2010年4月2日金曜日

歩91日目 大分県佐伯市

天候 曇りときどき晴れのち雨
気温 6時 13.0度
   17時 20.5度

今日は長距離を歩いた。結果は56km。とても長い1日となった。

50kmを歩くとすれば、やはり体力のある午前中に25kmは進みたい。夕暮れにもなると明らかにペースが落ちてしまうし、早く着けばそれだけ長く休めるからだ。
しかしそのためには休憩を減らすか短くするか、足を一生懸命動かすかのどちらかの方法しかなく、その分疲労は溜まる。決して50kmの距離が縮まる訳でもないし、楽になる訳でもない。世の中実にうまくできているものだ。

5時00分。起床。寝不足だ。重いまぶたをこじ開け、さらに重い体を地面から引き剥がすように起きた。寝起きはいつも体の節々が痛む。寝袋のままでストレッチ。それでもテントからトイレまでの間をよたよたとまともに歩けない。
いつもの朝食。スープ、サンドイッチ、コーヒー。ゆっくり目が覚めていく。

6時40分。出発。空は薄曇り。今のところ雨は降っていないが、今日は雨予報。荷物にはしっかり雨対策をして、カッパは一番上に入れた。

それにしても暖かい。朝から13度もある。今日は暑い1日となりそうだ。
歩き初始めてすぐに大分川を渡る。薄いナイロンヤッケを着ていたが、歩いているとそれさえも要らず、朝からすでにTシャツになった。

今日は宇目の道の駅まで行きたい。50km以上はある。かなり遠い。それでも睡眠の事を考えると、なんとか21時までには到着したいところだ。

国道10号はこのまま宮崎方面に続いているが、今日は国道326号を歩く事にした。なぜなら延岡市まではその方が近道だったからだ。
地図を見るかぎりでは20km以上は違う。10号は山を迂回するように佐伯市を通り延岡へ向かう。326号はそのまま山に入り、まっすぐに延岡へ向かう。多少山に入ろうが、なにせ20kmだ。車ならちょっと遠回りで済むが、歩きだとそうはいかない。僕の半日の工程にあたる。時間にして約6時間。そのためなら喜んで山を越えよう。

11時10分。約20kmで進んだところで326号に乗った。犬飼の町のコンビニで休憩する。20kmといってもまだ今日の工程の半分も来ていない。肌にまとわり付く汗が引くのを待ち、これからこれから、自分にそう言い聞かせて立ち上がった。

12時45分。三重の道の駅に到着。暑い。日陰のベンチで昼食と休憩。残りは30km弱か。かなりある。果たして21時までに到着出来るだろうか。
まだ雨の気配はない。雲は流れておらず、このままもってくれれば、なんて淡い期待を抱いてしまう。

15時00分。三重の市街地を通過。ついでに買い物。今日はそばにした。肉とろろそば。わさび菜入り。最近はまた麺類続きだ。でももう2kgの米は買いたくない。ゴールまであと少しの我慢。

15時30分。ついに風が出てきた。雲が動きだす。まだ青空が残っているが、それも猫の額ほどだ。やはり予報は当たってしまうのか。いつ降られてもいいように覚悟はしておいた方がいいだろう。

峠に入った。三国峠を息を切らせながら登る。長い長い登りだ。いくつものトンネルを抜け、その度にもう頂上なんじゃないかと期待するが、僕の勝手な願いなどお構いなしに道はどこまでも登っていた。
やはり峠きつい。それでも20kmが縮まると思えば頑張れる。峠から眺める景色にも救われる。

17時40分。三国トンネルを抜けると佐伯市に入った。やっと道は下っていた。しかし、下りは登りよりも慎重だ。焦って歩けばすぐに膝をやってしまう。大切な膝をかばうように山を降りていく。

19時30分。道の駅まであと7kmの地点で、すっかり暗やみに包まれた。宇目の町を過ぎると街灯一本ない道で、左右には山が迫り、ライト無しでは足元さえ見えなかった。
それでも見上げる空には星があった。まさか星を見ながら歩くとは。今頃はカッパを余儀なくされているはずなのに、気まぐれで雨が遅れているようだ。ありがたい。今のうちに道の駅まで歩いてしまおう。

20時40分。宇目の道の駅に到着。なんとか21時前に到着出来た。しかし全身かなり疲れている。重いバックパックを下ろすと突然身が軽くなって歩き方がおかしくなる。
テントを張り、マットの上で足の裏をマッサージする。痛みが心地よい。足の裏も膝も、連日の酷使に耐え、本当によく頑張ってくれている。佐多岬まであと少し。願うような気持ちでマッサージをした。

雨は結局夜にやってきた。テントを軒下に張ったので濡れることはない。今日は雨に打たれるだろうと思っていただけに、星を見ながら歩けた事はとても幸運だった。寝袋に包まりながら耳にする雨音は、いい子守唄となってくれた。

今日の歩行距離約56km。

写真1
大分川を越える。長い1日の始まり。

写真2
三国峠を越える。果てしない登りに息が切れる。

写真3
小さくても孤独でも、強く生きる。

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