2010年4月19日月曜日

陽気な旅人が地球を回す

強烈な日差し。
絵葉書で見た海。
不思議な苗字の表札。
やたらと量の多い食堂。
真っ赤なハイビスカス。
耳に届く三線の音色。
雑多な賑わいの国際通り。
うらぶれた路地裏には野良猫がたくさんで、飲み屋に掲げられた生ビールののぼりはオリオンだ。

僕は今、沖縄にいる。

鹿児島港から船に乗り、沖永良部島、与論島に立ち寄りながら那覇まで来た。

やはり、南はいい。

どの島も良かった。
どの島も独特な文化を持っていて、どの島でも懐かしい再会と新しい出会いがあった。

南風に吹かれながら初夏を思わせる日差しに肌の色を濃くするにつれ、体内にうず高く蓄積された疲労は薄皮を剥がすかのごとく次第に薄れていった。それはまるで何かの公式で証明されているかのように、きちんと比例していた。もしかしたら実際にそのような公式がこの世のどこかにあるのかも知れなかった。

南の島には陽気な旅人がたくさんいた。温暖な気候と陽気な旅人の関係。もしかしたらそれさえ証明する公式があったかも知れない。学生時代あまり真剣に読む事のなかった数学の教科書のどこかに記載されてはいなかったか。そんなくだらない事をぼんやりと考えながら(実のところもはやぼんやりとしか物事を考えられなくなっている)、僕はこの素晴らしくも怠惰なる日々を過ごしている。

それはもう少し肌が焼けるまで。そう教科書に書いてあったような気がする。

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