2010年3月25日木曜日

歩83日目 島根県鹿足郡津和野

天候 雨のち曇り
気温 8時 7.6度
   17時 9.9度

きれいな川だった。
護岸もされておらず、きっとカヌーなんかでのんびり下ったら気持ちいいだろうな。そう思わせる川だった。

テントと食糧を積んで、川原でキャンプしながら、夜には焚き火をして、日が昇ったら、また川を下る。
そんな川旅が好きだった。

5時10分。起床。雨は未だ降り続いていた。雨音が、寝袋の中まで聞こえていた。あわよくば。朝になれば。そんな淡い期待も、テントから顔を出すまでもなく崩れ落ちた。やはり根拠のない期待などはしない方がいい。

7時20分。出発。カッパは乾いているが、靴は重いままだ。冷たいそれを履かなければいけない朝は、やはり気持ちも重くなる。
出発時はいくらか小ぶりの雨だった。だが今日はもう濡れる覚悟ができている。朝から距離を伸ばす事だけを考え、雨の強弱で休憩をするのではなく、自分の体力を考えて休憩をするようにした。

10時00分。予想外にも雨は弱くなる一方で、益田市に入る頃にはフードを外して歩けるようになった。空も明るくなっている。このままあがってくれたら。西の空の、どちらに転ぶかわからない空模様を、願うような気持ちで眺めた。

13時50分。益田の市街地を歩く。雨は、あがってくれた。僕の願いが通じたのか、ただの気紛れか。どちらにせよ、乾きはじめたカッパに気を良くしながら前へと進む。

益田市を抜けると、国道9号は山に入っていく。京都府の丹後半島から島根県の益田市まで。ずっと日本海側を歩いてきた。それもここまで。これから山を越え、一路山口市を目指す。その後に見るのは太平洋だ。日本海ともこれでお別れになる。

16時20分。匹見川を越えると、国道は高津川に沿って走るようになった。
きれいな川だ。きっと夏になったら気持ち良く泳げるだろう。カヌーで下るのもいい。川の上の、水面に近い視点から見上げる景色が好きだ。川沿いの道から眺める景色とは、まるで違うものになる。川を流れる早さで景色が移り変わるのもいい。それは歩きの旅に似ているかもしれない。

18時00分。僕の持っている大雑把な全日本地図では現在地が把握しにくく、今日の目的地の道の駅まであとどれくらいあるのかわからなかった。周りは山に囲まれ、店もない。もうすぐのはずなんだけどな。大雑把な地図では地図上の1cmが5kmもあり、読み間違えるとたったの1cmが1時間のロスになる。夕暮れ時の1時間は、かなり精神的にくる。明るいうちに着くだろうか。何度も地図を見ては気をもんでいた。

道の駅の案内板が見えたのはその頃だった。あぁ良かった。一気に肩の力が抜ける。あと2.5km。これなら暗くはならない。やはり距離がわかると精神的に楽なのだ。

18時40分。道の駅に到着した。広い敷地で、すぐ後ろには高津川が流れていた。しかも嬉しいことに24時間の休憩所があった。昼前にやんでくれた雨だったが、今夜からまた降りだすだろう。こんな寒い雨の夜は室内が嬉しいものだ。

すっかり乾いたカッパを脱ぎ、まだ乾ききっていない靴も脱ぐ。足に小さなマメが出来ている。いつもならマメなど出来る距離を歩いた訳ではなかったが、やはりふやけた足での無理は出来ない。
広い休憩所の中で、今日はひとり静かに夜の時間を過ごした。

今日の歩行距離約43km。

写真1
小さな港。日本海ともお別れ。この辺は赤い瓦屋根の家が多い。

写真2
京都から500km。益田市にて。

写真3
高津川。のんびり川旅もいい。

2 件のコメント:

  1. たまに映る長身で長髪をたらした髪型の男性は誰だろうと思ってたらナカタさんですね 今更気づきました(笑)

    この前卒業式を終えて来月から社会人です
    ナカタさんが着々とゴールに進み、私は社会人としてのスタートをきります、がんばります^^

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  2. あれ?気づきませんでした?笑
    たまに本人も出演していたのです。

    社会人のスタート、頑張ってください!

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