「アナタハ、ニホンジン、デスカ?」
と言うではないか。日本語を解するらしい。
「日本語しゃべれるんだ」
「ニホンゴ、ムツカシイ、デスネ」
相手の質問そっちのけで聞き返してしまった僕に、照れくさそうに笑う。シカゴのイリノイ大学で勉強したという。
お互い入国審査が終わり、ふたりで通関作業をすることになった。コスタリカへ車両を持ち込むには保険加入が絶対だが、それを除けば入国税もペルミソ作成代金もかからず、事務手続きもスムーズだった。僕はパウルと名乗るアラスカのバイク乗りと並んで各種手続きを済ませていった。
「パウル、君の最終目的地はどこだい?」
「アルゼンチン。パタゴニアへ行きたいんだ」
「そうか。俺もパタゴニアは行ってみたいんだ」
約1時間かかり、両バイクの書類をすべて揃えることができた。これで晴れてコスタリカを走ることが出来る。手にした書類を見つめながら、これからパタゴニアまでの道のりで、一体どれだけの書類が必要になるのだろう、ふとそんなことが頭に浮かんだ。
並べて停めてあったバイクに戻り、僕はコスタリカの地図を取り出した。国境から80km進むとリベリアという町がある。まだ13時。15時前後にはつけるだろう。見当をつけている僕の地図を、パウルが覗き込んでいる。地図はないの?と聞くと、俺にはこれがあるからね、とハンドルにつけたGPSをぽんぽんと叩いた。なるほどそいつはいい。
「俺のGPSはこれだ」
僕は地図をぽんぽんと叩いた。ふたりで笑う。
パウルはここから首都サン・ホセの南に位置する太平洋側の町まで行くと言った。距離にして300kmはあるだろうか。驚く僕に、
「I hope」
と肩をすくめる。それだけ走るのならアラスカから「One drive」と言ってのけることはある。
ふたりの走行スピードには差があるため、入国ゲートを抜けたところで別れた。鮮やかなオレンジ色のバイクは、あっという間に目の前から消え去った。もうきっとこの先の道中で再会することはないだろう。それでもしっかりお互いの記憶には残ったはずだ。
ぱちり
おわり。
ナカータさんこんにちは。鉄馬転がしの入江さんからこのブログを紹介されました。私もバイクで世界一周旅行をしていて現在ペンションアミーゴに長期滞在しています。 一つ問題を抱えています。ティファナからメキシコ入国してペルミソを発行してもらいましたがその際300米ドルの保証金を取られました。六ヶ月以内に出国すれば返還されると明記されているのでそれはいいのですが、返金されるのはグァテマラ国境のタバチュラのみというので困っています。予定ではカンクンからベリーズへ入りグァテマラのティカル遺跡へ行こうと思っていたので計画を大きく変更せざるを得ません。300ドルについてはどなたのブログにも載っていないのでちょっと戸惑っています。ナカータさんは如何でしたでしょうか? http://muumipapa.exblog.jp が私のブログです。暇なときに覗いてみてください。 よろしく。ムーミンパパこと加藤
返信削除ムーミンパパこと加藤さん、はじめまして。
返信削除メキシコのペルミソデポジットは去年からできたみたいですね。なのでまだブログ上にはあまり書かれていないのでしょう。
僕は2度メキシコに入国しています。1度目はムーミンパパさんと同じくティファナ入国のチェトゥマル出国でしたが、そのときはまだデポジット制度はありませんでした。
2度目はグアテマラのラ・メシア(パンナム国境)から入り、同じ国境を使用して抜けました。タパチュラではありません。そのときクレジットカードで200ドルのデポジットを払いましたが、出国時ペルミソ返納をして、2週間くらいで口座に200ドル戻ってきました。僕に限って言えば、タパチュラのみとは言われなかったと記憶しています。
しかしタパチュラのみとはおかしいな話しですね。ペルミソに明記されている事柄でしょうか?幸いシティーにいらっしゃるようなので、税関に出向いて話を聞いてみてはいかがでしょう?
ちなみにメキシコ入国情報をこちらにまとめています。もう既知とは思いますが、参考までに。
http://www.asian-blues.blogspot.com/2011/05/mexico201104.html
もしこれから中南米を走るのであれば、何でも聞いてください。分かる範囲でですがお答えできますので。
アミーゴいいですね。僕もずいぶん長居しましたよ笑。ブログリンク張らせてもらいますね。