2012年7月21日土曜日

ならぬシェラ日記 ~セマナ・サンタ編 vol.2~

スニルでの聖行列を見終わった翌日、皆で出店を出した。
出店の内容はお好み焼き屋、腕相撲屋、グアテマラ人の名前を漢字で書く、という内容に決まった。参加は強制でなかったが、宿泊者のほとんどが参加するようだった。僕は管理人という立場からかなぜか最初からメンバーに名を連ねていた。さらにその日の売り上げで焼肉を食べに行こうということにもなった。実際それだけの売り上げがあるのか疑問だったが、目標は高い方がやりがいがある。

当日は朝からなにかと忙しかった。出店に必要な机から焚き火台から習字セットに至るまで、宿から歩いて10分の公園まですべて運ばなければならず、荷物を持って何度も往復した。すべての準備が整い、公園を歩く人に声をかけた。天気も良く、公園で出店をひらくには最高の休日だった。

お好み焼きも習字もまずまずの売れ行きだった。果たしてお好み焼きがグアテマラ人の口にあったかどうかはわからないが、それでもトータルでは結構な数が売れた。
腕相撲はなかなか盛況だった。小さな子供から若い力自慢まで参加者は多彩だ。さすがラテン・アメリカというべきか、一旦人が集まりだすと次から次と人がやってきて、知らぬうちに人だかりができていた。白熱した試合が行われると、当人以上にまわりが盛り上がり、やんやの歓声があがる。そして僕らが勝つと大きなため息をつき、グアテマラ人が勝つと一斉に湧き上がった。静かな休日の公園の、その場所だけが異様な盛り上がりを見せた。

作戦ミスだったのは、相手は次から次へと現れるのに僕らはそれを数人で相手せねばならないということだった。交代で試合をしても1時間もするとあっという間に腕が上がらなくなってしまった。もちろんそんなことは最初から分かっていたのだけど、考えたからといってこればかりはどうしようもない。結局その場の勢いで楽しんでしまおうという魂胆だった。そのやけっぱちの開き直りがかえって場を盛り上げたかもしれない。その雰囲気はとても心地良いものだった。

呼び込み中。

自分の名前はどんな漢字なのかな?

腕相撲は子供たちにも大人気。

お口に合いましたか?

夕方に店じまいした。朝と同じように荷物を皆で運び、宿に落ち着くとぐったりと疲れてしまった。が、満足感はあった。お楽しみの売り上げは材料費などの必要経費を差し引くと、約200ケツァールが手元に残った。200ケツァール(約2000円)ではとても焼肉など食べられるはずもなかったが、そんなことは最初から分かっていた。実際のところ赤字にならないだけでも御の字だった。結局200ケツァールの売り上げで宿の備品として新しいフライパンとやかんを買う、ということで落ち着いた。

準備不足だったり改善すべき点はあったが、とても楽しい休日を過ごせたと思う。それはなんだか学園祭のようで、かすかに懐かしさが胸に残るものだった。

つづく。

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