2010年2月7日日曜日

歩37日目 宮城県仙台市

天候 雪のち晴れ
気温 6時 8.8度(室内)
   17時 -4.6度

冬装備を解除した。
まだまだ東北地方ではあるが、思い切った。少しでも荷物を軽くするためだった。少しでも楽に歩くためだった。

荷物の重さはそのまま足への負担となる。増せば増すほど足取りも重くなる。逆にたった1kg重量が減るだけで、肉体的にも精神的にも楽に感じられる。だからこの際要らない物は片っ端から排除した。

これからの道のりで不必要と思われる物、持ってきたけど使っていなかった物を全て段ボールにまとめて家に送り返した。

ジャケット
フリース
グローブ
ゴーグル
スコップ
十字ペグ
冬用靴下×3
その他使わなかった小物類

それらは段ボール一箱にもなった。持ってみると3kgはあるかと思ったが、実際宅急便の集荷場でその重さを計ったらぴたり5kgだった。
5kg!
冬装備だけでそんなに持ち歩いていたのかと我ながら驚いた。でも確かにバックパックは嘘のように軽くなった。これなら戦える。そう思った。

9時20分。起床。かなり寝た。少し飲み過ぎたかも知れない。布団をたたんだらバックパックから全ての荷物を部屋にぶちまけ、要らない物を手当たり次第段ボールに詰めていった。あっという間に段ボールは満杯になり、バックパックはすかすかになった。

11時00分。昨日車で迎えにきてもらった場所へ向かった。途中段ボールを送るために宅急便の荷物場に寄った。たった1270円で5kgの減量が出来るのなら、それはとても喜ばしいことだったが、これでもう真冬の旅が出来なくなってしまうことは少し寂しかった。

天候は荒れていた。吹雪で高速道路が通行止めになるほどだった。気温は昼だというのにマイナス5度で、雪もかなり積もっていた。
「また真冬に逆戻りだな」
「北海道を思い出します」
「でも荒れるとわくわくするよね」
横殴りの吹雪を車は進んだ。

12時30分。仙台市の北の外れに到着した。車を降りるとくるぶしまで隠れるほどの積雪だった。ふたりで記念撮影をして、握手を交わした。
「全部終わったらまた遊びにおいで」
僕は、素直にうなずく事が出来た。仙台にも忘れられない思い出が、そして胸の中には温かなものが残った。

あまりの積雪に、カッパの下とスパッツまで着用した。ミドルカットの靴ではブーツのようにはいかない。まさか仙台でスパッツを着けるとは思わなかったが、カッパのスタッフバッグに入れておいたのが幸いした。
足のマメは回復していた。まだかかと部分は痛むが、それ以外は大丈夫だ。

15時20分。歩き始めて早々にスーパーマーケットに立ち寄り、ブログを更新。いつも通りきっちり2時間かかったので、再出発はこんな時間になってしまった。店を出るとすでに陽は傾き始めている。今日は進めないな。そうつぶやいた。まぁのんびり行こう。

19時00分。仙台駅に寄り道。買い物。仙台は懐かしい町だ。その昔よく遊びに来ていた。僕がまだ高校を出たくらいの時期だ。アーケード通りを歩いていると、そんな昔を思い出す。あの頃一緒に馬鹿をした友人は今何をしているだろう。どこに住んでいるだろう。今でもあの時の事を覚えているだろうか。僕の時計はすっかり巻き戻され、襟元を立てて足早に歩く周りの人達とはまるで別の世界にいるような感覚になっていた。ふわふわとした感覚の中を歩いていた。

22時00分。仙台の市街地を抜け、名取市まであと1kmちょっとというところで足を止めた。そこには名取川があって、川原にテントを張れそうだったのだ。もうこんな時間。今からテントを張っても寝るのは日が変わる。

距離を歩いていないので疲れてはいなかったが、空腹に夕食を流し込んだらすぐに眠気に襲われた。
テントの入り口を開けると、煌びやかな仙台の夜景が揺らめいていた。

今日の歩行距離約19km。

写真1
一緒に記念撮影。きっちり振り出しに戻された。

写真2
仙台の町もすっかり雪化粧。真冬日。

写真3
今日のあり得ない。その重量は5kgにもなるのだった。

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