2010年2月18日木曜日

歩47日目 東京都千代田区

天候 曇りときどき雪
気温 6時 14.7度(室内)
   17時 12.0度(室内)

旅の折り返しというのは、いつだって少し寂しく思うものだ。

例えばそれは、目的地に到着し、後は来た道を引き返すという場合だけに限らない。今回の様に、北から南へ移動する旅の場合にも当てはまる。
それは日数的なものだったり、距離的なものだったりするのだけど、半分が過ぎた、という思いがそうさせるのだろう。

バイクで日本を旅していた時、最南端の波照間島でそれを強く感じた。もちろん同じ道を走って帰る訳ではないが、もうこれ以上進む事が出来ない所まで来てしまったという思いが、そうさせた。最果ての、碧の絵の具を染み渡らせたような海を見つめ、その時の僕の心中は悲喜交々だった。

今日、僕の旅の2ndステージが終わった。日数的にも、距離的にも、ほぼ半分だった。2ndステージのゴールとした日本橋に到着すると、あの、南の島で感じた思いが再び込み上げてきた。あの海を見つめている自分が、心の中にいた。

8時00分。起床。今日は日本橋まで歩き、一度2ndステージの奥州北関東編を終わらせようと思う。と言っても友人宅からそこまではたった1kmちょっとしかない。歩いて20分。散歩みたいなものだ。

午前中は、この2ヶ月あまりの間に溜まった小さな用事を片付ける。放浪の旅をしていても、銀行や郵便局などのややこしいあれこれは発生するものだ。移動中はなかなか時間が取れないため、今日まとめて済ませた。

友人の自転車を借りて買い物へ出かける。旅も順調に折り返したということで、ささやかながら自分ご褒美を。まずはチタンのシェラカップ。チタン製品はなかなか高価だし、米を炊くなどの調理にはあまり適していないため今まで持ったことがなかった。でもシェラカップならせいぜいお湯を沸かすくらいだし、軽いチタンの方がいい。やはりバイクで旅をしていた頃とは違い、重量に対する目がかなりシビアになっている。
もうひとつのご褒美はまだ内緒。今すぐ使える物ではないので、その時がきたらいずれまた。

15時10分。日本橋へ向けて歩く。神田駅前に溢れる人波をかき分け、しばらく行くとあっさりそこに到着した。日本国道路元標。行き交う人の誰もがそれを気にも留めていなかったが、僕にとってはここが奥州北関東編のゴール地点で、同時に東海道編のスタート地点だった。

僕は、その小さく冷たい道標の先に、あの日の碧い海を見た。旅が折り返した瞬間だった。

深い呼吸をひとつ、ゆっくりと行った。感じる寂しさは、吐き出す息と共に全て口から流れ出た。
よし、行こう。
次の瞬間、寂しさはもう無くなっていた。終わらせることによって始まるものがある。
次なるステップへの一歩を踏み出す準備が整った。

今日の歩行距離約1km。

写真1
日本国道路元標。折り返し地点にはふさわしい。

写真2
GO NEXT

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