もちろん僕は東北弁ですが…笑

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